
脳動脈瘤破裂で障害年金はもらえる?
結論から申し上げますと、脳動脈瘤破裂の後遺症により、日常生活や仕事に支障が残っている場合、障害年金を受給できる可能性があります。
特に、肢体の障害、言語障害、高次脳機能障害、視野障害などが残っている場合は、障害年金の対象となることがあります。
- 初診日の確認
- 保険料納付要件
- 後遺症の内容に合った診断書の選択
- 障害認定日の特例を使えるかどうか
この4点を整理することが、脳動脈瘤破裂で障害年金を申請するうえで重要です。
「脳動脈瘤破裂で障害年金は難しいと聞いたが、私はもらえるのか?」
「実際に受給した例を知りたい」
「もらえる金額はどのくらいだろう」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
脳動脈瘤破裂は、突然発症し、手術や入院を経ても後遺症が残ることがあります。
後遺症の内容は人によって異なり、体の麻痺、しびれ、視野障害、言語障害、高次脳機能障害など、複数の障害が関係することもあります。
このページでわかること
- 脳動脈瘤破裂で障害年金を受給できる可能性
- 障害認定日の特例
- もらえる金額の目安
- 実際の受給例
- 脳疾患の後遺症に関する認定基準
- 申請するために大切なこと
脳動脈瘤破裂で障害年金の申請を検討されている方は、初回無料相談をご利用ください。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
うつ病をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。
脳動脈瘤破裂で障害年金は難しいのか
脳動脈瘤破裂は、病名だけで障害年金の等級が決まるわけではありません。
障害年金では、破裂そのものよりも、破裂後にどのような後遺症が残り、日常生活や仕事にどの程度の支障があるかが重視されます。
たとえば、次のような障害が残った場合、障害年金を申請できる可能性があります。
- 片麻痺、しびれ、筋力低下などの肢体の障害
- 視野欠損などの眼の障害
- 言語障害
- 記憶、注意、遂行機能などの高次脳機能障害
- 遷延性意識障害など、重い意識障害
そのため、脳動脈瘤破裂で障害年金を申請する場合は、後遺症の内容に応じて、肢体、眼、精神、その他の診断書など、どの診断書で請求するかを整理することが大切です。
脳動脈瘤破裂で障害年金を受給できる条件

脳動脈瘤破裂で障害年金を申請するためには、次の3つの要件が重要です。
- 初診日~いつお医者さんに行ったか
- 保険料納付要件~保険料は納めていたか
- 障害の状態が認定基準に該当するか
そのうえで、障害認定日に脳動脈瘤破裂の後遺症が認定基準に該当すれば、障害年金を受給できる可能性があります。
脳動脈瘤破裂は障害認定日の特例があります

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。
ただし、脳血管疾患による機能障害の場合、次のような特例があります。
脳血管疾患による機能障害は、初診日から6か月を経過した日以後で、医学的にそれ以上の機能回復がほとんど望めないと医師が判断した日を、障害認定日として取り扱うことができます。
これを症状固定日といい、状態によっては1年6か月を待たずに請求できる場合があります。
特に、遷延性意識障害など、重い状態が続いている場合には、認定日の特例を検討することが重要です。
ただし、リハビリテーション等によって機能回復が見込まれる場合もあるため、医師の判断や療養経過を十分に確認する必要があります。

障害年金を受給することで、少しでも経済的な負担を軽減することが可能です。
脳動脈瘤破裂で障害年金の金額はいくら?

脳動脈瘤破裂で障害年金が認定された場合、金額はいくらもらえるのでしょうか。
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。
- 障害基礎年金:1級・2級
- 障害厚生年金:1級・2級・3級
初診日に加入していた年金制度や認定された等級により、受給額が異なります。
障害基礎年金の金額
| 障害等級 | 金額 |
| 1級 | 1,059,125円/年 +子の加算 |
| 2級 | 847,300円/年 +子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
1年の金額を6等分して、偶数月に2か月分ずつ受け取る形になります。
子の加算

18歳の年度末までの子がいる場合、子の加算がつくことがあります。
| 子の人数 | 金額 |
| 1人目・2人目 | 1人につき243,800円/年 |
| 3人目以降 | 1人につき81,300円/年 |
障害厚生年金の金額
脳動脈瘤破裂で、初診日が厚生年金加入中にある場合、障害厚生年金の対象となる可能性があります。
1級又は2級に認定された場合は、障害基礎年金に障害厚生年金が加算されます。
3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。
| 障害厚生年金 | 金額 |
| 1級 | 報酬比例額×1.25 +配偶者加給年金 |
| 2級 | 報酬比例額 +配偶者加給年金 |
| 3級 | 最低保障額635,500円/年 |
脳動脈瘤破裂で受け取れる年金額の目安
生涯を通じた給与とボーナスの平均を基にした、おおよその受給額です。あくまで目安としてご参考ください。
| ケース | 年収モデル | 等級 | 年金の種類 | 受給額 |
|---|---|---|---|---|
| 自営業・主婦など | ― | 2級 | 障害基礎年金 | 847,300円/年 |
| 自営業・主婦など | ― | 1級 | 障害基礎年金 | 1,059,125円/年 |
| 会社員 | 平均年収300万円 | 3級 | 障害厚生年金 | 635,500円/年 |
| 会社員 | 平均年収300万円 | 2級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約144万円〜156万円/年 |
| 会社員 | 平均年収500万円 | 2級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約192万円〜204万円/年 |
金額の詳細は、障害年金はいくらもらえる?【2026年(令和8年度)】で詳しく解説しています。
脳動脈瘤破裂の障害年金受給例

実際に受給した例は、申請を検討するうえで参考になります。
脳動脈瘤破裂で障害厚生年金3級|年額約60万円
| 認定 | 障害厚生年金3級 障害認定日請求 |
| 相談者 | 40代女性 埼玉県富士見市 |
| 傷病 | 脳動脈瘤(くも膜下出血を併発) |
| 金額 | 約60万円 |
ご主人からのご相談でした。
午前中から頭痛が強く、夕方になっても治らず、夜には吐き気を伴うようになりました。
総合病院の救急外来を受診し、MRIで後大脳動脈瘤が認められ、その後、転医入院、大学病院で開頭手術を受けられました。
手術後、右半身の強いしびれ、右上45度の視野欠損の後遺症が残りました。
状態に波があり、少し動ける日はあるものの、動いた後は一週間ほど症状が悪化する状態でした。
右半身が安定せず、同じ姿勢を続けることが困難で、しびれが強く、自分の右足が地面についているのか分からないこともありました。
厚生年金加入中が初診日であったため、障害厚生年金を認定日請求で申請し、3級と認定されました。
請求から決定まで70日でした。
脳動脈瘤破裂の認定基準

脳動脈瘤破裂の後遺症として、体の麻痺、しびれ、視野障害、高次脳機能障害などが残ることがあります。
そのため、障害年金では、残っている後遺症に応じて、肢体、眼、精神、その他の障害として判断されます。
脳動脈瘤破裂の認定基準で大切なこと
- 病名だけではなく、残った後遺症の内容で判断されます。
- 肢体の障害では、関節可動域・筋力・日常生活動作が重要です。
- 視野障害がある場合は、眼の障害としての確認も必要です。
- 記憶力、注意力、遂行機能、社会的行動などに支障がある場合は、高次脳機能障害としての検討が必要です。
複数の後遺症がある場合は、どの診断書で請求するか、どの障害を中心に申請するかを整理することが大切です。
肢体の機能障害として判断される場合
脳動脈瘤破裂後の片麻痺やしびれなどにより、手足や体幹に支障が残る場合、肢体の機能の障害として判断されることがあります。
| 1級 | 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
| 3級 | 労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの |
肢体の機能障害で確認される主なポイント
肢体の障害では、次のような点を総合的に見て判断されます。
- 関節可動域
- 筋力
- 巧緻性
- 動作の速さ
- 耐久性
- 日常生活における動作の状態
高次脳機能障害がある場合
脳損傷に起因する認知障害全般について、日常生活又は社会生活に制約があるものは認定の対象となることがあります。
主な症状として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、失語、失行、失認などがあります。
傷病手当金との調整に注意
障害厚生年金の場合、同じ傷病で傷病手当金を受給していると、重複している期間について、障害年金相当額を健康保険組合等に返還する必要がある場合があります。
申請時期や障害認定日請求の扱いによって実利が変わることもあるため、傷病手当金を受給中の方は注意が必要です。
よくあるご質問
脳動脈瘤破裂で障害年金はもらえますか?
脳動脈瘤破裂の後遺症により、日常生活や仕事に支障が残っている場合、障害年金を受給できる可能性があります。肢体の障害、視野障害、高次脳機能障害など、残った症状に応じて判断されます。
脳動脈瘤破裂は1年6か月待たないと申請できませんか?
原則は初診日から1年6か月経過した日が障害認定日です。ただし、脳血管疾患による機能障害では、初診日から6か月を経過した日以後で、医師が症状固定と判断した日を障害認定日として取り扱える場合があります。
脳動脈瘤破裂では何の診断書を使いますか?
残った後遺症により異なります。片麻痺やしびれが中心であれば肢体の診断書、視野障害があれば眼の診断書、高次脳機能障害が中心であれば精神の診断書などを検討します。
障害者手帳を持っていなくても申請できますか?
申請できます。障害者手帳と障害年金は別制度です。手帳を持っていない場合でも、障害年金の要件を満たせば受給できる可能性があります。
脳動脈瘤破裂で障害年金を検討中の方へ
脳動脈瘤破裂の障害年金は、後遺症の内容、初診日、障害認定日の特例、診断書の選択によって判断が分かれます。
特に、肢体の障害だけでなく、視野障害や高次脳機能障害がある場合は、どの障害を中心に申請するかを整理することが重要です。
少しでも気になる点があれば、まずは無料でご相談ください。
