20歳前傷病の障害基礎年金|所得制限と支給停止を解説

20歳前傷病の障害基礎年金|所得制限と支給停止を解説

20歳前傷病の障害基礎年金の金額

20歳前傷病による障害基礎年金には、所得制限があります

20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金は、保険料の納付要件が問われない一方で、本人の前年所得により支給停止となる場合があります。

この記事では、20歳前傷病の考え方、所得制限、支給停止となる金額の目安を解説します。

「20歳前傷病による障害基礎年金は、給与が増えると減らされてしまうのか?」

「障害基礎年金の収入・所得と支給停止の関係が知りたい」

このような疑問に、わかりやすくお答えします。

執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
うつ病をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。

障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。

この記事では、受給のポイントや実際の事例、もらえる金額の目安を詳しく解説します。

申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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20歳前傷病の障害基礎年金とは

20歳前傷病とは、20歳になる前で、年金制度に加入していない期間に初診日がある傷病のことです。

この場合、障害の程度が1級または2級に該当すれば、障害基礎年金の対象となります。

20歳前に初診日がある場合は、そもそも保険料を納付できない時期であるため、保険料納付要件は問われません。

ただし、20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。

原則として障害年金に所得制限はありません

まず原則として、障害年金には所得による支給制限はありません。

所得による支給制限が問題となる代表例が、「20歳前傷病による障害基礎年金」です。

20歳前傷病は、本人が保険料を納付していない期間に初診日があることから、所得が一定額を超える場合には、年金の一部または全部が支給停止となります。

知的障害の場合

知的障害は、原則として生まれた日が初診日とみなされます。

そのため、初めて医療機関を受診した日が厚生年金加入中であったとしても、原則として出生日が初診日となり、20歳前傷病による障害基礎年金の対象となります。

障害年金の相談

発達障害の場合

発達障害の場合は、知的障害を伴うかどうかが重要です。

知的障害を伴う場合は、20歳前傷病として扱われることが多くなります。

一方、知的障害を伴わない発達障害では、初めて医療機関を受診した日が初診日となるため、20歳前傷病にならない場合もあります。

新宿年金事務所

20歳前傷病の所得による支給制限

20歳前傷病による障害基礎年金では、本人の前年所得が一定額を超えると、翌年10月分から翌々年9月分まで、年金の一部または全部が支給停止となります。

たとえば、次のようなご相談があります。

ご相談例

平成8年、学生時代にネフローゼ症候群で入院しました。

その後、定期通院による温存療法を続けていましたが、腎機能が低下し透析導入となりました。

学生の頃、つまり20歳前が初診日かと思います。

現在は通院しながら働いていますが、所得制限はかかるのでしょうか。

この場合、初診日が20歳前であれば、20歳前傷病による障害基礎年金として扱われる可能性があります。

そのため、障害年金が無事に認定されても、本人の前年所得が一定額を超える場合には、支給停止となることがあります。

特に、知的障害や、知的障害を伴う発達障害など、子どもの頃からの障害では、20歳前傷病の所得制限が問題となることがあります。

所得制限にかかる支給停止金額

令和8年4月1日現在、前年の所得額が4,794,000円を超える場合は全額支給停止、3,761,000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります。

扶養親族がいる場合は、扶養親族1人につき所得制限額が38万円加算されます。老人控除対象配偶者・老人扶養親族は48万円、特定扶養親族または19歳未満の控除対象扶養親族は63万円が加算されます。

昭和31年4月2日以後生まれの方

所得による支給制限 出典:日本年金機構

出典:日本年金機構

前年所得 支給 支給年金額
4,794,000円超 全額停止 0円
3,761,001円~4,794,000円 2分の1停止

529,563円(1級)

423,650円(2級)

3,761,000円以下 全額支給

1,059,125円(1級)

847,300円(2級)

所得制限の期間

前年所得に基づく支給対象期間は、10月分から翌年9月分までです。

所得制限は毎年確認されます。そのため、前年所得が限度額以下になれば、再び支給が開始されます。

所得制限にかかる可能性があっても、障害年金の請求をしておく意味はあります。

20歳前傷病でよくある注意点

  • 保険料納付要件は問われませんが、障害の程度は審査されます。
  • 本人の前年所得により、全額または2分の1が支給停止となる場合があります。
  • 所得制限は「収入」ではなく、原則として「所得」で判断されます。
  • 所得制限は毎年確認され、支給停止期間は10月分から翌年9月分までです。
  • 扶養親族がいる場合は、所得制限額に加算があります。

よくあるご質問

20歳前傷病とは何ですか?

20歳前傷病とは、20歳になる前で年金制度に加入していない期間に初診日がある傷病のことです。障害の程度が1級または2級に該当すれば、障害基礎年金の対象となります。

20歳前傷病の障害基礎年金には保険料納付要件がありますか?

20歳前に初診日がある場合は、そもそも保険料を納付できない時期であるため、保険料納付要件は問われません。

20歳前傷病の障害基礎年金には所得制限がありますか?

はい。20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。所得が一定額を超える場合、年金の一部または全部が支給停止となります。

所得制限は収入で判断されますか?

所得制限は、原則として「収入」ではなく「所得」で判断されます。給与収入の場合は、給与所得控除後の所得額などをもとに確認されます。

20歳前傷病の支給停止期間はいつからいつまでですか?

前年所得に基づく支給停止期間は、10月分から翌年9月分までです。所得制限は毎年確認され、前年所得が限度額以下になれば再び支給が開始されます。

知的障害や発達障害は20歳前傷病になりますか?

知的障害は、原則として生まれた日が初診日とみなされるため、20歳前傷病による障害基礎年金の対象となります。発達障害は、知的障害を伴うかどうかや、初めて医療機関を受診した日などにより判断が分かれます。

20歳前傷病の障害基礎年金で迷ったらご相談ください

20歳前傷病にあたるか、所得制限が問題となるか、初診日や診断書をどう整理するかは、個別の状況により判断が必要です。

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参考資料

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