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線維筋痛症の申請で特に大切なこと

線維筋痛症でご相談いただく際、ほとんどの方が「病気を理解してくれず、専門の病院も少ないためいろいろな病院を回り本当に困った」とおっしゃられます。

さまざまな検査を行っても特別な異常がみられないことから、診断が遅れることがしばしばあります。

医師も少ないため原因がわからず、内科・整形外科など転々とされることが多く、初診日がわからなくなることもあります。

線維筋痛症で障害年金を申請するため、特に大切なポイントは「初診日の特定」となります。

特に判断が難しいため、後ほど、初診日の特定と審査についてで詳しく説明します。

解説

具体的にどうすれば線維筋痛症で障害年金を受給できるのかを、以下の順でお話します。

  1. 受給事例
  2. もらえる金額
  3. 受給資格
  4. 認定基準

線維筋痛症の障害年金受給例

線維筋痛症で障害年金。受給例を紹介します
実際に「線維筋痛症」でご相談頂き、無事受給できた例をご紹介します。

いろいろなケースがございますので、ご参考ください。

シェーグレン症候群で障害基礎年金2級(遡及請求5年)-400万円

認定 障害基礎年金2級 遡及請求5年
相談者 女性 東京都江戸川区
傷病 線維筋痛症
金額 80万円 遡及金額約400万円

遡及請求

年ほど前から突然のめまいや嘔吐を繰り返し、全身に痛みが出現するようになりました。

その結果、シェーグレン症候群と診断され治療を受けていましたが、その後の転居に伴い、別の医療機関に転院することになりました。

転院後も全身の激しい痛みが続き、主治医からは線維筋痛症の疑いがあるため、専門医の受診を勧められました。

お電話でご相談いただいた際、障害年金を申請するためには、傷病名を明確にする必要があるとお伝えしました。

その後、専門医を受診し、線維筋痛症との確定診断が下されました。

この診断を受けて、障害年金の請求に向けた準備を進めることになりました。

「痛みは本人にしかわからない」とよく言われますが、お話を伺うだけでも、その苦しさに胸が締め付けられる思いでした。

診断書の傷病名は以下のとおりです。

障害基礎年金の請求を行い、2級に認定されました(遡及請求5年分を含む)。

社労士より

認定の結果にとても喜んで頂けました。

線維筋痛症で障害基礎年金2級-80万円

認定 障害基礎年金2級 事後重症請求
相談者 20代 女性 埼玉県新座市
傷病 線維筋痛症
金額 80万円

事後重症による請求

まだ20代の女性が線維筋痛症による耐えがたい痛みに戦っていらっしゃいます。

今回、申請から決定までわずか30日足らずで、早期に結果が出たことは本当に良かったです。

実はご相談いただく前に、別の社労士に障害年金を依頼していたそうですが、なかなか進展がなかったとのことです。

さらに、その社労士との相性が合わず、契約を解除された後に当事務所に依頼していただきました。

但田社労士より

もちろん、前の社労士さんが悪いわけではなく、相性の問題は避けられないものです。

障害年金に対する考え方や進め方は日々考えさせられます。

線維筋痛症は特異な分野であり、得意でない先生もいらっしゃいます。

決定が早かったのは、主治医の先生がとても丁寧な診断書を作成してくださったおかげだと思います。

お医者さんとの相性も非常に良く、スムーズに進めることができました。

線維筋痛症の痛みそのものを変えることはできませんが、障害年金の手続きを通じて少しでもお役に立てたことは嬉しく思います。

社労士より

どうぞ、少しでもゆっくり療養してください。

認定 障害基礎年金2級 障害認定日請求
相談者 女性 山口県在住
傷病 線維筋痛症
金額 80万円

障害認定日による請求

遠方からのご依頼をいただきましたが、通常は首都圏のみの対応ですが、今回は東京の病院に通院されているということで、当事務所にご依頼いただきました。

お客様がこちらに来る機会が多かったため、対応することができました。

線維筋痛症の初診は平成15年で、無事に受診状況等証明書も取得。

しかし、障害認定日頃のカルテは存在していますが、診断書の取得には時間がかかると判断。

認定されれば、経済的に少し余裕ができることが期待されます。

とりあえず、事後重症として障害年金を申請し、障害基礎年金2級に認定。

認定日請求(遡及分)を行うため、診断書の準備を進めています。

相談中

後で障害年金の遡及分を請求することも可能ですのでご相談下さい。

線維筋痛症で障害年金の金額はいくら

線維筋痛症で障害年金 金額はいくらもらえる?

線維筋痛症で障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?

実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。

そこで、線維筋痛症で受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。

障害年金には、「基礎」と「厚生」の2つがあります。

  1. 基礎::1級と2級
  2. 厚生::1級、2級、3級

このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。

もらえる金額もこれに伴って説明していきます。

また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討下さい。

障害年金の額

線維筋痛症の障害基礎年金額

線維筋痛症で、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。

障害基礎年金の等級 金額
1級 1,020,000円/年
+子の加算
2級 816,000円/年
+子の加算

受給権を得た後、翌月分から支給されます。

この金額を6等分して偶数月に受け取ることになります。

初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。

※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。

子の加算

18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

社労士より

一般的には高校卒業までということです

子の人数 金額
1人目/2人目 1人につき 234,800円
3人目以降 1人につき 78,300円

疑問

線維筋痛症の障害厚生年金額

線維筋痛症で障害厚生年金1級、又は2級に認定された場合、障害基礎年金に加えて厚生年金が加算されます。

3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。

障害厚生年金の金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。

例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。

障害厚生年金 金額
1級 報酬比例額加算×1.25
+ 配偶者加給年金
2級 報酬比例額加算×1.0
+ 配偶者加給年金
3級 612,000円/年 金額は一律

報酬比例部分に300月みなしあり

報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。

例えば、会社に入社後、それほどたたずして障害年金の受給を開始した場合など。

最低25年は年金を納付したものとして、ある程度の額の厚生年金が受給できるようになっています。

また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。

但田社労士より解説

年金制度自体は批判も多いのですが、なかなか手厚くなっています。

計算の基礎となるのは、障害認定日までに納付したものまでです。

配偶者加給年金

線維筋痛症で、1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。

よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。

その場合、配偶者である夫についても加給年金が支給されます。

※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。

障害等級 金額
1級・2級
(3級はなし)
234,800円

相談中の資料

年金生活者支援給付金

線維筋痛症の障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。

年金生活者支援給付金は、基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。

金額は毎年変動します。

等級 金額
1級 月6,638円
2級 月5,310円

以上、線維筋痛症でもらえる金額の詳細は下記にまとめました。

障害年金のもらえる金額はいくらなのか?に概要をまとめました。

線維筋痛症の時効と遡及請求

残念ながら線維筋痛症での請求には時効があります。

申請しなければ、過去のものは最大5年間で消滅してしまいます。

もし遡って請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。

これを遡及請求といいます。

受給資格

線維筋痛症の受給資格

線維筋痛症による障害年金の受給資格を得るためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  1. 初診日~いつお医者さんに行ったか
  2. 保険料納付要件~保険料は納めていたか
  3. 認定基準

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「線維筋痛症の認定基準に該当」すれば、受給できます。

認定基準

繊維筋痛症で障害年金 認定基準とは?

線維筋痛症の障害年金認定基準に該当するかどうかを、十分に理解することが重要です。

※以下、日本年金機構国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第7節 肢体の障害 第4 肢体の機能の障害をわかりやすく加筆修正。

ざっと目を通していただければ、どういう状態であれば線維筋痛症で障害年金の申請対象となるのか感覚が掴めると思います。

1級 線維筋痛症の激しい痛みなどにより、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、食事や排泄等日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 線維筋痛症激しい痛みなどにより、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、食事や排泄等日常生活が著しい制限を受けるか、又は著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 線維筋痛症の激しい痛みなどにより、身体の機能に労働が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

〇線維筋痛症の重症度

線維筋痛症は「線維筋痛症の重症度分類試案(厚生労働省特別研究班)」により、ステージⅠ~ステージVに分類されます。

障害年金申請の際診断書⑨欄「現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」に重症度分類試案のステージの記載が必須条件となります。

線維筋痛症の重症度分類試案(厚生労働省特別研究班)より引用

ステージ I 米国リワマチ学会診断基準の 18力所の圧痛点のうち 11ヶ所以上で痛みがあるが、日常生活に重大な影響を及ぼさない。
手足の指など末端部iこ痛みが広がり、不眠、不安感、うつ状態が続く。日常生活が因灘。
ステージE 撤しい痛みが持続し、爪や髪への刺激、温度・湿度変化など軽微な刺激で激しい痛みが全身に広がる。自力での生活は困難。
痛みのため自力で体を動かせず、ほとんど寝たきりの状態に陥る。自分の体量による痛みで、長時間同じ姿勢で寝たり座ったりできない。
激しい全身の痛みとともに、膀胱や直腸の障害、口の渇き、目の乾燥、尿路感染など全身に症状が出る。普通の日常生活は不可能。

診断書は肢体の診断書となります。

原則として関節可動域の測定が必要になるため主治医とご相談ください。

一般的には整形外科やリウマチ科、ペインクリニックなどが主な診療科になります。

ちなみに線維筋痛症はペインクリニックなどでは慢性疼痛と呼ばれる場合もございますが、障害年金上はあくまでも繊維筋痛症です。

初診日の特定と審査について

線維筋痛症で障害年金を申請するために大切なこと!

線維筋痛症は初診日を特定することが困難なことが多くあります。

線維筋痛症を最初から確定診断できる医師も少ないため、痛みの原因が不明で、複数の医療機関を受診することが一般的です。

多くの方が最初に整形外科や内科を訪れることが多いでしょう。

線維筋痛症は、3か月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴います。

通常、線維筋痛症を自分で最初から疑うことは非常に稀であり、周囲に同じ症状を持つ方がいない限り、多くの人はまず他の病気を考えがちです。

障害年金は、最初にかかった整形外科が(内科や他の科でも)、「初診の病院」となるのが原則です。

ただし、繊維筋痛症の審査は少し特殊で、最近は「繊維筋痛症の確定診断をされたところを初診とする」場合も見受けられ、症状や診断内容によりケース・バイ・ケースとなります。

症状等や通院歴などによりかなり複雑なため、線維筋痛症の障害年金申請をお考えの場合、無料相談を実地しております。

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線維筋痛症とは、3か月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴います。

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