
専業主婦・専業主夫の期間は、国民年金の第3号被保険者期間です
配偶者が会社員や公務員で厚生年金に加入していても、ご本人が専業主婦・専業主夫の場合は、原則として障害基礎年金の対象になります。
この記事では、専業主婦期間に初診日がある場合の障害年金、保険料納付要件、特例3号の注意点について解説します。
「専業主婦だった時の障害年金はどうなるのか」
「夫が会社員の場合、妻も障害厚生年金になるのか」
「第3号被保険者の期間は、保険料を納めていなくても大丈夫なのか」
このような疑問に、わかりやすくお答えします。
このページでわかること
- 専業主婦期間と第3号被保険者の関係
- 専業主婦期間に初診日がある場合の障害年金
- 障害基礎年金と障害厚生年金の違い
- 特例3号と障害年金の注意点
- 年金記録を確認する重要性
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
うつ病をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。
障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。
この記事では、専業主婦期間(第3号被保険者期間)と障害年金の関係について解説します。
申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
専業主婦期間に初診日がある場合は障害基礎年金の対象です
ご質問の多いケースの一つに、「専業主婦だった期間に初診日がある場合」があります。
専業主婦・専業主夫の第3号被保険者期間は、厚生年金ではなく、国民年金の加入期間です。
そのため、配偶者が会社員や公務員として厚生年金に加入していても、ご本人の初診日が第3号被保険者期間中にある場合は、原則として障害基礎年金の対象になります。
ご相談を受けていると、「夫が厚生年金に加入しているから、自分も厚生年金だと思っていた」という方が多くいらっしゃいます。
しかし、専業主婦・専業主夫で第3号被保険者の期間中に初診日がある場合は、障害厚生年金ではなく、障害基礎年金の対象です。
第3号被保険者期間とは
第3号被保険者とは、会社員や公務員など厚生年金に加入している配偶者に扶養されている、20歳以上60歳未満の配偶者をいいます。
一般的には、専業主婦や専業主夫の方が該当することが多い制度です。
第3号被保険者期間は、国民年金の加入期間として扱われます。
この期間は、保険料を本人が個別に納めていない場合でも、国民年金の加入期間とされます。
そのため、第3号被保険者期間中に初診日がある場合は、保険料納付要件の確認上、障害基礎年金の対象になる可能性があります。
専業主婦期間のポイント
- 第3号被保険者期間は国民年金の加入期間です
- 配偶者が厚生年金でも、ご本人が障害厚生年金になるわけではありません
- 第3号被保険者期間中に初診日がある場合は、原則として障害基礎年金の対象です
- 初診日や年金記録の確認が重要です
専業主婦期間でも障害厚生年金になるわけではありません
障害年金は、初診日にどの年金制度に加入していたかによって、請求できる年金の種類が変わります。
初診日に会社員などで厚生年金に加入していれば、障害厚生年金の対象になります。
一方、初診日に国民年金の第1号被保険者、第3号被保険者、または20歳前の年金未加入期間であれば、原則として障害基礎年金の対象です。
配偶者が厚生年金に加入しているかどうかではなく、ご本人の初診日の年金加入状況で判断されます。
特例3号で認められるのか?

第3号被保険者の制度は昭和61年に始まりました。
ただし、制度開始後も、配偶者の退職や本人の収入増加などにより第3号被保険者から第1号被保険者への切替が必要になったにもかかわらず、手続きが遅れて未納期間が生じているケースがあります。
このような場合、特定期間該当届などにより、老齢年金の受給資格期間として扱われる場合があります。
しかし、障害年金では、初診日の前日時点で納付要件を満たしているかが重要です。
初診日より後に手続きをしても、障害年金の納付要件では認められないことがあります。
そのため、特例3号や特定期間に関係する場合は、必ず年金事務所で個別に確認する必要があります。
特例3号についてご質問があった事例
特例3号について、過去に次のようなご質問がありました。
後で障害状態になられた方からすると、かなり切実な問題です。
ご質問
今年、妻が人工透析を始めました。
そのときの診断書に、平成23年が初診と記載されていました。
ところが、平成13年から私の扶養になっていたのですが、第3号の届出を忘れていたため、後に特例で第3号の届出をしました。
平成13年までは、会社員として働いていました。
年金事務所で、特例3号は遡及が認められず、初診日が働いていた期間なら支給されるが、そのころ健康診断や医者にかかったことがあるかと聞かれました。
しかし、医者には行かなかったと言っています。
近所の、以前からのかかりつけ医で紹介状を書いてもらい大学病院で治療しました。
平成13年当時も風邪の治療程度ならかかっていましたが、初診の平成23年当時はかかっていなかったかと思います。
こうした場合、受給できる可能性はあるのでしょうか。
初診日後の手続きでは、障害年金の納付要件で認められないことがあります

奥様の障害年金の請求をお考えとのこと。
特例3号の届出を初診日の後にした場合、障害年金の保険料納付要件では納付済みと認められないことがあります。
老齢年金では受給資格期間として扱われる場合があっても、障害年金では初診日の前日時点で納付要件を満たしているかが確認されます。
そのため、初診日が平成23年で、第3号被保険者の手続きが初診日後であった場合は、障害年金の納付要件を満たすか慎重な確認が必要です。
平成13年より前の健康診断結果でかなりの異常があった、または医療機関を受診していた証明がある場合は、初診日を別に考えられる可能性があります。
ただし、受診した証明がない限り、認定は難しいことがあります。
確認しておきたいこと
- 以前勤めていた会社で受けた健康診断結果票を探す
- 会社に健康診断記録が残っていないか確認する
- かかりつけ医で、平成13年以前のカルテが残っていないか確認する
- 平成13年以前に症状が出ていた可能性がないか確認する
- 年金事務所で第3号被保険者期間と納付記録を確認する
特例3号や特定期間に関する取扱いは、老齢年金と障害年金で結果が変わることがあります。
障害年金は「初診日の前日」における納付状況が重要です。
後から手続きをすれば必ず障害年金で認められる、というものではありません。
障害年金は複雑な制度です。不明点がある場合は、早めにご相談ください。
第3号被保険者に関する届出が遅れた場合でも、手続きをすれば年金を受け取れる場合があります。制度の詳細は、日本年金機構の案内もご確認ください。
専業主婦期間に初診日がある場合は年金記録の確認が大切です
専業主婦期間に初診日がある場合は、まず年金記録を確認することが大切です。
第3号被保険者期間として記録されていれば、保険料を本人が直接納めていなくても、納付要件の確認で有利に扱われます。
一方で、第3号被保険者の届出が漏れていたり、切替手続きが遅れていたりすると、未納期間として扱われることがあります。
初診日がいつか、その時点でどの年金制度に加入していたか、納付記録がどうなっているかを確認することが重要です。
よくあるご質問
専業主婦期間に初診日がある場合、障害年金はもらえますか?
専業主婦・専業主夫の第3号被保険者期間中に初診日がある場合は、原則として障害基礎年金の対象になります。ただし、初診日、障害状態、年金記録などの確認は必要です。
夫が厚生年金に加入していれば、妻も障害厚生年金になりますか?
いいえ。障害年金は、配偶者の年金加入状況ではなく、ご本人の初診日の年金加入状況で判断されます。専業主婦期間中に初診日がある場合は、原則として障害基礎年金の対象です。
第3号被保険者期間は保険料を納めていなくても大丈夫ですか?
第3号被保険者として正しく記録されている期間は、国民年金の加入期間として扱われます。そのため、本人が個別に保険料を納めていなくても、保険料納付要件の確認で考慮されます。
第3号被保険者の届出が漏れていた場合はどうなりますか?
届出漏れや切替手続きの遅れがある場合、未納期間として扱われることがあります。特定期間該当届などの手続きにより老齢年金では受給資格期間に算入される場合がありますが、障害年金では初診日の前日時点での取扱いが重要です。
特例3号の手続きを後からすれば障害年金でも認められますか?
初診日より後に手続きをした場合、障害年金の保険料納付要件では認められないことがあります。老齢年金と障害年金では取扱いが異なる場合があるため、年金事務所で個別に確認することが大切です。
障害年金を検討中の方へ
- 専業主婦期間に初診日がある方
- 第3号被保険者期間の記録に不安がある方
- 配偶者の扶養期間と年金記録が一致しているか分からない方
- 特例3号や特定期間の取扱いで困っている方
このような場合は、早めに年金記録を確認することで、障害年金を申請できるかどうかの見通しが立ちやすくなります。
疑問点がある場合は、まずはお気軽にご相談ください。
参考資料
制度の詳細については、以下の日本年金機構の資料も参考になります。
引用元:日本年金機構
引用元:日本年金機構
