
脳梗塞で障害年金を受給するには、初診日・保険料納付要件・認定基準の確認が重要です
脳梗塞では、半身麻痺、言語障害、高次脳機能障害、視野障害、遷延性意識障害などの後遺症により、障害年金を受給できる可能性があります。
ただし、病名だけで認定されるわけではありません。日常生活や仕事にどの程度の支障があるか、診断書にどのように記載されるかが重要です。
このページでは、脳梗塞で障害年金を申請するために大切な受給資格、障害認定日の特例、認定基準、診断書の注意点を解説します。
「脳梗塞で障害年金は難しいと聞くが、自分はもらえるのか知りたい」
「障害認定日の特例があると聞いたが、どういう意味か知りたい」
「半身麻痺や高次脳機能障害で障害年金を申請できるのか知りたい」
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
脳梗塞でも、後遺症の状態を適切に整理して申請すれば、障害年金を受給できる可能性があります。
一方で、脳梗塞という病名だけで認定されるわけではありません。麻痺、言語障害、高次脳機能障害、視野障害などにより、日常生活や仕事にどの程度の支障があるかが審査で重視されます。
このページでわかること
- 脳梗塞で障害年金を受給できる条件
- 初診日・保険料納付要件・認定基準の確認ポイント
- 脳梗塞の障害認定日の特例
- 肢体障害として請求する場合の認定基準
- 高次脳機能障害や視野障害がある場合の考え方
- 診断書作成で大切なポイント
※このページは、脳梗塞の障害年金について申請ポイントと認定基準に特化して解説する補助ページです。受給例や金額については、脳梗塞の障害年金の全体解説ページをご確認ください。
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
脳梗塞をはじめ、脳疾患による障害年金のご相談にも対応してまいりました。
脳梗塞の障害年金を受給できる条件

脳梗塞で障害年金を申請するためには、次の3つの要件を確認する必要があります。
そのうえで、障害認定日に「脳梗塞の認定基準に該当」すれば、障害年金を受給できる可能性があります。
脳梗塞では、障害認定日の特例を使える場合があります。
脳梗塞は障害認定日の特例があります

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。
ただし、脳梗塞などの脳血管障害では、次のような場合に特例が認められることがあります。
1. 初診日から6か月を経過していること
2. 医学的見地から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと医師が判断していること
このような場合、症状固定日を障害認定日として取り扱えることがあります。
これにより、遷延性意識障害などでは、1年6か月を待たずに申請できる場合があります。
※遷延性意識障害とは、高度の意識障害が続き、意識があることを確認できない状態が継続する症状です。一般的に「植物状態」と呼ばれることもあります。
ただし、肢体の状態はリハビリテーションや代償機能により好転する可能性もあります。そのため、療養や症状の経過を十分に確認する必要があります。
脳疾患は突然発症することが多く、ご本人だけでなくご家族も大変な状況に置かれます。障害年金を受給できれば、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
脳梗塞の後遺症も障害年金の対象になります

脳梗塞で次のような後遺症が残った場合、障害年金を申請できる可能性があります。
- 肢体障害
- 言語障害
- 認知障害
- 視野障害
- 術後後遺症
- 高次脳機能障害
- 遷延性意識障害
脳梗塞の障害年金の認定基準

脳梗塞の後遺症としては、半身麻痺などの肢体障害が多く見られます。そのため、障害年金では「肢体の障害」として請求することがよくあります。
ただし、後遺症として視野障害、言語障害、高次脳機能障害などが生じるケースもあります。
どの診断書で請求するかは、残っている後遺症の内容によって変わります。
脳梗塞の認定で重要なのは、身体の状態や機能が、日常生活や仕事にどの程度の制限を与えているかです。
脳梗塞の肢体障害で重視される3つのポイント
脳梗塞による肢体障害では、主に次の3点が重要です。
- 関節可動域
- 筋力
- 日常生活動作
これらを中心に、身体機能を総合的に判断します。
肢体の機能障害の等級目安
| 1級 |
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、同程度以上と認められる状態。 かつ、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
| 2級 |
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、同程度以上と認められる状態。 かつ、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
| 3級 | 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
また、視力そのものに大きな問題がなくても、視野障害が認定基準に該当していれば、脳梗塞の後遺症として障害年金の対象となる場合があります。
脳梗塞の認定要領
脳梗塞などにより、上肢や下肢など広範囲にわたって障害がある場合は、「肢体の機能の障害」として総合的に認定されます。
具体的には、次のような要素を総合的に判断します。
- 関節可動域
- 筋力
- 巧緻性
- 速さ
- 耐久性
- 日常生活における動作の状態
なお、他動可動域による評価が適切ではない場合があります。例えば、末梢神経損傷により関節を動かす筋肉が弛緩性の麻痺となっている場合などです。
このような場合は、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。
高次脳機能障害がある場合
脳梗塞の後遺症として、高次脳機能障害が残ることがあります。
高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般をいいます。
主な症状として、失語、失行、失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
日常生活又は社会生活に制約がある場合、障害年金の対象となる可能性があります。
高次脳機能障害がある場合は、精神の障害用診断書で請求することがあります。ただし、肢体障害の状態が重い場合は、肢体の診断書を中心に請求することもあります。
脳梗塞では、肢体、言語、精神、眼など、どの障害を中心に請求するかが非常に重要です。
よくあるご質問
Q. 脳梗塞で障害年金は受給できますか?
脳梗塞による半身麻痺、言語障害、高次脳機能障害、視野障害、遷延性意識障害などにより、日常生活や仕事に大きな支障がある場合は、障害年金を受給できる可能性があります。ただし、病名だけで認定されるわけではありません。
Q. 脳梗塞は1年6か月待たないと障害年金を請求できませんか?
原則は初診日から1年6か月経過した日が障害認定日です。ただし、脳梗塞などの脳血管障害では、初診日から6か月経過後に医学的に症状固定と認められる場合、特例により請求できることがあります。
Q. 脳梗塞で多い診断書は何ですか?
半身麻痺などの後遺症がある場合は、肢体の障害用診断書を使用することが多いです。言語障害がある場合は言語の診断書、高次脳機能障害がある場合は精神の障害用診断書、視野障害がある場合は眼の診断書を検討することがあります。
Q. 高次脳機能障害だけでも障害年金の対象になりますか?
高次脳機能障害により、日常生活や社会生活に制約がある場合は、障害年金の対象となる可能性があります。記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの具体的な支障が重要です。
Q. 脳梗塞で働いていても障害年金を申請できますか?
働いている場合でも申請できることがあります。ただし、就労内容、勤務時間、配慮の有無、仕事上の支障などが審査で確認されます。
脳梗塞で障害年金を検討中の方へ
脳梗塞の障害年金は、初診日、症状固定日、後遺症の内容、診断書の種類、日常生活への支障によって判断が分かれます。
半身麻痺、高次脳機能障害、言語障害、視野障害などがある場合は、どの診断書で請求するかが大切です。
脳梗塞で障害年金を申請できるか不安な方は、まずは無料相談をご利用ください。
参考資料
肢体の機能の障害については、次のとおりである。
