心疾患で障害年金はもらえる?認定基準・等級・申請のポイントを解説

心疾患で障害年金はもらえる?認定基準・等級・申請のポイントを解説

心疾患で障害年金の受給まとめ

心疾患で障害年金を申請する場合、認定基準の確認が重要です

心疾患の障害年金は、病名だけで決まるのではなく、症状・検査成績・治療経過・日常生活や仕事への支障を総合的に見て判断されます。

弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患など、心疾患の種類によって認定基準の見方が異なります。

このページでは、心疾患で障害年金を申請する際の認定基準、一般状態区分、疾患別の考え方、障害認定日の例外について解説します。

「心疾患で障害年金を申請したいが、認定基準がよくわからない」

「人工弁、ペースメーカー、ICD、CRT-Dなどを入れた場合の等級を知りたい」

「心疾患で障害年金の対象になるか確認したい」

このような疑問をお持ちの方に向けて、障害年金の専門家の視点からわかりやすく解説します。

このページでわかること

  • 心疾患で障害年金の認定基準を見るときの基本
  • 心疾患の1級・2級・3級の考え方
  • 一般状態区分表とMetsの目安
  • 弁疾患・心筋疾患・虚血性心疾患・難治性不整脈・大動脈疾患・先天性心疾患の認定基準
  • ペースメーカー、ICD、CRT-D、人工弁を装着した場合の考え方
  • 障害認定日の例外

心疾患の障害年金の受給例や、人工弁・ペースメーカー・ICD・拡張型心筋症などの詳しい解説は、以下のページも参考にしてください。

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執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
心疾患をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。

心疾患で障害年金の対象になるかは総合的に判断されます

心疾患による障害の程度は、呼吸困難、動悸、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫などの臨床症状、X線、心電図、心エコー、血液検査などの検査成績、一般状態、治療や病状の経過を総合的に見て認定されます。

そのため、心疾患という病名だけで障害年金の等級が決まるわけではありません。

診断書に、検査数値だけでなく、日常生活や仕事にどのような制限があるかが適切に記載されていることが重要です。

心疾患の主な区分

障害年金の認定基準では、心疾患は主に次のように区分されています。

  • 弁疾患
  • 心筋疾患
  • 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
  • 難治性不整脈
  • 大動脈疾患
  • 先天性心疾患

また、肺血栓塞栓症、肺動脈性肺高血圧症についても、心疾患による障害として認定されます。

心疾患の障害等級の基本的な考え方

障害等級 障害の状態
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活に著しい制限を受けるか、又は著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

心疾患の認定で見られる主な症状・検査

心疾患の認定では、次のような症状や検査成績が確認されます。

  • 胸痛、動悸、呼吸困難、失神などの自覚症状
  • 浮腫、チアノーゼなどの他覚所見
  • 心電図、心エコー図、胸部X線、CT、MRI
  • 血液検査(BNP値など)
  • 心カテーテル検査、冠動脈造影など
  • NYHA心機能分類、一般状態区分表、Metsなど

検査数値だけでなく、実際の生活状況や労働状況とあわせて判断されます。

一般状態区分表

心疾患による障害の程度は、一般状態区分表も参考にして判断されます。

区分 一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

Metsの目安

一般状態区分を身体活動能力に当てはめると、おおむね次のように整理されます。

区分 身体活動能力
6Mets以上
4Mets以上6Mets未満
3Mets以上4Mets未満
2Mets以上3Mets未満
2Mets未満

Metsとは、安静時を1としたときに、身体活動でどの程度の酸素を必要とするかを示す目安です。

心疾患の障害年金の認定基準

弁疾患の認定基準

弁疾患では、人工弁を装着した場合は原則として3級の対象となります。

ただし、人工弁装着後6か月以上経過しても、臨床所見や異常検査所見があり、一般状態区分表のウ又はエに該当する場合は、2級に認定される可能性があります。

人工弁を装着しただけで一律に2級になるわけではなく、術後の症状や日常生活の制限も確認されます。

人工弁について詳しくは、人工弁で障害年金はもらえる?をご覧ください。

心筋疾患の認定基準

心筋疾患では、心不全の状態、EF値、異常検査所見、臨床所見、一般状態区分表などを総合して判断します。

心筋疾患の3級では、EF値が50%以下を示し、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、一般状態区分表のイ又はウに該当するものなどが例示されています。

肥大型心筋症では、EF値が障害認定の参考にならないこともあるため、臨床所見や心電図、胸部X線、心臓エコー検査なども参考にして総合的に判断します。

拡張型心筋症について詳しくは、拡張型心筋症で障害年金はもらえる?をご覧ください。

虚血性心疾患の認定基準

虚血性心疾患には、心筋梗塞や狭心症などがあります。

2級は、異常検査所見が2つ以上あり、軽労作で心不全や狭心症などの症状をあらわし、一般状態区分表のウ又はエに該当するものなどが例示されています。

3級は、異常検査所見が1つ以上あり、心不全や狭心症などの症状が1つ以上あり、一般状態区分表のイ又はウに該当するものなどが例示されています。

難治性不整脈の認定基準

難治性不整脈とは、放置すると心不全や突然死を引き起こす危険性の高い不整脈で、適切な治療を受けているにもかかわらず改善しないものをいいます。

ペースメーカー又はICDを装着した場合は、原則として3級の対象となります。

CRT(心臓再同期医療機器)又はCRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)を装着した場合は、原則として2級の対象となります。

大動脈疾患の認定基準

胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管を挿入し、一般状態区分表のイ又はウに該当する場合は、3級に該当する可能性があります。

また、胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤に難治性の高血圧を合併した場合も、3級に該当する可能性があります。

大動脈疾患は、一般的には1級・2級には該当しにくいとされていますが、合併症や手術後の後遺症の程度によっては、さらに上位等級に認定されることがあります。

先天性心疾患の認定基準

先天性心疾患では、異常検査所見、臨床所見、一般状態区分表、肺体血流比、肺動脈収縮期圧などを確認して判断します。

手術不可能な逆流状況であるEisenmenger化を起こしている場合などは、2級に該当する可能性があります。

重症心不全・心臓移植・人工心臓など

心臓移植や人工心臓を装着した場合は、原則として1級に認定されます。

ただし、術後1年から2年程度経過観察したうえで、症状が安定している場合には、臨床症状、検査成績、一般状態区分表を踏まえて再認定されます。

  • 心臓移植:1級
  • 人工心臓:1級
  • CRT・CRT-D:2級
  • ペースメーカー・ICD・人工弁:原則3級

障害認定日の特例(例外)

心疾患の障害年金における障害認定日の特例(例外)

障害年金は、原則として初診日から1年6か月を経過した日を障害認定日として判断します。

ただし、特例(例外)があり初診日から1年6か月以内に、ペースメーカー、ICD、人工弁の装着があった場合は、それらを装着した日が障害認定日となります。

また、次の手術等を受けた場合も、実施日が初診日から1年6か月以内であれば、その日が障害認定日となります。

  • 人工血管
  • 心臓移植
  • 人工心臓
  • CRT(心臓再同期医療機器)
  • CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)

障害認定日の特例に該当する場合、通常より早く請求を検討できることがあります。

心疾患で障害年金を申請するときに大切なこと

心疾患で障害年金を申請するために大切なこと

心疾患の障害年金では、病名や手術名だけでなく、次の点を整理することが大切です。

  • 初診日がいつか
  • 初診日に加入していた年金制度
  • 保険料納付要件を満たしているか
  • 人工弁、ペースメーカー、ICD、CRT-Dなどの装着日
  • 心エコー、心電図、BNP値などの検査成績
  • 日常生活や仕事への支障
  • 診断書に実際の状態が反映されているか

特に心疾患は、検査数値だけで判断されるわけではありません。診断書の内容と実際の生活状況がずれていると、適切な認定につながらないことがあります。

よくあるご質問

心疾患という病名だけで障害年金はもらえますか?

病名だけで決まるわけではありません。心疾患の種類、臨床症状、検査成績、一般状態、治療経過、日常生活や仕事への支障を総合的に見て判断されます。

人工弁を装着すると障害年金は何級になりますか?

人工弁を装着した場合は、原則として3級に該当します。ただし、3級は障害厚生年金の等級であり、初診日が国民年金の場合は3級の支給はありません。

ペースメーカーやICDを装着した場合は障害年金の対象ですか?

ペースメーカー又はICDを装着した場合は、原則として3級に該当します。CRT又はCRT-Dを装着した場合は、原則として2級に該当します。

心疾患で2級になるのはどのような場合ですか?

疾患の種類によって基準は異なりますが、異常検査所見や臨床所見があり、一般状態区分表のウ又はエに該当するような場合などが2級の目安になります。

障害認定日の例外に該当することはありますか?

あります。初診日から1年6か月以内に、ペースメーカー、ICD、人工弁、人工血管、心臓移植、人工心臓、CRT、CRT-Dなどの手術・装着を行った場合、その日が障害認定日になることがあります。

心疾患で障害年金を検討中の方へ

心疾患の障害年金は、認定基準が細かく、病名や手術歴だけでは判断できないことがあります。

人工弁、ペースメーカー、ICD、CRT-Dなどを装着している場合や、息切れ・動悸・浮腫などにより日常生活や仕事に支障がある場合は、障害年金の対象になる可能性があります。

心疾患で障害年金を検討されている場合は、まずは無料相談をご利用ください。

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参考資料

心疾患による障害認定基準

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