「東京で、うつ病により障害年金を受給した事例を知りたい。」
このような疑問に、わかりやすくお答えします。
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、13年以上にわたり、累計約3,600件の「うつ病など障害年金申請のサポート」に携わってまいりました。
実際に受給した例は参考になると思います。
いろいろなケースがございますので、ぜひご参考ください。
うつ病で障害厚生年金3級(遡及請求5年)~320万円
認定 | 障害厚生年金3級 遡及請求5年 |
相談者 | 40代男性 東京都足立区 |
傷病 | うつ病(初診の病院が廃院) |
金額 | 約60万円 遡及金額320万円 |
うつ病でも障害年金を受給できる可能性があることを知りましたが、手続きが複雑で自力では難しいと感じられました。
初診日である病院が廃院しており、証明について心配されていました。
当時のご本人のうつ状態は以下の通りでした。
- 長時間労働や対人関係に強いストレスを感る
- 憂うつ感
- 不安感
- 不眠症状
- 通勤途中に吐き気や下痢
これらの症状が出始め、会社での遅刻・欠勤が増えました。
最終的には会社に電話することもできなくなり、無断欠勤をする形になり精神科を受診。
廃院とカルテの引継ぎ
初診は約10年前でしたが、1年7か月後に2院目である現在の病院に転医されました。
この転医は廃院に伴う紹介でした。
現在の病院に確認したところ、幸いにもカルテは引き継がれており、初診の証明に問題はありませんでした。
現在のご本人のうつ状態は以下の通りです。
- 不安感が強く、他人とのコミュニケーションが困難。
- 対人関係は同居の家族のみ。
- 憂うつ感
- 緊張感
- 不眠の症状
障害認定日の診断書と現在の診断書を提出し、障害厚生年金を請求。
無事、障害厚生年金3級(5年遡及請求)に認定されました。請求から決定までの期間は69日間でした。
診断書の内容から、納得の結果です。
決定後、ご本人からは以下のようなご連絡をいただきました。
「提出書類一式の写しを見ると、自分一人では難しかったでしょうと実感しました。改めてこの度は大変お世話になりました。」
こちらこそ、ありがとうございました。
初診日の検討。障害厚生年金3級~60万円
認定 | 障害厚生年金3級 事後重症請求 |
相談者 | 30代女性 東京都葛飾区 |
傷病 | うつ病(不眠症後長期病欠休職) |
金額 | 約60万円 |
うつ病の初診は約6年前で、その間厚生年金に加入していました。
約3年前から会社を休みがちになり、最終的には長期病欠休職を経て1年前に退職しました。
ずっと同じクリニックで受診されていたとのことで、遡及請求をするために医師に診断書の依頼をしました。
しかし、取得した診断書によると、8年前にはうつ病ではなく不眠症で受診されていたとの記載があります。
ご本人に確認したところ、不眠症は1年ほどで改善し、その後は問題なく過ごしてきたとのことでした。
うつ病の症状が初めて出たのは6年前で、その時点で障害年金の請求をしたいとのご希望でした。
ただし8年前が初診とされると、その頃は症状が改善しており、元気にお仕事をされていた時期でした(その間は受診もしていない)。
初診の診断の違いによる申請の複雑さ
ご本人のご意向を尊重し、事後重症と遡及請求のバランスを考え、2種類の書類を作成し一緒に提出しました。
- 6年前を初診としての遡及請求
- 予備として8年前を初診としての事後重症請求
申立書には「6年前を初診として認めてほしいが、8年前が初診と認定された場合はそれを受け入れる」との旨も添付しました。
結果は、やはり8年前を初診としての事後重症で、障害厚生年金3級が認定されました。
診断された疾患が異なっていても、治療が継続している場合や期間が短い(4、5年未満)場合でも、初診が障害年金の初診とされます。
納得のいく結果となり、ご本人も納得していただけました。これが大切ですね。
海外の病院。障害基礎年金2級~80万円
認定 | 障害基礎年金2級 障害認定日請求 |
相談者 | 女性 東京都 |
傷病 | うつ病(初診が海外のクリニック) |
金額 | 約80万円 |
申請まで2年を要した例。最初にお電話を頂いたのは、申請した2年半前でした。
日本橋の事務所に相談に来て頂き、ご相談ご依頼を頂きました。
海外での初診と初診日の証明
初診日は海外のクリニックでしたため、初診の証明として海外に送る等して受診状況等証明書を取得しなければなりませんでした。
英語版の受診状況等証明書があります。
また、準備を進めているうちに初診日がもっと前だということが判明しましたが、これも海外でした。
ご自身でお持ちの資料だけでは初診の証明になるものがありませんでした。
請求前に初診日認定の緩和がされたとはいえ、受診状況等証明書を取らないと認定は難しい状況でした。
ご友人やご家族の協力もあって2年越しでやっと受診状況等証明書を取得しました。
内容的には用紙のわかりにくさもあって、空白部分が多かったのですが・・・。
請求時に状況を説明し、何とか障害年金の請求までこぎつけました。請求から決定までの期間は37日間でした。
特に照会もなく、障害基礎年金2級が認定されました。
書類を集めるだけでもかなり困難な場合もありますが、知恵を出しながら可能性を探っていくことが重要ですね。
そこは知恵を絞って進めることが大切ですね!
うつ病と性同一障害。障害厚生年金3級~150万円
認定 | 障害厚生年金2級 障害認定日請求 |
相談者 | 女性 東京都杉並区 |
傷病 | うつ病(性同一障害) |
金額 | 約150万円 |
性別違和(性同一性障害)の女性でした。
心は女性ですので、女性とさせていただきます。
販売のお仕事で就職されたのですが、身長が高いため女性の容姿であっても目立ってしまい、人から変な目で見られたりからかわれたりしたそうです。
徐々にうつ症状や胃腸症状が出るようになり、うつ病を発症されました。
性別違和の経緯と審査
うつ病の初診日は厚生年金加入時でしたので、障害厚生年金で申請しました。
途中で照会があり、小学5年生時に性別違和を自覚されてからの申立書と、受診状況等証明書の追加提出を求められました。
初診日に関する申立書を添えて提出し、審査の結果を待ちました。
無事、請求通りの初診日で障害厚生年金2級(事後重症)に認定されました。
照会が入ったため、請求から決定までには少し時間がかかり103日かかりました。
審査請求も視野に入れていましたが、裁定請求で認められてホッとしました。
障害基礎年金2級(遡及請求2年)
認定 | 障害基礎年金2級 遡及請求2年 |
相談者 | 女性 東京都足立区 |
傷病 | うつ病(納付要件確認) |
金額 | 約100万円 遡及金額200万円 |
ご相談に来て頂いた際、年金の定期便を拝見しました。
初診日によっては、納付要件が満たされない場合があります。
そのため、うつ病の初診日が確定し、納付要件がクリアされていれば障害年金を請求することになりました。
初診の病院に初診日を問い合わせて頂いたところ、直近1年の納付要件をクリアしていましたので、請求の準備を始めました。
初診のクリニックと現在のクリニックの二つだけでしたので、比較的スムーズに進みました。
障害認定日と現在の診断書を提出し、障害認定日で認定されました。
先に初診日を確定させ、納付要件を確認することも重要ですね。
診療記録なし。障害厚生年金2級
認定 | 障害厚生年金2級 事後重症請求 |
相談者 | 男性 東京都練馬区 |
傷病 | うつ病(診療記録なし) |
金額 | 約150万円 |
初診日は平成2年で、20年以上前の出来事です。
初診時の病院には診療録が残っておらず、受診状況等証明書を取得することができませんでした。二つ目の病院も同様です。
三つ目の病院(初診から13年以上後)で受診状況等証明書を取得しましたが、平成2年の初診時の情報は得られませんでした。
四つ目の病院でのカルテの写し(問診時の内容が記載されています)と、当時の情報をご存じの元上司からのレターなどを添付しました。
このようにして、障害厚生年金(事後重症)を請求することができました。
無事に平成2年でのうつ病の初診日が認められ、ほっとしました。
審査期間はお正月を挟んで73日間でした。
周りの証拠を一つ一つ積み重ねて、請求に持っていく形となりますね。
もらえる金額や認定基準についての詳細はこちらをご覧ください。
うつ病で障害年金を申請するのは難しいのでしょうか?専門の女性社労士がうつ病で障害年金を受給するためのポイントを解説!
うつ病で申請するにはいろいろと複雑な点もあり、初回無料相談を行っております。
障害年金専門の社労士 経験13年、相談累計3,668件(令和6年8月末現在) 受給率97.8%。
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精神の障害による障害の程度は、次により認定する。
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