「間質性肺炎で障害年金を受給した例を知りたい。」
「今から障害年金を申請するが、もらえる金額や認定基準を知りたい。」
そのようなご相談に向けて解説致します。
はじめまして。
社会保険労務士の但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、12年以上(累計約3,500件)「間質性肺炎など障害年金申請のサポート」に携わってまいりました。
間質性肺炎は息切れや咳など、毎日の生活が本当に不自由ですし将来の不安も大きくなると思います。
障害年金を受給できれば、少しでも経済的な負担を軽くすることができます。
間質性肺炎で障害年金の申請を忘れていませんか?専門の女性社労士が受給例の紹介。金額や認定基準を解説します!

具体的にどうすれば、間質性肺炎で障害年金を受給できるのでしょうか?以下の順でお話します。
- 受給事例
- もらえる金額
- 受給資格(認定基準)
間質性肺炎で障害基礎年金2級受給
認定 | 障害基礎年金2級 事後重症請求 |
相談者 | 女性 埼玉県比企郡 |
傷病 | 間質性肺炎 |
受給額 | 約80万円 |
間質性肺炎の症状が重くなると、24時間の在宅酸素療法に頼らなければならなくなります。
その場合、障害年金3級に認定されます。
ただし、3級は障害厚生年金しかありません。
今回、障害基礎年金の請求でしたので2級以上が必須でした。
在宅酸素と検査数値
間質性肺炎の障害年金の審査で大事なのは、さまざまな状態を見て総合的な判定になる点です。
- 実際の検査成績
- 日常生活に受ける制限
- 咳や痰などの自覚症状
- 他覚所見など
数値として在宅酸素16時間。
検査数値が動脈血O2分圧高度異常。
予測肺活量1秒率が中等度異常でした。
間質性肺炎障害基礎年金2級の認定基準にあたっているため大丈夫だと信じつつも、決定通知がくるまではかなり不安でした。
作成した病歴状況申立書をご依頼者さまに確認頂き、OKというお返事でしたので年金事務所へ提出。
事後重症請求ですので、間質性肺炎で申請した翌月から支給されます(もちろん、認定された場合)。
申請が次月になってしまうと、1月分受給額が少なくなってしまうので、何とか月末までに出したかった案件でした。
その後間質性肺炎で障害基礎年金2級受給決定です。

スムーズに進んで本当によかったです。
間質性肺炎で障害年金の金額はいくら
間質性肺炎の障害基礎年金額
間質性肺炎で障害年金が認定され、もらえる金額は障害基礎年金か障害厚生年金かで異なります。
もし遡及請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。
もちろん全員が該当するわけではないのですが、まだ障害年金を請求していないとき、最大5年分遡ることができるのです。これを遡及請求(そきゅうせいきゅう)といいます。
障害等級 | 金額 |
障害基礎年金
1級 |
993,750円/年
+子の加算 |
障害基礎年金
2級 |
795,000円/年
+子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
この金額を6等分して偶数月に受け取ります。
※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。
子の加算
18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

一般的には高校卒業までということです
子の人数 | 金額 |
1人目
2人目 |
1人につき 228,700円 |
3人目以降 | 1人につき 76,200円 |
間質性肺炎の障害厚生年金額
間質性肺炎で障害年金1級、2級に認定された場合、障害基礎年金に厚生年金が加算されます。
3級は厚生年金しかありません。
障害厚生年金の金額は、給与や厚生年金を納めていた期間(年齢)に比例するため、人により金額はまったく違います(給与30万円と45万円で1.5倍違います)。
障害基礎年金
1級 |
報酬比例額加算×1.25
+配偶者加給年金 |
障害基礎年金
2級 |
報酬比例額加算×1.0
+配偶者加給年金 |
障害厚生年金
3級 |
596,300円
金額は一律 |
配偶者加給年金
間質性肺炎で1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいるとき、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。
よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、配偶者である夫についても加給年金が支給されます。
※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。
障害等級 | 金額 |
1級・2級
(3級はなし) |
228,700円 |
年金生活者支援給付金
間質性肺炎の障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。
障害年金を受給した際「年金生活者支援給付金」が加算して支給されるようになりました。
年金生活者支援給付金は基礎年金も厚生年金も変わらず2級以上であれば支給されます。
金額は毎年変動します。
2級 月5,140円
1級 月6,425円
以上、もらえる金額には年収などにより、いろいろと例外もあります。
障害年金の受給が無事決まった後、金額はいくらもらえるのでしょうか?
受給資格
間質性肺炎で障害年金の受給資格を得るために以下の3つが大切になります。
初診日と保険料納付
- 初診日
- 保険料納付要件
- 認定基準
初診日と保険料納付要件まとめ。
障害年金をもらうために大切な3つの要件(初診日・保険料納付・認定基準)
間質性肺炎の認定基準
※以下、日本年金機構の呼吸器疾患による障害年金認定基準を加筆・修正。
- 特発性間質性肺炎
- 膠原病などを原因とする間質性肺炎
膠原病などを原因とする間質性肺炎の場合、初めて医師の診断を受けた日が初診日。
〇24時間の在宅酸素療法
間質性肺炎の症状が重くなると、24時間の在宅酸素療法に頼らなければならなくなりますが、この場合障害年金3級が受給できます。

受給事例のように、障害厚生年金しかありませんので、障害基礎年金では認定されないことを意味します。
また、在宅酸素療法を行っていない場合、動脈血ガス分析値や予測肺活量1秒率といった数値が一定の基準を超えていれば、これも間質性肺炎で障害年金3級受給です。
審査ポイント
間質性肺炎の障害年金の審査で大事なのは、実際の検査成績、日常生活に受ける制限、咳や痰などの自覚症状、他覚所見などのさまざまな状態を見て判定になることです。
在宅酸素の有無にかかわらず、一定の障害がある場合は3級に認定されます。
また、状態が悪ければ間質性肺炎の上位等級に認定されることもあります。
※在宅酸素をしていなくても認定される可能性はあります。
審査は「動脈血ガス分析値」「予測肺活量1秒率」が重要視。
詳しい数値の基準
呼吸器の障害で障害年金の対象となる傷病と認定基準を解説。
その後の間質性肺炎の2級、1級については、上記の数値がどれだけ悪化しているかや、通常の日常生活にどの程度影響や制限があるかで決められます。
例えば、医師から自宅療養を指示されて外出もほとんどできなくなった状態が間質性肺炎2級の目安。
外出はできずに、行動自体が(寝たきりにはならなくても)ベッド周辺に限られる状態が1級となります。
間質性肺炎の障害等級目安
障害の程度 | 障害の状態 |
1級 | 当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたり安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。 |
2級 | 常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 |
3級 | 労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。 |
ア.常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは 3 級と認定。
なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定。
イ.障害の程度を認定する時期は、在宅酸素療法を開始した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)。
間質性肺炎の障害年金申請はいろいろと複雑な点もあり、女性社労士が初回無料相談中です。メールやお電話で問合せ下さい。
呼吸器疾患による障害 呼吸器疾患による障害の程度は、次により認定する。認定基準 呼吸器疾患による障害については、次のとおりである。
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)とは、肺の間質(肺の空気が入る部分である肺胞を除いた部分で、主に肺を支える役割を担っている)を中心に炎症を来す疾患の総称です。
引用元: 間質性肺炎|KOMPAS