
障害年金の法定免除は使うべき?
障害年金1級・2級を受給している国民年金第1号被保険者の方は、国民年金保険料の法定免除の対象となります。
ただし、納付申出をすることで、免除ではなく国民年金保険料を納め続けることもできます。生活状況や将来の見通しにより、どちらがよいかは一人ひとり異なります。
「免除した方がいいのか?」
「納付を続けた方が得なのか?」
「老齢年金はどれくらい変わるのか?」
このようなお悩みをお持ちの方に向けて解説します。
このページでわかること
- 法定免除の仕組み
- 免除と納付の違い
- 将来の老齢年金への影響
- どちらを選ぶべきかの考え方
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
うつ病をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。
障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。
この記事では、受給のポイントや実際の事例、もらえる金額の目安を詳しく解説します。
申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
障害年金2級以上に認定された方が、国民年金保険料の法定免除を受けるとどうなるのか、そのメリットや注意点をお伝えします。
注意:法定免除の対象となるのは、国民年金第1号被保険者としての国民年金保険料です。厚生年金加入中の厚生年金保険料が免除されるわけではありません。
法定免除とは

法定免除とは、障害基礎年金や被用者年金の障害年金を2級以上で受けている方などが、届出により国民年金保険料の納付を免除される制度です。
免除となるのは、認定された日を含む月の前月の保険料からです。
法定免除の期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されます。
ただし、将来の老齢基礎年金額の計算では、全額納付した場合と同じ扱いではなく、一定割合で反映されます。
法定免除は義務ではなく、納付を選ぶこともできます
法定免除の対象になる方でも、納付申出をすることで、国民年金保険料を納め続けることができます。
つまり、今の保険料負担を軽くするために法定免除を利用するか、将来の老齢基礎年金を考えて納付を続けるかを選択できます。
- 今の生活費の負担を軽くしたい方:法定免除を選択
- 将来の老齢基礎年金額を少しでも増やしたい方:納付申出により納付を継続
どちらがよいかは、障害の状態、家計、将来の就労見込み、老齢年金との関係などにより変わります。
免除できるのに納付を選ぶ人がいるのはなぜ?
法定免除は、国民年金保険料の支払いが不要になるため、現在の生活費の負担を軽くできます。
一方で、法定免除期間は、将来受け取る老齢基礎年金の金額に影響します。
全額免除された期間は、老齢基礎年金の計算上、全額納付した場合の2分の1として扱われます。
そのため、将来、障害年金ではなく老齢年金を受け取る可能性がある場合は、納付を続けることも選択肢になります。
更新・支給停止との関係
特に慎重な判断が必要なのは、将来的に障害の状態が改善する可能性がある場合です。
更新時に障害の等級が下がったり、支給停止になったりすることもあります。
その後、65歳から老齢年金を受け取る場合、法定免除期間があると、老齢基礎年金の金額が少なくなる可能性があります。
特に精神疾患など、症状に変動がある場合は、将来の見通しも含めて検討することが大切です。
一方、障害の状態が固定しており、今後も障害年金を受け続ける見込みが高い場合は、法定免除を選択するメリットが大きいこともあります。
納付を継続するメリット・デメリット

法定免除と、あえて納付を続ける場合の違いをまとめます。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 法定免除 | 国民年金保険料の支払いが不要になり、現在の生活費の負担を軽くできます。 | 将来の老齢基礎年金額は、全額納付した場合より少なくなります。 |
| 納付申出により納付 | 将来の老齢基礎年金額を増やすことができます。障害年金が支給停止となった場合の備えにもなります。 | 国民年金保険料の支払いが必要です。将来も障害年金を受け続ける場合、老齢基礎年金の増額分を使わない可能性があります。 |
納付を選択した場合の注意点
納付申出をした後に保険料を納めなかった期間は、未納扱いとなるため注意が必要です。
納付申出後に未納となった期間は、後から法定免除に戻せない場合があります。
法定免除を受けるか、納付を続けるかは、障害の程度、経済状態、将来の見通しを踏まえて判断しましょう。
よくあるご質問
障害年金を受給すると国民年金保険料は免除されますか?
障害年金1級・2級を受給している国民年金第1号被保険者の方は、国民年金保険料の法定免除の対象になります。
法定免除になると、将来の老齢年金は減りますか?
はい、老齢基礎年金の金額に影響します。法定免除期間は、老齢基礎年金の計算上、全額納付した場合の2分の1として扱われます。
法定免除ではなく、国民年金保険料を納付し続けることはできますか?
はい、納付申出をすることで、国民年金保険料を納め続けることができます。将来の老齢基礎年金を少しでも増やしたい場合は、納付を続ける選択肢もあります。
納付を選んだ後に払わなかった月はどうなりますか?
納付申出をした後に保険料を払わなかった期間は、法定免除ではなく未納として扱われます。後からその期間を法定免除に戻せない場合があります。
法定免除と納付のどちらを選べばよいですか?
現在の生活状況と将来の年金の見通しによって判断が変わります。生活費の負担を減らしたい場合は法定免除が選択肢になり、将来の老齢年金を考える場合は納付を続ける選択肢もあります。
障害年金の制度について詳しく知りたい方へ
法定免除だけでなく、障害年金の制度全体について知りたい方は、以下のページもご参照ください。
