がんで障害年金を受給した事例|2級・3級認定と遡及請求を解説

がんで障害年金を受給した事例|2級・3級認定と遡及請求を解説

がんの障害年金の受給例

がんで障害年金を受給した事例を紹介します

がんは、病名だけではなく、治療後の後遺症、倦怠感、就労への支障、日常生活への制限、診断書の内容などにより、障害年金を受給できる可能性があります。

このページでは、上咽頭がん、胃がん、直腸肛門管がんで障害年金を受給した事例を、共済年金、遡及請求、未支給年金請求の注意点とあわせて解説します。

「がんで障害年金を受給した事例を知りたい」

「がんで2級・3級に認定されるケースを確認したい」

「共済年金や遡及請求、未支給年金請求の事例を知りたい」

このような方に向けて、実際の受給事例を紹介します。

※このページは、がんの障害年金について、受給例に特化したサブページです。受給資格、金額、認定基準などの全体像については、がんで障害年金はもらえる?受給例・金額・受給資格・認定基準を解説をご確認ください。

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この記事の内容は以下からすぐ確認できます。

執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
がんをはじめ、さまざまな傷病による障害年金のご相談に対応してまいりました。

がんの障害年金は、がんの種類やステージだけで判断されるわけではありません。

治療後の後遺症、倦怠感、栄養状態、人工肛門の有無、就労状況、日常生活への支障などを具体的に確認する必要があります。

上咽頭がんで障害共済年金2級・3年遡及請求が認められた事例

認定 障害共済年金2級 遡及請求3年
相談者 60代男性 東京都狛江市
傷病 上咽頭がん
金額 年額約270万円 遡及金額約270万円(退職共済年金との調整後)

奥様からお問い合わせフォームでご連絡をいただき、面談となりました。

共済加入中に初診日があり、現在は退職されて、特別支給の退職共済年金を受給中でした。

上咽頭がんにより、疲れやすさ、めまい、ふらつき、咀嚼の困難などの症状があり、横になって過ごされることが多いとのことでした。

共済組合には奥様が連絡され、提出に必要な書類は取り寄せ済みでした。

ただし、用意されていたのは事後重症請求用の書類のみでした。

障害認定日請求と退職共済年金との調整

障害認定日時点で3級以上に認められれば、退職共済年金についても障害者特例により、定額部分を遡って受給できる可能性があります。

この場合、障害厚生年金の額と比較し、有利になる方を選択する必要があります。

共済組合に連絡し、遡及請求のための書類を追加で送っていただきました。

障害年金一元化後も、共済組合と日本年金機構では、請求方法や用紙が異なることがあります。

そのため、都度確認しながら進める必要があります。

障害共済年金2級、3年遡及請求が認められました。

ご相談から裁定請求、等級決定、追加書類提出、年金選択、決定通知、共済部分受給開始、基礎部分受給開始まで、ほぼ1年かかりました。

年金手帳と通帳

胃がん全摘後のダンピング症候群で障害厚生年金3級に認定された事例

認定 障害厚生年金3級 事後重症請求
相談者 40代男性 東京都台東区
傷病 胃がん摘出後ダンピング症候群
金額 年額約60万円

最初にご相談を受けたのは、ご依頼いただく1年半ほど前でした。

その時点で胃がんの診断を受け、半年前に胃を全摘されていました。

脱力感、倦怠感、めまいに加え、強いダンピング症状が出ていました。

休職を経て職場復帰し、現在は以前と同じ業務をしているとのことでした。

職場復帰が難しい状態で再相談

最初の相談時には、障害年金の制度と、在職中であり障害厚生年金の請求になるため3級の可能性があることをお伝えしました。

その時点では、フルタイムで働けなくなったときに請求を考えるということになりました。

その後、1年半が経過し、胃の全摘による消化不良に加え、勤務による疲労で休職されました。

職場復帰が難しい状態となったため、障害年金を請求したいとご連絡をいただきました。

障害厚生年金を請求し、87日後に、無事障害厚生年金3級に認定されました。

がんそのものだけでなく、手術後の後遺症により就労や日常生活に相当の制限がある場合、障害年金に該当する可能性があります。

厚生年金には3級があるため、労働に著しい制限がある場合は、障害厚生年金3級を検討できることがあります。

がんで障害年金を申請するために大切なこと

直腸肛門管がんで障害共済年金2級・4.5年遡及請求が認められた事例

認定 障害共済年金2級 遡及請求4.5年
相談者 50代男性 東京都目黒区
傷病 直腸肛門管がん
金額 年額約214万円 遡及金額約350万円(基礎年金部分)

ご相談は、奥様からでした。

ご主人が直腸肛門管がんの末期状態で入院中でした。

初診は5年前でした。

ご相談から1か月経たない時期に、現在の状態の診断書が取得できたものの、残念ながらご主人はお亡くなりになってしまいました。

未支給の障害年金請求

ただし、請求できる状態であれば、亡くなるまでの期間について障害年金の権利が発生する可能性があります。

そのため、未支給の障害年金請求に切り替え、障害認定日で2級認定を目指して請求しました。

当時は一元化前で、3級認定の場合、在職中のため全額支給停止となる可能性がありました。

一方、2級であれば、障害基礎年金の基礎部分は受給できます。

審査期間は長く、途中で数々の追加資料の提出を求められました。

ようやく届いたのは、未支給の障害基礎年金2級の支払通知でした。

奥様のご尽力があったからこその結果です。

がんの受給例で大切なポイント

がんの障害年金の受給例を見ると、次の点が重要であることがわかります。

  • がんの病名だけでなく、治療後の後遺症や日常生活への支障が重要であること
  • 胃がん全摘後のダンピング症候群など、手術後の後遺症でも認定される可能性があること
  • 障害厚生年金では、労働に著しい制限がある場合に3級を検討できること
  • 共済年金が関係する場合、請求用紙や手続きが通常と異なることがあること
  • 退職共済年金との選択・調整が必要になる場合があること
  • 亡くなった後でも、未支給の障害年金請求を検討できる場合があること
  • 遡及請求では、障害認定日頃の診断書や当時の状態が重要になること

がんの障害年金では、病名やステージだけでなく、実際に仕事や日常生活にどの程度の制限があるかを具体的に整理することが大切です。

よくあるご質問

Q. がんでも障害年金を受給できますか?

受給できる可能性があります。がんの種類やステージだけでなく、治療後の後遺症、倦怠感、栄養状態、就労への支障、日常生活への制限などを確認して判断します。

Q. がんで障害厚生年金3級になることはありますか?

あります。初診日に厚生年金に加入しており、がんや治療後の後遺症により労働に著しい制限がある場合は、障害厚生年金3級に認定される可能性があります。

Q. がんで遡及請求はできますか?

障害認定日頃の診断書を取得でき、その時点の状態が障害等級に該当すると判断される場合は、遡及請求を検討できます。

Q. 共済年金が関係する場合、手続きは通常と違いますか?

共済組合が関係する場合、提出先や書類、年金選択、退職共済年金との調整など、通常と異なる確認が必要になることがあります。

Q. 請求前に亡くなった場合でも障害年金を請求できますか?

状況によっては、未支給の障害年金請求を検討できる場合があります。亡くなる前の状態や必要書類を確認する必要があります。

がんで障害年金を検討中の方へ

がんの障害年金は、初診日、保険料納付要件、障害認定日の状態、現在の症状、診断書、病歴・就労状況等申立書、治療後の後遺症によって判断が分かれます。

特に、手術後の後遺症、倦怠感、職場復帰が難しい場合、共済年金が関係する場合、未支給請求を検討する場合は、早めに状況を整理することが大切です。

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がんで障害年金を申請できるか、2級・3級の可能性、遡及請求や共済年金の手続きに不安がある場合は、状況に応じて確認いたします。

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参考資料

悪性新生物による障害の程度は、次により認定する。

がんと診断されてから必要なお金の一部は、公的医療保険などで負担が軽減できる場合があります。また、就業や収入の状況に合わせた支援制度も整備されています。

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