学生納付特例と障害年金|学生時代に初診日がある場合の注意点

学生納付特例と障害年金|学生時代に初診日がある場合の注意点

学生納付特例と障害年金の関係

学生時代に初診日がある場合でも、障害年金を受給できる可能性があります。

ただし、学生時代の国民年金の加入状況や、学生納付特例の申請の有無によって、結果が変わることがあります。

特に、初診日が学生時代の場合は、その当時の年金記録を確認することが大切です。

このようなお悩みはありませんか。

  • 学生納付特例とは何か知りたい
  • 学生時代に初診日がある場合、障害年金を受給できるのか知りたい
  • 学生時代に国民年金保険料を払っていなかった
  • 学生納付特例を申請していたか分からない
  • 昔の学生期間が未納扱いになっていないか不安

このページでは、学生納付特例と障害年金の関係、学生時代に初診日がある場合の注意点、年代による取扱いの違いを解説します。

このページでわかること

  • 学生納付特例制度の基本
  • 学生時代に初診日がある場合の障害年金の考え方
  • 1991年3月以前・1991年4月以降・2000年4月以降の違い
  • 学生納付特例が承認されている場合の効果
  • 未納期間がある場合の注意点

執筆者紹介:障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
うつ病、発達障害、腎疾患、視覚障害など、初診日が学生時代にさかのぼるご相談にも対応してまいりました。

障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。

この記事では、学生納付特例と障害年金の関係を解説します。

申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

学生時代に初診日がある場合は注意が必要です

学生時代に初診日がある場合は、その当時の国民年金の加入状況と保険料納付状況を確認する必要があります。

目の疾患、腎臓の疾患、精神疾患などは、長い年月をかけて症状が進行することがあります。

そのため、現在の症状で障害年金を申請しようとしたときに、初診日が学生時代までさかのぼるケースがあります。

在学中のけが、学生時代から通院していた精神疾患、20歳前後に発症した病気などでは、学生時代の年金記録が重要になります。

学生納付特例を申請していたか、未納になっていないかによって、障害年金を受給できるかどうかに影響する場合があります。

学生時代の障害年金の取扱い

学生納付特例制度について

出典:日本年金機構 学生納付特例制度について

学生時代の取扱いは、初診日がいつかによって変わります。

国民年金制度はこれまで何度も改正されてきました。

そのため、同じ「学生時代に初診日がある」というケースでも、初診日の時期によって確認すべき内容が異なります。

特に、1991年3月以前、1991年4月から2000年3月まで、2000年4月以降では取扱いが変わります。

1991年3月以前|学生が任意加入だった時期

時期 1959年から1991年3月まで
昭和34年から平成3年3月まで
取扱い 大学生・高校生などの昼間学生は任意加入

1991年3月以前は、昼間学生は国民年金に任意加入する時期でした。

1959年に国民年金制度が始まった当時、昼間学生は国民年金に任意加入する扱いでした。

そのため、任意加入して保険料を納めていなかった場合、初診日がこの時期にある障害について、障害基礎年金の対象にならないことがあります。

このような制度のはざまにある方については、一定の要件を満たす場合に、福祉的措置として特別障害給付金の対象となることがあります。

ただし、夜間や通信制の学生など、当時の制度上の取扱いによって判断が分かれることがあります。

1991年4月から2000年3月まで|学生免除の時期

時期 1991年4月から2000年3月まで
平成3年4月から平成12年3月まで
取扱い 学生を含む20歳以上が国民年金に強制加入

1991年4月以降は、学生も20歳になると国民年金に加入する扱いになりました。

1991年4月以降は、学生を含む20歳以上の方が国民年金に加入することになりました。

この時期には、学生免除という制度がありました。

ただし、免除の申請をしていない場合は、未納期間として扱われることがあります。

学生だから当然に保険料を払わなくてよい、という扱いではありません。

そのため、この時期に学生だった方は、初診日の前日時点で保険料納付要件を満たしているかを慎重に確認する必要があります。

2000年4月以降|学生納付特例制度

時期 2000年4月から現在まで
平成12年4月から現在まで
取扱い 学生納付特例制度により、申請して承認されると保険料の納付が猶予される

学生納付特例は、学生本人が申請して承認を受けることで、在学中の保険料納付が猶予される制度です。

2000年4月から、学生納付特例制度が導入されました。

学生納付特例は、保険料を納めることが経済的に難しい学生について、申請により在学中の国民年金保険料の納付を猶予する制度です。

重要なのは、学生であれば自動的に対象になるわけではなく、申請して承認を受ける必要がある点です。

承認を受けていない期間は、未納期間として扱われることがあります。

学生納付特例が承認されている場合の効果

学生納付特例が承認されている期間は、障害基礎年金の保険料納付要件を確認するときに、納付済期間と同様に扱われます。

学生納付特例が承認されている期間は、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件を確認するときに、保険料を納付していた場合と同様に扱われます。

そのため、学生納付特例の承認期間中に初診日がある場合でも、その他の要件を満たせば障害基礎年金を請求できる可能性があります。

一方で、学生納付特例の期間は、将来の老齢基礎年金の金額には反映されません。

老齢基礎年金額に反映させたい場合は、一定期間内に追納を検討する必要があります。

学生納付特例は毎年度の申請が必要です

日本年金機構 年金事務所の外観写真

学生納付特例は、原則として年度ごとに申請が必要です。

学生納付特例は、原則として4月から翌年3月までの年度単位で審査されます。

在学中であっても、毎年度、自動的に承認されるわけではありません。

申請が遅れると、申請前に生じた病気やけがについて、障害基礎年金を受け取れない場合があります。

学生時代に初診日がある場合は、当時の申請状況や年金記録を確認することが大切です。

学生納付特例制度の効果一覧表

学生納付特例は、障害基礎年金の保険料納付要件には反映されますが、老齢基礎年金の金額には反映されません。

区分 老齢基礎年金の受給資格期間 老齢基礎年金の金額 障害基礎年金・遺族基礎年金の保険料納付要件
納付 ○ ○ ○
学生納付特例 ○ × ○
未納 × × ×

学生時代に初診日がある場合に確認したいこと

学生時代の初診日が疑われる場合は、年金記録と初診日の証明をあわせて確認します。

学生時代に初診日がある場合は、次の点を確認します。

  • 初診日が20歳前か、20歳以後か
  • 初診日の当時、国民年金に加入していたか
  • 学生納付特例や免除の申請をしていたか
  • 未納期間がある場合、保険料納付要件を満たしているか
  • 初診日の証明が取れるか

特に、精神疾患や発達障害、慢性疾患などでは、初診日が学生時代にさかのぼることがあります。

現在の症状だけでなく、いつ、どこの医療機関を初めて受診したかを整理することが重要です。

学生時代の初診日で障害年金を検討している方へ

学生時代に初診日がある場合は、早めに年金記録と初診日を確認しましょう。

学生時代に国民年金保険料を納めていなかったとしても、すぐに障害年金をあきらめる必要はありません。

学生納付特例が承認されていた場合や、20歳前に初診日がある場合など、個別の事情によって判断が変わることがあります。

一方で、未納期間があり、保険料納付要件を満たせない場合は、障害年金の請求が難しくなることがあります。

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よくあるご質問

学生納付特例とは何ですか?

学生納付特例は、学生が申請して承認を受けることで、在学中の国民年金保険料の納付が猶予される制度です。

20歳以上の学生も国民年金に加入する必要があります。

ただし、学生本人の所得が一定以下の場合、申請により在学中の保険料納付を猶予してもらうことができます。

学生納付特例を受けていれば、障害年金は受給できますか?

学生納付特例が承認されている期間は、障害基礎年金の保険料納付要件では納付済期間と同様に扱われます。

ただし、障害年金を受給するには、保険料納付要件だけでなく、初診日や障害の状態などの要件も確認する必要があります。

学生納付特例を申請していなかった場合はどうなりますか?

申請していなかった期間は、未納期間として扱われることがあります。

未納期間がある場合、初診日の前日時点で保険料納付要件を満たしているか確認する必要があります。

保険料納付要件を満たせない場合、障害年金の請求が難しくなることがあります。

学生時代の初診日が20歳前の場合はどうなりますか?

20歳前に初診日がある場合は、20歳前傷病による障害基礎年金として検討します。

20歳前傷病の場合、保険料納付要件は問われません。

ただし、障害の状態や所得制限など、別の確認事項があります。

学生納付特例の申請は毎年必要ですか?

原則として年度ごとに申請が必要です。

学生納付特例は、原則として4月から翌年3月までの年度単位で審査されます。

在学中であっても、自動的に毎年承認されるわけではありません。

参考資料

日本国内に住むすべての方は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられていますが、学生には、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。

学生納付特例の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に障害基礎年金の保険料納付要件の対象期間になります。

国民年金に任意加入していなかったことにより障害基礎年金等を受給していない方について、一定の要件を満たす場合に特別障害給付金制度があります。

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