
「いくつか病院を転々としたが、初診日はどこになるのか知りたい。」
「最初のお医者さんでは全く違う病名を言われたのだが、どこが初診日になるのか。」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
結論から申し上げますと、初診日は障害年金の中でも特に重要なポイントであり、ここで受給できるかどうかが大きく左右されます。
ただし、初診日がすぐに分からない場合でも、資料を整理することで請求できるケースはあります。
初診日は、障害年金の種類や受給の可否に関わるため、慎重に確認することが大切です。
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子(ただみなこ)と申します。
経験15年以上。累計相談件数4,013件(令和7年12月末現在)。受給率97.8%です。
「障害年金の無料相談から申請サポート」に携わってまいりました。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
簡単ではありますが、動画でもご挨拶しておりますので、よろしければご覧ください。
障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。
この記事では、初診日の考え方や具体例、証明方法についてわかりやすく解説します。
申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
障害年金における初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。
現在通っている病院の日ではなく、その傷病について最初に受診した日が基準になります。
そのため、どこが初診日になるのかで迷われる方は少なくありません。
初診日が重要な理由
初診日は、障害年金の請求において次のような重要な判断に関わります。
- 障害基礎年金か障害厚生年金か
- 障害年金の対象になるかどうか
- 受給できる金額や等級
つまり、初診日を誤って考えてしまうと、本来受給できる方でも不支給となる可能性があります。
障害年金の対象になる初診日

初診日に、障害年金の対象となる主なケースは次のとおりです。
| 1. 国民年金・厚生年金・共済年金の加入中に初診日がある |
| 2. 60歳から65歳の誕生日の前々日までに初診日がある |
| 3. 20歳前の期間に初診日がある(先天性も含む) |
※年齢は初診日時点で判断します。
現在65歳を超えていても、初診日が65歳未満であれば障害年金の対象になる場合があります。
初診日でよくある間違い
初診日でよくある誤解として、次のようなものがあります。
- 今通っている病院の日が初診日だと思っている
- 専門科を受診した日が初診日だと思っている
- 転院すると初診日が変わると思っている
- 誤診だった場合は初診日にならないと思っている
初診日は、病名が確定した日ではなく、その症状で最初に診療を受けた日です。
初診日の具体例

初診日は、初めて診療を受けた時であり、その傷病に関する診療科や専門医でなくても構いません。
精神疾患で多い例ですが、当初は頭痛や吐き気などで内科や脳外科を受診し、その後に精神科を受診するケースがあります。
この場合は、原則として最初に受診した内科や脳外科が初診日になります。
以下、代表的な例です。
| 病態等 | 初診日 |
| 同一傷病で転院した場合 | 最初に医師等の診療を受けた日 |
| 傷病が治った後に再度発症した場合 | 再度発症して受診した日 |
| 健康診断で異常が発見され、療養指示を受けた場合 | 健康診断を受けた日 |
| 相当因果関係がある前の傷病がある場合 | 最初の傷病の初診日 |
| 社会的治癒が認められる場合 | その後に初めて医師の診療を受けた日 |
あってはならないことではありますが、仮に誤診であっても、最初にお医者さまにかかった日が初診日になります。
仮に誤診でも、正確な傷病名が確定した日ではなく、誤診をした医師等の診療を受けた日が初診日です。
必ず医療機関での受診券や領収書など、証明につながるものは捨てずに保管しておきましょう。
※なお、整骨院や鍼灸院での施術は、原則として障害年金の初診日にはなりません。
制度の違いをより深く理解するために、
障害年金と障害者手帳の違い
もあわせてご確認ください。
初診日が分からない場合でも請求できるのか
結論から申し上げますと、初診日がすぐに分からない場合でも、資料を整理することで請求できる可能性はあります。
ただし、初診日は証明が非常に重要であり、あいまいなままでは進められません。
そのため、初診日に関する資料を早めに集めることが大切です。
受診状況等証明書
初診日を証明する基本的な書類が、受診状況等証明書です。
初診の医療機関と、現在通院している医療機関が異なる場合には、初診の医療機関で受診状況等証明書を作成していただきます。
一方、初診の医療機関に現在まで継続して通院している場合は、原則として受診状況等証明書は不要で、診断書で足りることが多いです。
第三者からの申立書(第三者証明)

お医者様の廃業やカルテの破棄などにより、どうしても初診日の証明が取れない場合もあります。
そのような場合の救済策として、第三者証明が使えることがあります。
2015年10月以降、初診日を証明する書類が添付できない場合でも、一定の資料により本人が申し立てた日を初診日として認めてもらえる可能性が広がりました。
ただし、第三者証明は簡単に認められるわけではありません。ハードルは高いため、慎重な準備が必要です。
例えば、次のようなケースです。
- 複数の第三者(隣人、友人、民生委員など)の証明がある場合
- 初診日が一定期間内にあることを示す参考資料があり、保険料納付要件など一定の条件を満たしている場合
障害年金の種類と初診日

初診日当時に何の年金に加入していたかで、もらえる障害年金の種類が決まります。
| その時の状態 | 障害年金の種類 |
| サラリーマンやOL | 障害厚生年金 |
| 自営業や専業主婦、学生等 | 障害基礎年金 |
| 公務員 | 障害共済年金 |
例えば、初診日が21歳の学生の時であり、その後就職してから障害状態になった場合でも、初診日に対象であった障害基礎年金が適用されます。
人工透析など、発症から障害状態に至るまで長い時間がかかる傷病では、このようなことがよくあります。
専業主婦の場合
非常に多くの方が勘違いされているのが、いわゆるサラリーマンの妻である第3号被保険者です。
ご主人が厚生年金に加入しているため、ご自身も厚生年金の対象と思われている方が多いのですが、第3号被保険者は国民年金の制度です。
そのため、専業主婦の期間に初診日がある場合は、原則として障害基礎年金が対象です。
専業主婦の期間に初診日があった場合は、基礎年金の対象となり、1級または2級までです。
先天性(子供の頃からの傷病)
子供の頃からの傷病や、60歳から64歳までの間に初診日がある場合には、基礎年金が対象になることがあります。
この場合は、20歳前傷病による障害基礎年金として扱われることがあります。
障害厚生年金受給のために
勤めている間に体調に異変があった場合、最初に病院にかかった時点が初診日になります。
その後に病状が悪化して退職しても、初診日が在職中であれば、障害厚生年金の対象になる可能性があります。
在職中に受診していたかどうかで、その後の年金の種類が大きく変わることがあります。
体調に異変を感じたときは、我慢せず早めに受診することが大切です。
後から振り返っても、受診していなかった事実を変えることはできません。体調に異変があるときは、早めの受診をおすすめします。
障害年金を受給できる3要件
障害年金を受給するために必要な要件は、次の3つです。
以下の3つの要件には、それぞれ詳しい解説ページがあります。必要に応じてご参照ください。
受給されたお客様の声
障害年金を検討中の方へ
障害年金の初診日は、個別事情によって判断が分かれます。
特に、
- 初診日がどこになるのか分からない方
- 証明できるか不安な方
- 転院歴が多い方
- カルテが残っていない方
このような方は、早めに確認することで、その後の手続きを進めやすくなります。
初診日に関するよくあるご質問
初診日の証明について、多くの方からいただくご質問をまとめました。
初診日特定・証明のFAQ
Q. そもそも「初診日」とはいつのことを指しますか?
A. 障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日のことです。
例えば、今の病名(うつ病など)が確定した日ではなく、その症状(不眠や気分の落ち込みなど)で初めて心療内科や内科などを受診した日が初診日となります。
Q. 最初の病院が廃院してカルテがない場合、どうすればいいですか?
A. 諦める必要はありません。カルテ以外の客観的な証拠を集めます。
診察券、お薬手帳、当時の領収書、健康診断の結果、紹介状の控えなどが証拠となり得ます。また、2番目以降の病院のカルテに「前医の受診歴」が詳しく記載されていれば、それが認められるケースもあります。
Q. 転院が多い場合、どの病院で証明をもらえばいいですか?
A. 基本的には「一番最初の病院」で受診状況等証明書をもらいます。
ただし、一番最初の病院で現在も診察を受けている場合は、診断書の中に初診日の記載が含まれるため、受診状況等証明書は不要になるケースもあります。ご自身の状況に合わせて判断が必要です。
Q. 初診日の証明ができないと、年金はもらえませんか?
A. はい、初診日が確定できないと審査が進みません。
初診日は「保険料を納めていたか」「どのアドバイス(基礎・厚生)か」を決める重要な基準日だからです。どうしても証明が難しい場合は、「第三者からの申立書」などを活用する特殊な手続きもありますので、一度専門家へご相談ください。
初診日について少しでも気になる点があれば、まずは無料でご相談ください。
参考資料
制度の詳細については、以下の日本年金機構の資料も参考になります。より詳しい手続きの流れを確認したい方は、あわせてご活用ください。






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