
人工透析になったとき、障害年金以外に使える公的補助制度はある?
人工透析を受ける場合、障害年金とは別に、医療費の自己負担を軽減するための公的補助制度があります。
代表的な制度として、特定疾病療養受療証、東京都の難病医療費助成制度、心身障害者医療費助成制度、障害者手帳などがあります。
- 特定疾病療養受療証(マル長)
- 東京都難病医療費助成制度(マル都)
- 心身障害者医療費助成制度(マル障)
- 障害者手帳
このページでは、人工透析になったとき障害年金とあわせて確認したい公的補助制度をわかりやすく解説します。
「人工透析になったとき、障害年金とあわせて手続きしたい公的補助制度はないのか」
「人工透析の医療費負担を少しでも軽くできる制度を知りたい」
「障害年金と障害者手帳、公的助成制度の違いがよくわからない」
このような疑問をお持ちの方に向けて、専門家の視点から整理して解説します。
重要:公的補助制度の申請代行は行っておりません
このページでご紹介している特定疾病療養受療証、医療費助成制度、障害者手帳などの公的補助制度は、障害年金とは別の制度です。
当事務所では、これらの公的補助制度の申請代行や手続き代行は行っておりません。
これらの制度を利用したからといって、障害年金の審査で有利・不利になるものでもありません。
相談や申請は、加入している健康保険、またはお住まいの自治体・区役所・市役所等の窓口へ直接ご確認ください。
このページでわかること
- 人工透析で利用できる主な公的補助制度
- 特定疾病療養受療証(マル長)の概要
- 東京都難病医療費助成制度(マル都)の概要
- 心身障害者医療費助成制度(マル障)の概要
- 障害者手帳と障害年金の違い
- 障害年金の審査との関係
人工透析の医療費助成制度は、障害年金とは別の制度です。
これらの制度を利用したからといって、障害年金の審査で有利・不利になるものではありません。
人工透析の障害年金の受給例・金額・認定基準については、人工透析の障害年金の全体解説ページで詳しく解説しています。
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
人工透析をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。
人工透析になった場合、障害年金だけでなく、医療費負担を軽減するための公的補助制度も確認しておくことが大切です。
人工透析の公的補助制度
人工透析に関係する主な公的補助制度には、次のようなものがあります。
| 制度 | 概要 |
| 特定疾病療養受療証(マル長) | 人工透析など長期に高額な治療が必要な場合に、医療費の自己負担限度額を軽減する制度です。 |
| 東京都難病医療費助成制度(マル都) | 東京都で人工透析を受けている方の医療費自己負担分を助成する制度です。 |
| 心身障害者医療費助成制度(マル障) | 障害者手帳などの要件に該当する方について、医療費の自己負担分を助成する制度です。 |
| 障害者手帳 | 人工透析になった場合、身体障害者手帳の対象となることがあります。 |
以下、それぞれの制度について見ていきます。
特定疾病療養受療証(マル長)
特定疾病療養受療証は、長期間にわたり高額な治療が必要となる特定の疾病について、医療費の自己負担限度額を軽減する制度です。
人工透析は、この特定疾病療養受療証の対象となります。
一般に「マル長」と呼ばれることがあります。
人工透析で特定疾病療養受療証を利用すると、医療費の自己負担限度額が月額1万円となります。
ただし、70歳未満で基礎控除後の年間所得額が600万円を超える世帯は、自己負担限度額が月額2万円となります。
人工透析は長期にわたる治療となるため、月々の自己負担が積み重なると大きな負担になります。
特定疾病療養受療証を利用することで、透析治療に関する医療費負担を軽減できる可能性があります。
申請や詳細については、加入している健康保険の窓口にご相談ください。
- 協会けんぽ
- 健康保険組合
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
など、加入している制度によって窓口が異なります。
東京都難病医療費助成制度(マル都)
東京都では、人工透析を受けている方について、医療保険を適用した後の自己負担分を助成する制度があります。
この制度は、いわゆる「マル都」と呼ばれることがあります。
特定疾病療養受療証を利用した後に残る人工透析の自己負担分について、助成を受けられる場合があります。
東京都にお住まいの方へ
東京都の制度は、お住まいの区市町村や保健所等が窓口となる場合があります。
制度の対象や必要書類は状況により異なるため、必ず自治体の窓口で確認してください。
なお、東京都以外にお住まいの場合でも、自治体ごとに医療費助成制度が設けられていることがあります。
お住まいの市区町村や都道府県の窓口で確認しておくと安心です。
心身障害者医療費助成制度(マル障)
心身障害者医療費助成制度は、障害のある方の医療費自己負担分について助成を行う制度です。
東京都では「マル障」と呼ばれることがあります。
人工透析に関する助成だけでなく、合併症や他の病気で医療機関を受診する場合にも、制度の対象となる可能性があります。
人工透析の自己負担については、特定疾病療養受療証や東京都難病医療費助成制度により軽減される場合があります。
一方で、人工透析以外の治療、たとえば合併症などについては、別途医療費負担が生じることがあります。
そのような場合に、心身障害者医療費助成制度の対象となるか確認しておくことが大切です。
対象者や所得制限、助成範囲は自治体により異なります。
詳細は、お住まいの自治体にご確認ください。
障害者手帳
人工透析になった場合、身体障害者手帳の対象となることがあります。
障害者手帳は、障害年金とは別の制度です。
障害年金と障害者手帳は、等級の考え方や審査基準が異なるため、手帳の等級と障害年金の等級が必ず一致するわけではありません。
詳しくは、障害年金と障害者手帳の等級や認定の違い。審査基準は違うのか?でも解説しています。
障害年金の審査とは別に考える制度です
ここまでご紹介した公的補助制度は、いずれも障害年金とは別の制度です。
これらの制度を利用したからといって、障害年金の審査で有利になる、または不利になるというものではありません。
障害年金では、初診日、保険料納付要件、障害認定基準、診断書の内容などをもとに判断されます。
人工透析の障害年金については、以下のページも参考にしてください。
よくあるご質問
人工透析になったら、障害年金以外にも手続きした方がよい制度はありますか?
はい。特定疾病療養受療証、自治体の医療費助成制度、心身障害者医療費助成制度、障害者手帳などを確認しておくとよいです。制度ごとに窓口や要件が異なるため、加入している健康保険やお住まいの自治体に確認してください。
特定疾病療養受療証を使うと、人工透析の自己負担はいくらになりますか?
人工透析で特定疾病療養受療証を利用すると、医療費の自己負担限度額は月額1万円となります。ただし、70歳未満で基礎控除後の年間所得額が600万円を超える世帯は、月額2万円となります。
東京都のマル都を利用すると、人工透析の自己負担は軽くなりますか?
東京都では、人工透析を受けている方について、医療保険を適用した後の自己負担分を助成する制度があります。対象や必要書類は状況により異なるため、お住まいの自治体等に確認してください。
障害者手帳を取ると、障害年金も自動的にもらえますか?
いいえ。障害者手帳と障害年金は別制度です。等級の考え方や審査基準が異なるため、障害者手帳を取得しても、障害年金が自動的に決定されるわけではありません。
公的補助制度を利用すると、障害年金の審査で有利になりますか?
公的補助制度の利用は、障害年金の審査で有利・不利になるものではありません。障害年金は、初診日、保険料納付要件、障害認定基準、診断書の内容などをもとに判断されます。
人工透析と障害年金を検討中の方へ
人工透析になった場合、医療費の助成制度とあわせて、障害年金を受給できるかも確認しておくことが大切です。
人工透析は原則として障害年金2級に該当する可能性がありますが、初診日や保険料納付要件、診断書の内容によって判断が分かれることがあります。
公的補助制度は各窓口で確認し、障害年金について不安がある場合は、早めにご相談ください。
参考資料
東京都では、人工透析を受けている腎不全患者の方に、医療保険各法等を適用した医療費等の自己負担分の助成を行っています。
引用元:難病医療費助成の助成内容
身体障害者手帳1級・2級の方、また内部障害については3級も含む場合があります。
重い病気などで治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となることがあります。高額療養費制度により、一定の金額を超えた部分が払い戻されます。
