
埼玉で、うつ病により障害年金を受給した事例を紹介します
うつ病でも、初診日、保険料納付要件、診断書、日常生活状況、就労状況、過去の受診歴などを整理することで、障害年金を受給できる可能性があります。
このページでは、埼玉県内でうつ病により障害年金を受給した事例を、額改定請求、遡及請求、事後重症請求、初診日の考え方などのポイントとあわせて解説します。
「埼玉(越谷市、飯能市、川口市、川越市、さいたま市など)で、うつ病により障害年金を受給した事例を知りたい」
「うつ病で障害厚生年金2級・3級に認定された事例を確認したい」
「額改定請求や遡及請求の事例を知りたい」
このような方に向けて、実際の受給事例を紹介します。
※このページは、うつ病の障害年金について、埼玉の受給例に特化したサブページです。受給資格、金額、認定基準などの全体像については、うつ病で障害年金はもらえる?受給できるケースと金額・認定基準を解説をご確認ください。
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執筆者紹介:障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
うつ病をはじめ、精神疾患による障害年金のご相談にも対応してまいりました。
実際に受給した例は、申請を検討するうえで参考になります。
同じうつ病でも、額改定請求、遡及請求、事後重症請求、初診日の証明方法、診断書の内容によって進め方は異なります。
うつ病で障害厚生年金3級から2級に額改定|年額80万円から160万円へ
| 認定 | 障害厚生年金3級から2級へ額改定 |
| 相談者 | 60代男性 埼玉県越谷市 |
| 傷病 | うつ病 |
| 金額 | 3級年額約80万円 → 2級年額約160万円 |
うつ病で6年ほど前に障害年金の遡及請求を行い、障害厚生年金3級に認定され、現在も受給中の方からのご相談でした。
最近、精神障害者保健福祉手帳の等級が3級から2級に変更になったため、障害年金も2級に変更できないかというご相談です。
現在の状態は、次のようなものでした。
- 不眠症状や不安感が続いている
- 意欲の低下が著しい
- 日常生活における物事を自発的に行えない
- 仕事は全くできない
手帳と障害年金の関連性
精神障害者保健福祉手帳と障害年金は、制度も審査基準も異なります。
そのため、手帳の等級がそのまま障害年金の等級になるわけではありません。
ただし、症状や日常生活状況から、障害年金2級に改定される可能性はあると判断しました。
すでに障害年金を受給しているため、初診日の証明などは不要です。
額改定請求では、現在の診断書の内容が非常に重要です。
額改定請求を行い、76日で障害厚生年金2級に改定されました。
65歳を過ぎると、過去に一度も2級以上になっていない場合、額改定請求ができなくなることがあります。今回は、その前に2級へ改定できた事例です。
初診日が診断書で判明|障害厚生年金3級・5年遡及請求
| 認定 | 障害厚生年金3級 遡及請求5年 |
| 相談者 | 50代男性 埼玉県飯能市 |
| 傷病 | うつ病 |
| 金額 | 年額約60万円 遡及金額約300万円 |
奥様からお電話でご相談をいただきました。
ご主人がうつ病で、過去に2度入院されたとのことでした。
仕事も辞められており、現在は自宅で療養しているものの、抑うつ気分、意欲低下、希死念慮などの症状が強い状態でした。
初診日がはっきりしない場合の進め方
年金記録を確認したところ、保険料納付要件に問題はありませんでした。
しかし、ご本人の記憶がはっきりせず、初診日が定かではありませんでした。
詳しく確認したところ、受診されている病院は1か所だけでした。
まず現在の診断書を依頼したところ、その記載内容から初診日が判明しました。
そのまま障害認定日の診断書も依頼し、遡及請求を行いました。
結果として、障害認定日と現在の両方で障害厚生年金3級に認定され、5年遡及請求が認められました。
請求から決定までの期間は99日でした。

過重労働が原因でうつ病を発症|障害厚生年金2級・年額約120万円
| 認定 | 障害厚生年金2級 事後重症請求 |
| 相談者 | 50代男性 埼玉県川口市 |
| 傷病 | うつ病 |
| 金額 | 年額約120万円 |
発症は13年ほど前でした。
会社で深夜残業や休日出勤が続き、集中力や思考力が低下していったそうです。
その後、うつ病と診断され、良くなったり悪くなったりしながらお仕事を続けていましたが、10年ほど前に退職されました。
死にたい気持ちが湧いてきて、2か月の入院もありました。
一人暮らしと障害年金の認定
退院後も抑うつ症状が重く、人との付き合いもなく、生きる楽しみがないとのことでした。
奥様とは別居後に離婚され、一人暮らしでした。
一人暮らしの場合、「自分で暮らしている=自分でできる」と見られやすく、審査で難しくなることがあります。
ただし、一人暮らしであっても、その方の障害の程度や日常生活の実態によって、2級に認定されることがあります。
初診日は厚生年金加入中であったため、障害厚生年金の事後重症請求で進めました。
初診の病院に13年以上通院されていたため、初診証明は問題なく取得でき、請求から57日で障害厚生年金2級に認定されました。

医師の診断と日常生活が乖離|障害基礎年金2級・5年遡及請求
| 認定 | 障害基礎年金2級 遡及請求5年 |
| 相談者 | 女性 埼玉県川越市 |
| 傷病 | うつ病 |
| 金額 | 年額約120万円 遡及金額約600万円 |
ご主人からお問い合わせフォームでご連絡をいただき、翌日に面談でお話を伺いました。
初診は7年ほど前でした。
ご主人の扶養で国民年金第3号被保険者の期間が長かったことから、保険料納付要件は問題ないと判断し、請求準備を始めました。
初診日の特定と診断書作成までの経過
初診の医院で受診状況等証明書を取得する必要がありましたが、すでに廃院されていました。
何とか当時のカルテを入手することができ、初診日の確かな証明となりました。
障害認定日時点で現在の医院に受診されていたため、障害認定日と現在の2枚の診断書を依頼しました。
ただし、ご本人が主治医に日常生活の状況を十分に話していなかったため、すぐに診断書を書いていただくことはできませんでした。
実際のうつ病の症状と、医師が把握している日常生活状況に差があることは少なくありません。
しばらくご主人と一緒に受診し、主治医に生活状況を理解していただいたうえで診断書を作成していただきました。
結果として、障害基礎年金2級に認定され、請求から決定まで24日でした。
男性恐怖症とうつ病|障害厚生年金2級・年額約100万円
| 認定 | 障害厚生年金2級 事後重症請求 |
| 相談者 | 女性 埼玉県川口市 |
| 傷病 | うつ病 |
| 金額 | 年額約100万円 |
初診は6年前でした。
男性と話すことが苦手とのことで、女性社労士を探していらっしゃったそうです。
途中で3年半ほど受診されていない期間があり、障害認定日の診断書は取得できなかったため、事後重症請求となりました。
結果として、障害厚生年金2級に認定されました。
申請から決定までの期間は90日でした。

初診は精神科ではなく内科|障害厚生年金3級・年額約60万円
| 認定 | 障害厚生年金3級 事後重症請求 |
| 相談者 | 50代男性 埼玉県さいたま市 |
| 傷病 | うつ病 |
| 金額 | 年額約60万円 |
初診日は平成12年でした。
受診状況等証明書には、昭和54年頃、昭和59年から63年頃に不眠症状で内科に通院していたとの記載がありました。
初診日がその頃と判断されると、20歳前傷病となり、障害基礎年金の請求になります。
一方、平成12年初診と判断される場合は、障害厚生年金の請求になります。
過去の内科受診との因果関係
平成元年頃から平成12年頃まで服薬もなく、元気に社会生活を過ごしていらっしゃったことから、今回は平成12年を初診日として整理しました。
もちろん、審査で昭和54年頃が初診日と判断される可能性もあります。
病歴・就労状況等申立書には、昭和54年頃からの状況を記載しました。
別途、初診日に関する申立書も作成し、障害厚生年金を請求しました。
申請後、特に照会等もなく、障害厚生年金3級に認定されました。
請求から決定までの期間は72日でした。
うつ病の受給例で大切なポイント
埼玉の受給例を見ると、うつ病の障害年金では次の点が重要であることがわかります。
- 障害年金受給後に症状が重くなった場合は、額改定請求を検討できること
- 初診日が不明確な場合でも、診断書や医療記録から確認できる場合があること
- 一人暮らしの場合でも、日常生活の実態を丁寧に整理すること
- 医師が把握している内容と実際の生活状況に差がある場合は、受診時に生活状況を伝えること
- 受診していない期間がある場合は、事後重症請求になることがあること
- 精神科以外の内科受診が初診日として問題になる場合があること
うつ病の障害年金では、病名だけでなく、初診日、病歴、治療経過、診断書、日常生活状況、就労状況を一つずつ整理することが大切です。
よくあるご質問
Q. 埼玉でうつ病の障害年金を相談できますか?
はい。埼玉県内の方から、うつ病の障害年金に関するご相談をいただいています。越谷市、飯能市、川口市、川越市、さいたま市などの方についても、初診日、通院状況、就労状況、診断書の内容などを確認しながら進めます。
Q. うつ病で障害厚生年金3級から2級に変更できますか?
受給後に症状が重くなった場合、額改定請求により等級変更を検討できることがあります。現在の診断書の内容が重要になります。
Q. 初診日がはっきりしない場合でも請求できますか?
初診日がはっきりしない場合でも、診断書、受診状況等証明書、カルテ、紹介状、当時の資料などから確認できる場合があります。
Q. 一人暮らしでも、うつ病で障害年金2級に認定されますか?
一人暮らしであることだけで判断されるわけではありません。食事、掃除、金銭管理、通院、対人関係など、実際の日常生活状況を整理することが大切です。
Q. 初診が精神科ではなく内科でも、うつ病の初診日になりますか?
不眠、不安、体調不良などで内科を受診していた場合でも、その受診が現在のうつ病と関連すると判断されると、初診日として扱われることがあります。
うつ病で障害年金を検討中の方へ
うつ病の障害年金は、初診日の証明、保険料納付要件、障害認定日の状態、現在の症状、日常生活状況、就労状況などにより判断が分かれます。
特に、額改定請求、遡及請求、初診日が不明確な場合、内科受診がある場合などは、早めに資料を確認することが大切です。
参考資料
精神の障害による障害の程度は、次により認定する。
令和8年4月分からの年金額等について
障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
