知的障害で障害年金はもらえる?受給例・金額・認定基準【2026年度】

知的障害で障害年金はもらえる?受給例・金額・認定基準【2026年度】

知的障害でも障害年金を受給できる可能性があります。

生まれながらの知的障害は原則として20歳前傷病による障害基礎年金の対象です。知能指数だけでなく、日常生活で必要な援助や就労状況などが重要です。

知的障害・精神遅滞で障害年金の受給まとめ

このようなお悩みはありませんか。

  • 軽度の知的障害でも障害年金をもらえるのか
  • 障害者雇用で働いていると認定されないのか
  • 知的障害の障害年金はいくらもらえるのか

知的障害(精神遅滞)の障害年金は、ほかの傷病とは異なり、初診日や20歳前傷病の取扱いに特徴があります。

この記事では、知的障害で障害年金を受給できるケース、実際の受給事例、金額、認定基準、働きながら申請する場合の注意点を解説します。

知的障害で障害年金は難しいのか

知的障害でも、日常生活に援助が必要な状態で、障害年金の認定基準に該当すれば受給できる可能性があります。

知的障害・精神遅滞で障害年金を申請するために大切なこと

知的障害で障害年金を受給するのは難しいのではないか、というご相談をいただくことがあります。

知的障害(精神遅滞)は、他の傷病と異なる注意点があります。

特に大切なのは、初診日の考え方です。

生まれながら(生来)の知的障害は、原則として生まれた日が初診日とみなされ、障害基礎年金の対象になります。

そのため、初めて受診した日が厚生年金加入中であっても、知的障害単独の場合は原則として障害厚生年金ではなく、障害基礎年金として請求することになります。

障害基礎年金には3級がないため、2級以上に該当するかどうかが重要になります。

知的障害で障害年金を受給できるケース

日常生活や社会生活に支障があり、家族や支援者などの援助を必要としている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

たとえば、次のような状態です。

  • 食事や身のまわりのことなどに援助や声かけが必要である
  • 金銭管理や買い物などを一人で適切に行うことが難しい
  • 対人関係や意思疎通に支障があり、周囲の援助を受けている
  • 仕事では単純作業を中心に担当し、職員の指示や見守りが必要である
  • 日常生活のさまざまな場面で家族などの継続的な援助を受けている

知的障害では、知能指数だけでなく、実際の日常生活にどの程度の援助が必要かを確認することが大切です。

たとえば、声をかけられれば身支度ができる場合でも、声かけや見守りがなければ継続できないことがあります。できている結果だけでなく、どのような援助を受けているかを主治医に伝えることが大切です。

知的障害で障害年金が難しいケース

知的障害と診断されていても、日常生活への支障が比較的小さく、障害基礎年金2級以上の状態に該当しない場合は、認定が難しくなります。

たとえば、次のような場合は注意が必要です。

  • 日常生活の大部分を援助なしで行うことができる
  • 就労や社会生活を特別な配慮なく安定して続けられる
  • 家族や職場で受けている援助が診断書に十分反映されていない
  • 診断書と病歴・就労状況等申立書の内容が実際の生活状況と一致していない

ただし、働いているという理由だけで、障害年金の対象外になるわけではありません。

仕事の種類、職場での援助や配慮、家庭での生活状況なども確認する必要があります。

知的障害と障害厚生年金の注意点

生まれながらの知的障害単独の場合、原則として障害厚生年金の対象にはなりません。

ただし、発達の遅れそのものは軽度で、療育歴や発達支援歴がないケースなどでは、別の精神疾患として障害厚生年金を検討できる場合があります。

もっとも、療育歴がないことだけを理由として、別の初診日が認められるわけではありません。

知的障害とは別の傷病として取り扱えるか、その傷病の初診日が厚生年金加入中にあるかなど、個別の事情によって判断が分かれます。

この点は、初診日や診断名の経過を丁寧に確認する必要があります。

診断書と申立書の整合性が大切です

知的障害の障害年金では、実際の生活状況が診断書や申立書に正確に反映されていることが大切です。

特に次の2点を確認します。

  1. 日常生活での援助の必要性と医師の診断書との整合性
  2. 診断書と病歴・就労状況等申立書との整合性

知的障害の場合、病歴・就労状況等申立書には、生まれた頃から現在までの生活や発達、学校生活、就労状況などを整理して記載することが大切です。

このあと、実際の受給事例、金額、認定基準について順に解説します。

知的障害の障害年金受給例

実際に、知的障害や精神遅滞でご相談いただき、受給につながった事例を紹介します。

精神遅滞・知的障害で障害年金を受給した事例

軽度の知的障害がある方や、働いている方でも、日常生活や就労の状況によって障害年金に認定されることがあります。

障害者雇用で働きながら障害基礎年金2級に認定された事例

軽度の知的障害があり、障害者雇用で働いていた方が、障害基礎年金2級に認定された事例です。

認定 障害基礎年金2級 認定日請求
相談者 10代男性 東京都大田区在住
傷病 知的障害
金額 年額約80万円(認定当時)

もうすぐ20歳になる息子さんについて、障害年金の代理申請をお願いしたいとのご依頼でした。

軽度の知的障害で就労されていたため、年金が認定されるかどうかをご心配されていました。

今回のお仕事は、荷物の出し入れといった単純作業でした。

また、常に職員からの指示や見守りのもと、保護された環境で就労されていました。

その点を、病歴・就労状況等申立書にしっかり記載しました。

請求から35日で、無事に障害基礎年金2級に決定しました。

軽度精神遅滞・広汎性発達障害で障害基礎年金2級に認定された事例

軽度精神遅滞と広汎性発達障害があり、障害基礎年金2級と1年半の遡及請求が認められた事例です。

認定 障害基礎年金2級 認定日請求
遡及 1年半
傷病 軽度精神遅滞・広汎性発達障害
金額 年額約80万円 遡及金額約120万円

軽度の精神遅滞と広汎性発達障害があり、小学校・中学校は特別支援学級、高校は特別支援学校を卒業されていました。

高校卒業頃から問題行動が目立ち、受診を再開されました。

就職先でもトラブルで解雇となり、現在は就職を目指して訓練中でしたが、社会性が乏しく難しい状況でした。

障害基礎年金を請求し、59日で障害基礎年金2級、遡及1年半に認定されました。

精神遅滞など先天性とされる場合、出生時からの病歴・就労状況等申立書が必要となります。

このように、軽度の知的障害でも、実際の日常生活や社会生活の状況によって障害基礎年金2級が認められることがあります。

なお、知的障害ではほかにもさまざまな受給事例があります。知的障害を伴う自閉症、就労支援を受けながら働く方など、状況によって申請時の確認事項は異なります。

障害者雇用で働いている方や、自閉症を伴う方などの事例については、知的障害(精神遅滞)で障害基礎年金を受給した事例集をご覧ください。

知的障害で障害年金の金額はいくら?

生まれながらの知的障害では、原則として障害基礎年金1級又は2級が対象です。令和8年度は2級が年847,300円、1級が年1,059,125円です。

知的障害・精神遅滞の障害年金でもらえる金額の目安

知的障害で障害年金が受給できた場合、等級や年金制度により金額が変わります。

知的障害単独の場合は、原則として障害基礎年金の対象となります。

障害基礎年金は1級と2級があります。

令和8年度(2026年4月分~2027年3月分)の金額を確認しましょう。

知的障害の障害基礎年金額と子の加算

障害等級 年額 月額換算
1級 1,059,125円 約88,260円
2級 847,300円 約70,608円

※昭和31年4月2日以後生まれの方の金額です。昭和31年4月1日以前生まれの方は金額が異なります。

※月額換算は年額を12で割った参考額です。子の加算は含みません。

年金は原則として偶数月に2か月分ずつ支給されます。

なお、初回の支給は通常と異なる時期や金額になる場合があります。

子の加算

障害基礎年金1級又は2級を受給している方に、生計を維持している対象年齢の子がいる場合は、子の加算がつくことがあります。

対象となるのは、原則として18歳になった後の最初の3月31日までの子、又は20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子です。

知的障害の障害基礎年金における子の加算

子の人数 令和8年度の加算年額
1人目・2人目 1人につき243,800円
3人目以降 1人につき81,300円

たとえば、障害基礎年金2級で対象となる子が1人いる場合、847,300円に243,800円が加算され、年額1,091,100円になります。

ただし、子の加算には年齢や生計維持関係などの要件があります。

知的障害で受け取れる金額の目安:6つのモデルケース

生まれながらの知的障害では、原則として障害基礎年金1級・2級が対象です。子の加算の有無によって受給額が変わります。

令和8年度(2026年度)の金額について、子の人数を変えた6つのモデルケースを比較します。

ケース①:障害基礎年金2級・子の加算なし

年額 847,300円

月額換算:約70,608円

ケース②:障害基礎年金1級・子の加算なし

年額 1,059,125円

月額換算:約88,260円

ケース③:障害基礎年金2級・子の加算1人

年額 1,091,100円

月額換算:約90,925円

ケース④:障害基礎年金2級・子の加算2人

年額 1,334,900円

月額換算:約111,242円

ケース⑤:障害基礎年金1級・子の加算1人

年額 1,302,925円

月額換算:約108,577円

ケース⑥:障害基礎年金1級・子の加算2人

年額 1,546,725円

月額換算:約128,894円

※いずれも昭和31年4月2日以後生まれの方の基本額を使用しています。子の加算があるケースは、対象年齢・生計維持関係などの要件を満たす場合です。

※月額換算は年額を12で割った参考額です。障害年金生活者支援給付金は含めていません。

※20歳前傷病による障害基礎年金には本人の前年所得による支給制限があります。上記は所得制限などによる支給停止がない場合の金額です。詳しくは20歳前傷病の所得制限と支給停止額をご覧ください。

障害厚生年金が関係する場合

生まれながらの知的障害単独の場合は、原則として障害基礎年金が対象です。

一方、知的障害とは別の精神疾患について、厚生年金加入中の初診日が認められる場合などは、障害厚生年金を受給できる可能性があります。傷病の関係や初診日の取扱いは個別に確認する必要があります。

障害厚生年金の金額は、過去の給与・賞与や厚生年金の加入期間などによって異なります。令和8年度の障害厚生年金3級の最低保障額は年635,500円です(昭和31年4月2日以後生まれの方)。

障害厚生年金 基本となる金額
1級 報酬比例額×1.25
2級 報酬比例額
3級 報酬比例額(最低保障あり)

障害厚生年金1級・2級に認定された場合は、原則として同じ等級の障害基礎年金もあわせて受給します。

また、一定の要件を満たす65歳未満の配偶者がいる場合、障害厚生年金1級・2級に配偶者加給年金がつくことがあります。

令和8年度の配偶者加給年金額は年243,800円です。

ただし、配偶者自身の年金受給権などによって支給停止になる場合があります。

※昭和31年4月1日以前生まれの方の3級最低保障額は、年633,700円です。

なお、知的障害の認定要領にも3級相当の状態が示されていますが、生まれながらの知的障害単独では原則として障害基礎年金が対象となるため、3級の年金は支給されません。

障害年金全体の金額については、障害年金はいくらもらえる?【2026年度】1級・2級・3級の金額目安と早見表をご覧ください。

年金生活者支援給付金

知的障害で障害基礎年金1級又は2級を受給する場合、前年所得などの要件を満たすと、障害年金生活者支援給付金を受給できることがあります。

令和8年度の金額は、次のとおりです。

等級 月額
1級 7,025円
2級 5,620円

障害基礎年金を受給している方全員に、自動的に支給されるものではありません。

障害基礎年金の受給要件とは別に、所得などの支給要件を確認する必要があります。

知的障害の障害年金と遡及請求

20歳の時点で障害基礎年金2級以上の状態に該当していた場合、20歳時点にさかのぼって請求できることがあります。

ただし、過去に受け取れる年金は、原則として時効により5年分が限度です。

また、20歳当時の障害状態を確認できる診断書などが必要になります。

今回ご紹介した受給事例の中にも、障害基礎年金2級で1年半の遡及請求が認められ、約120万円を受給された方がいらっしゃいます。

遡及請求について詳しくは、障害年金の遡及請求をご覧ください。

受給されたお客様の声

当事務所に寄せられたお客様のご感想と、Googleに投稿された口コミをご紹介します。

多くの方から温かいお言葉をいただいております。いつも本当にありがとうございます。

知的障害で障害年金の対象になるか気になる方は、無料相談をご利用ください。

知的障害で障害年金を受け取る条件(受給資格)

生まれながらの知的障害では、原則として出生時を初診日とし、20歳前傷病による障害基礎年金として請求します。

知的障害の障害年金の受給資格と20歳前傷病

知的障害の障害年金では、次の点を確認する必要があります。

  1. 初診日の取扱い
  2. 20歳前傷病としての受給要件
  3. 障害基礎年金1級・2級に該当する障害状態

知的障害の初診日はいつになるのか

生まれながら(生来)の知的障害は、原則として生まれた日が初診日とみなされます。

そのため、受診状況等証明書などによる初診日の証明は、原則として必要ありません。

ただし、高熱など後天的な原因により知的障害が生じた場合などは、初診日の取扱いが異なります。

また、知的障害を伴わない発達障害についても、出生時を初診日とする取扱いにはなりません。

詳しくは、障害年金の初診日についてをご覧ください。

知的障害の障害認定日はいつになるのか

生まれながらの知的障害では、原則として20歳に達した日が障害認定日となります。

年齢計算上、20歳に達した日は20歳の誕生日の前日です。

この時点で障害基礎年金1級又は2級に該当する場合は、障害認定日による請求を検討します。

20歳の時点では認定基準に該当しなかった場合でも、その後、障害の状態が重くなったときには、事後重症請求を検討することがあります。

知的障害と保険料納付要件

生まれながらの知的障害では、原則として20歳前傷病による障害基礎年金が対象となるため、国民年金保険料の納付要件は問われません。

ただし、保険料納付要件が不要でも、障害基礎年金1級又は2級に該当する障害状態である必要があります。

20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限

20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。

生まれながらの知的障害では、20歳前傷病として請求することが基本となるため、この所得制限にも注意が必要です。

扶養親族がいない場合、本人の前年所得による支給制限は次のとおりです。

前年の本人所得 障害基礎年金の取扱い
3,858,000円以下 所得による支給停止なし
3,858,001円~4,918,000円 年金額の2分の1を支給停止
4,918,000円を超える 年金の全額を支給停止

※扶養親族がいる場合は、人数や区分に応じて所得制限額が加算されます。

※前年所得による支給制限は、原則として10月分から翌年9月分までの年金に適用されます。

扶養親族がいる場合の加算額や所得制限による支給停止額については、20歳前傷病の障害年金:所得制限と支給停止額で詳しく説明しています。

なお、所得制限は収入額そのものではなく、原則として所得額で判定します。

また、働いていることによる障害状態の認定上の判断と、所得による支給停止は別の問題です。

詳しくは、日本年金機構|20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等をご確認ください。

病歴・就労状況等申立書の注意点

知的障害では、生まれた頃から現在までの経過を整理して記載することが大切です。

たとえば、次のような内容を確認します。

  • 幼少期の発達や生活の様子
  • 小学校・中学校・高校での支援状況
  • 特別支援学級や特別支援学校での生活
  • 家庭内で必要としている援助
  • 就職後の仕事内容や職場での配慮
  • 対人関係や社会生活での困難

診断書だけでは伝わりにくい生活上の困難を、病歴・就労状況等申立書で補足します。

本人が困りごとを十分に説明できない場合は、ご家族や学校、就労支援先などから、日常的な援助や失敗時の対応を確認して整理することも役立ちます。記載内容は実際の状況に即して正確にまとめます。

精神疾患の障害年金認定基準

知的障害では、知能指数のみでなく、日常生活での援助の必要性や就労状況を総合的に確認します。

精神疾患の障害年金認定基準

知的障害は、障害年金の認定上、「精神の障害」の認定基準により判断されます。

精神の障害では、症状の程度や日常生活への支障、治療経過、就労状況などを総合的に確認します。

知的障害では、特に日常生活のさまざまな場面で、どの程度の援助が必要かが重要になります。

知的障害の障害年金認定要領

知的障害の障害年金では、知能指数だけでなく、日常生活における援助の必要度を総合的に判断します。

知的障害・精神遅滞の障害年金認定基準

知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態をいいます。

障害年金の認定基準では、各等級に相当する障害状態について、次のように例示しています。

等級 知的障害の状態
1級 知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、会話による意思の疎通が不可能又は著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級 知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級 知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

※上記は認定基準に示された障害状態の例示です。実際の等級は個別に総合判断されます。

※生まれながらの知的障害単独では原則として障害基礎年金の対象となり、障害基礎年金には3級がありません。

知能指数だけで障害等級は決まらない

知的障害の認定にあたっては、知能指数のみに着目することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断します。

そのため、「軽度の知的障害だから障害年金はもらえない」と一律に判断されるわけではありません。

実際に、日常生活や社会生活でどのような援助を受けているか、援助がない場合にはどのような困難があるのかを確認することが大切です。

知的障害と他の精神疾患がある場合

知的障害と、障害年金の認定対象となるほかの精神疾患が併存している場合があります。

このような場合、原則として障害を単純に足し合わせて等級を決めるのではなく、諸症状を総合的に判断します。

ただし、初診日や年金制度の取扱いは、傷病の関係や経過によって個別に確認する必要があります。

精神の障害に係る等級判定ガイドライン

知的障害の障害年金では、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づき、日常生活能力の状況なども確認します。

知的障害など、精神の障害の審査では、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が運用されています。

これは、障害年金の認定における地域差の改善と、等級判定の標準化を目的とするものです。

診断書の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」を組み合わせて、障害等級の目安を確認します。

ただし、この目安だけで機械的に等級が決まるわけではありません。

生活環境、日常生活で必要な援助、就労状況なども含め、総合的に判断されます。

知的障害の障害年金における日常生活能力と等級判定ガイドライン

詳しくは、精神の障害に係る等級判定ガイドライン~精神疾患の審査は厳しいのかをご覧ください。

働きながらの受給は難しいのか

知的障害で働いている場合でも、就労していることだけで障害年金の対象外になるわけではありません。

知的障害で働いている場合、就労していることだけをもって、直ちに日常生活能力が向上したとは判断されません。

就労支援施設や小規模作業所だけでなく、雇用契約により一般就労している場合でも、援助や配慮のもとで働いている場合があります。

審査では、次のような点が確認されます。

  • 仕事の種類や仕事内容
  • 勤務時間や出勤状況
  • 職場で受けている援助や配慮
  • 他の従業員との意思疎通
  • 指示や見守りがどの程度必要か
  • 家庭内での援助の必要性

先ほどの受給事例では、軽度の知的障害があり、障害者雇用で働いていた方が障害基礎年金2級に認定されました。

仕事内容は荷物の出し入れといった単純作業でしたが、常に職員からの指示や見守りのもと、保護された環境で就労されていました。

その点を、病歴・就労状況等申立書にしっかり記載しました。

このように、障害者雇用や就労支援施設で働いている場合でも、援助や配慮の内容を具体的に整理することが大切です。

また、家族の援助によって日常生活が成り立っている場合には、その内容も確認する必要があります。

なお、20歳前傷病による障害基礎年金は、働いていることによる障害状態の判断とは別に、前年所得による支給制限があります。

よくあるご質問

知的障害でも障害年金はもらえますか?

知的障害でも、日常生活に援助が必要な状態で、障害基礎年金1級又は2級の認定基準に該当する場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

知的障害の初診日はいつになりますか?

生まれながらの知的障害は、原則として生まれた日が初診日とみなされます。通常は初診日の証明を必要としません。ただし、後天的な原因で知的障害が生じた場合などは取扱いが異なります。

知的障害で障害厚生年金はもらえますか?

生まれながらの知的障害単独の場合、原則として障害厚生年金の対象にはなりません。ただし、知的障害とは別の精神疾患について、厚生年金加入中の初診日が認められる場合などは、個別に検討する必要があります。

働いていると知的障害の障害年金は難しいですか?

働いていることだけで直ちに不支給になるわけではありません。仕事内容、職場での援助、意思疎通、家庭での支援状況などが確認されます。実際に障害者雇用で働きながら障害基礎年金2級に認定された事例もあります。

療育手帳がないと障害年金は申請できませんか?

療育手帳がない場合でも、医師の診断書や日常生活の状況などにより、障害年金を申請できる可能性があります。療育手帳と障害年金は別の制度です。

軽度の知的障害でも障害年金2級になることはありますか?

軽度の知的障害でも、知能指数だけで判断されるわけではありません。日常生活での援助の必要性や社会生活への支障などを総合的に確認します。

知的障害の障害年金には所得制限がありますか?

20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。扶養親族がいない場合、前年所得が3,858,000円を超えると一部支給停止、4,918,000円を超えると全額支給停止となります。

執筆者紹介:障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
知的障害をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。

知的障害の障害年金では、知能指数だけでなく、日常生活での援助の必要性や、学校・就労先での支援状況などを具体的に確認することが大切です。

特に、軽度の知的障害で働いている方の場合は、どのような援助や配慮を受けているのかが重要になります。

これまでの相談経験をもとに、申請時の注意点や実際の受給事例について解説しています。

知的障害で障害年金を検討中の方へ

知的障害の障害年金では、20歳前傷病、初診日の考え方、日常生活での援助の必要性、就労状況、診断書や申立書の内容などを総合的に確認する必要があります。

特に、働いている場合、療育手帳がない場合、家族の支援が多い場合などは、実際の日常生活能力が診断書に十分反映されているかを確認することが大切です。

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参考資料

知的障害の障害年金の認定基準、初診日の取扱い、年金額については、以下の公的資料をご参照ください。

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