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呼吸器(呼吸不全)の審査基準

投稿日:2011/09/13 最終更新日:2016/12/22

呼吸器(肺等)で障害年金の対象となるものの例です。

病名よりも肺の機能や日常生活などいろいろな観点からの判断となります。

呼吸器(肺)の障害年金対象例一覧

肺結核、じん肺、慢性気管支炎、気管支喘息、膿胸、肺線維症 など

呼吸不全の審査基準

1、呼吸不全は、原因の如何を問わず、動脈血ガス分析値、特に動脈血O2分圧と動脈血CO2分圧が異常値であり、そのため体が正常な機能を営み得なくなった状態をいいます。

呼吸器疾患による障害

呼吸器疾患は、肺結核、じん肺及び呼吸不全に区分します。
呼吸器疾患による障害については、次のとおりです。病態は、主に慢性呼吸不全です。

疾患は、閉塞性換気障害(肺気腫・慢性気管支炎・気管支喘息・等)、拘束性換気障害(間質性肺炎・肺結核後遺症・じん肺等)、心血管系異常、神経・筋疾患、中枢神経系異常等多岐にわたります(肺疾患のみが対象疾患ではありません)。

2、呼吸不全の主要症状としては、咳、痰、喘鳴、胸痛、労作時の息切れ等の自覚症状、チアノーゼ、呼吸促迫、低酸素血症等の他覚所見があります。

3、検査成績としては、動脈血ガス分析値、予測肺活量1秒率及び必要に応じて行う運動負荷肺機能検査等があります。

4、動脈血ガス分析値及び予測肺活量1秒率の異常の程度を参考として示すと次のとおり。なお、動脈血ガス分析値の測定は、安静時に行うものとする。

A表 動脈血ガス分析値

区分 検査項目 単位 軽度重症  中等度異常 高度異常
動脈血O2分圧 Torr 70~61 60~56 55以下
動脈血CO2分圧 Torr 46~50 51~59 60以上

(注)病状判定に際しては、動脈血O2分圧値を重視。

B表 予測肺活量1秒率

検査項目 単位 軽度重症;  中等度異常 高度異常
予想肺活量 40~31 30~21 20以下

5、呼吸不全による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりで。

区分 一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

6、呼吸不全による各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおり。

障害の程度 障害の状態
1級 前記4のA表及びB表の検査成績が高度異常を示すもので、かつ一般状態区分表のオに該当するもの
2級 前記4のA表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
3級
(厚生年金のみ)
前記4のA表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。

7、慢性気管支喘息については、症状が安定している時期においての症状の程度、使用する薬剤、酸素療法の有無、検査所見、具体的な日常生活状況などを把握して、総合的に認定する。

8、在宅酸素療法を施行中のものについては、原則として次により取り扱う。

ア.常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定。
なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定。

イ.障害の程度を認定する時期は、在宅酸素療法を開始した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)とする。

9、原発性肺高血圧症や慢性肺血栓塞栓症等の肺血管疾患については、前記4のA表及び認定時の具体的な日常生活状況等によって、総合的に認定する。

10、慢性肺疾患により非代償性の肺性心を生じているものは3級と認定。
なお、治療及び病状の経過、検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

11、慢性肺疾患では、それぞれ個人の順応や代償という現象があり、また他方では、多臓器不全の病状も呈してくることから、呼吸機能検査成績が必ずしも障害の程度を示すものとは言えない。

12、肺疾患に罹患し手術を行い、その後、呼吸不全を生じたものは、肺手術と呼吸不全発生までの期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められる。

呼吸器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績(胸部X線所見、動脈血ガス分析値等)、一般状態、治療及び病状の経過、年齢、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等により総合的に認定します。

障害基準の目安

1級:当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたり安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。

2級:日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

3級:労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。

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