
大動脈弁閉鎖不全症で人工弁置換術を受けた場合、障害厚生年金3級に該当する可能性があります
人工弁を装着した場合、原則として障害厚生年金3級の対象となります。
ただし、3級は障害厚生年金の等級です。初診日に厚生年金に加入していたかどうか、障害認定日がいつになるか、診断書の内容が重要になります。
このページでは、大動脈弁閉鎖不全症で人工弁置換術を受け、障害厚生年金3級を受給した事例を紹介します。
「大動脈弁閉鎖不全症で人工弁にした場合、障害年金を受給できるのか知りたい」
「仕事をしていても、人工弁で障害厚生年金3級を受給できるのか知りたい」
「人工弁の手術日が障害認定日になるのか知りたい」
このような疑問をお持ちの方に向けて、実際の受給例をもとに解説します。
このページでわかること
- 大動脈弁閉鎖不全症で人工弁置換術を受けた受給例
- 人工弁で障害厚生年金3級に認定された事例
- 障害認定日の特例が適用された事例
- 仕事をしていても障害年金を受給できる可能性
- 認定日請求・事後重症請求の考え方
- 人工弁で申請するときに注意したい点
人工弁の障害年金の金額や認定基準については、人工弁で障害年金はもらえる?で詳しく解説しています。
心疾患全体の認定基準については、心疾患の障害年金認定基準ページも参考にしてください。
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
人工弁をはじめ、心疾患の障害年金申請にも対応してまいりました。
大動脈弁二尖弁で人工弁置換|障害厚生年金3級・約59万円
| 認定 | 障害厚生年金3級 認定日請求 |
| 相談者 | 40代男性 東京都品川区 |
| 傷病 | 大動脈弁閉鎖不全症 |
| 金額 | 約59万円 |
ご相談にお越しいただいた前月に、人工弁の手術を受けられた方です。
初診日はお勤め中で、厚生年金に加入されていました。
1年前の健康診断で心雑音と心肥大を指摘され、循環器内科を受診しました。
大動脈弁閉鎖不全症と診断され、経過観察となっていましたが、半年後から息切れや息苦しさなどの自覚症状が出てきました。
検査入院の結果、大動脈弁二尖弁であることが判明しました。
その後、初診から7か月目に人工弁置換術を受けられました。
人工弁を装着した日が障害認定日となった事例
この事例では、初診日から1年6か月を待つのではなく、障害認定日の特例が適用されました。
人工弁を置換した日を障害認定日として、障害厚生年金を申請しました。
結果として、無事に障害厚生年金3級を受給することができました。
申請から決定までの期間は78日間でした。
初診日から1年以内に人工弁置換術を受けていたため、発症から手術までのカルテが残っているかどうかの心配は少なく、障害年金の準備は比較的スムーズに進みました。
人工弁の場合、装着日や初診日の整理が重要です。
大動脈弁閉鎖不全症で人工弁置換|障害厚生年金3級・約100万円
| 認定 | 障害厚生年金3級 認定日請求 |
| 相談者 | 40代男性 東京都武蔵野市 |
| 傷病 | 大動脈弁閉鎖不全症 |
| 金額 | 約100万円 |
数年前、勤務中に倒れて救急搬送され、翌日に大手術を受け、人工弁に置換された方です。
その後、今年に入って縦隔炎を起こし、再度大きな手術を受けられました。
ご相談時点では、もうすぐ仕事に復帰される予定でした。
会社に勤務されていたこともあり、これまで障害年金の請求は考えていなかったとのことです。
2級の可能性も考え、障害認定日と現在の診断書2枚の取得を検討しました。
しかし、医師から「同じ内容で3級程度になる」との連絡があり、現在の診断書のみで請求することになりました。
診断書の取得には費用もかかるため、どの時点の診断書が必要かを事前に整理することが大切です。
5年の時効にかかる前にご相談いただけたため、請求につなげることができました。
申請から52日目で、障害厚生年金3級を受給されました。
ご依頼者さまにも大変喜んでいただけた事例です。
大動脈弁閉鎖不全症の受給例からわかること
大動脈弁閉鎖不全症で人工弁置換術を受けた受給例を見ると、次の点が重要であることがわかります。
- 人工弁を装着した場合、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性がある
- 3級は障害厚生年金の等級であり、初診日が厚生年金加入中かどうかが重要である
- 初診日から1年6か月以内に人工弁を装着した場合、装着日が障害認定日となることがある
- 仕事をしていても障害厚生年金3級を受給できる可能性がある
- 時効にかかる前に申請を検討することが大切である
- 診断書をどの時点で取得するか、事前に整理することが重要である
人工弁の障害年金は、装着した事実だけでなく、初診日、加入していた年金制度、障害認定日、診断書の内容を整理して請求することが大切です。
よくあるご質問
大動脈弁閉鎖不全症で人工弁にした場合、障害年金は受給できますか?
受給できる可能性があります。人工弁を装着した場合は、原則として障害厚生年金3級に該当します。ただし、初診日が厚生年金加入中であることなど、要件の確認が必要です。
人工弁を装着した日は障害認定日になりますか?
初診日から1年6か月以内に人工弁を装着した場合は、人工弁を装着した日が障害認定日となります。これを障害認定日の特例として整理することがあります。
仕事をしていても人工弁で障害年金は受給できますか?
はい。仕事をしていることだけで障害年金が受給できないわけではありません。人工弁の場合は、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。
3級の場合、初診日が国民年金でも受給できますか?
いいえ。3級は障害厚生年金の等級です。初診日が国民年金の場合、3級相当では障害年金は支給されません。
人工弁の障害年金は遡って請求できますか?
障害認定日時点の診断書などが準備でき、要件を満たす場合は、認定日請求や遡及請求を検討できることがあります。ただし、年金の時効は原則5年です。
大動脈弁閉鎖不全症・人工弁で障害年金を検討中の方へ
大動脈弁閉鎖不全症で人工弁置換術を受けた場合、初診日が厚生年金加入中であれば、障害厚生年金3級に該当する可能性があります。
ただし、初診日、障害認定日、診断書の取得時期、時効、現在の症状など、実際の申請では個別に確認すべき点があります。
人工弁で障害年金を検討されている場合は、まずは無料相談をご利用ください。
参考資料
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第11節/心疾患による障害
