「人工透析の障害年は働きながら収入があっても、もらえるのか」
「働いていると、審査の基準は厳しくなるのか。」
「受給できたあとの収入との調整は?」
このようなことでお悩みでしょうか?
人工透析で障害年金をもらい忘れていませんか?年間最低60万円以上の受給が可能です。
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、13年以上にわたり累計約3,600件の「人工透析など障害年金の無料相談から申請サポート」に携わってまいりました。
ご挨拶の動画になります。
(注 クリックすると声が出ます。
人工透析の障害年金は、定められている認定基準に沿って審査されます。
しかし、人工透析の方が働いていたり収入がある場合、審査やそのあとのお仕事が不安との声を頂きます。
収入との調整や人工透析の障害年金認定基準を解説します。
仕事や収入などは関係ない
結論から申しますと、仕事や収入があるかどうかは関係ありません。
人工透析の障害年金は、透析を行っている事実に基づいて受給が可能です。
- 人工透析の事実があり、日常生活が不自由であることが認められれば受給できます。
- 腎不全の初期症状のわかりにくさ。発病してから悪化するまで長い時間がかかり、初診日がわかりにくいなどの問題があります。
人工透析で障害年金を申請するための疑問点
申請するために大切なことをお話していきます。
以下のような点を疑問として質問をよく頂きますので、順番にお話ししていきます。
- 病名は関係あるのか
- 子供の頃に腎臓が悪いと言われたのだが(初診日はいつか)
- 収入がある、仕事をしているが大丈夫か。
病名は審査に関係あるのか
腎疾患(人工透析)の病名には、主に以下のものがあります。
- 慢性腎炎
- ネフローゼ症候群
- 慢性糸球体腎炎
慢性糸球体腎炎とは単一の腎疾患の名前ではなく、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎など、様々な病気の総称として使われています。
原因となる病名は関係なく、人工透析をしている事実が重要です。
人工透析は血液透析、腹膜透析、血液濾過などがあり、これらの治療を受けていることにより障害年金の対象となります。
原則として、人工透析をしている場合は2級に該当し、病状等が重い場合はそれ以上の等級になる可能性もあります。
初診日の確定
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease・CKD)という言葉を聞きます。
現在、日本に約1,330万人のCKD患者がいると言われており、これは成人の1割超に当たります。
人工透析対象者は26万人を超え、毎年1万人ずつ増加し続けており、国民病とも言われています。
慢性腎疾患から人工透析になり障害年金を受給する場合、申請時にいくつかの問題点があります。
- 腎不全の初期症状のわかりにくさ:発病してから悪化するまでに長い時間がかかり、初期症状がわかりにくい。
- 通院先の多さ:当初は体調不良などで何の病気かわからず、通院する病院が多くなりがち。
- 資料の欠如
- 病院が廃院している
- 当時のカルテが無い
- 初診の病院がわからない
これらの問題により、障害年金の申請が困難になることがあります。
その場合、いろいろと客観的に初診日を証明できる資料を検討する必要があります。
仕事がある収入がある
仕事をされていたり、収入があったりして申請されていない方もいらっしゃいます。
冒頭に記載したように、仕事や収入があるかどうかは関係ありませんので、申請を検討下さい。
受給資格
障害年金を申請するために、絶対にはずせない3つの重要な要件があります。
初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「人工透析の認定基準に該当」すれば、受給できます。
障害認定日の特例
障害認定日は、原則として初診日から1年6か月経過したところになります。
しかし例外があり、人工透析を行った日から起算して3か月を経過した日以降に申請できます。
つまり、1年6か月待たなくても障害年金の請求が可能です。
これは、「初診日から起算して1年6か月以内に人工透析を開始した場合」に適用されます。
わかりにくいので、Q&Aでお答えします。
Q. 慢性腎不全で、人工透析を受けることになりました。
人工透析の障害年金の場合、認定日が人工透析を開始してから3か月後と聞きました。
先月から始めたので認定日は2か月後となるのでしょうか?初診日は3年前です。
A.すぐに請求が可能です。
認定日が人工透析を開始してから3か月後となる特例は、初診日から1年6か月以内に人工透析を開始した場合です。
認定日が人工透析を開始してから3か月後となる特例は、初診日から1年6か月以内に人工透析を開始した場合です。
今回のケースでは、初診日が3年前ということですので、この特例には当てはまりません。
初診日からすでに1年6か月経過しているため、すぐに人工透析による障害年金の申請が可能です。
つまり、既に人工透析を開始されている場合、障害年金を1日でも早く請求することが重要です。
認定基準
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease・CKD)という言葉を聞きます。
現在、日本に約1,330万人のCKD患者がいると言われており、これは成人の1割超に当たります。
人工透析対象者は26万人を超え、毎年1万人ずつ増加し続けており、国民病とも言われています。
受給資格を得るためには、人工透析による障害年金認定基準に該当するかどうかを十分に理解することが重要です。
以下の重要点を把握しておくと、申請の際に必要な条件や基準を把握しやすくなります。
〇腎疾患による障害の程度は、以下の要素を総合的に評価して認定されます:
- 自覚症状:患者自身が感じる症状や不調の程度。
- 他覚所見:医師が確認できる症状や状態。
- 検査成績:血液検査や尿検査などの結果。
- 一般状態:患者の全体的な健康状態や体力。
- 治療及び病状の経過:治療の内容と病状の変化。
- 人工透析療法の実施状況:透析の頻度や方式、治療の進行状況。
- 具体的な日常生活状況:日常生活にどの程度支障があるか。
自覚症状や検査結果だけでなく、日常生活の状況や治療の経過も重要な評価基準となります。
障害等級 | 障害の状態 |
1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態。
日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 1級と同じで、日常生活が著しい制限を受ける。
又は著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に、労働が制限を受ける。
又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
認定要領
1.人工透析による障害年金の認定対象は、主に慢性腎不全です。
慢性腎不全とは、慢性腎疾患によって腎機能が持続的に障害され、体が正常に機能できなくなった状態を指します。
腎疾患は長期にわたって進行し、最終的には腎不全に至る可能性があります。
主な腎疾患には以下が含まれます:
- 慢性腎炎(ネフローゼを含む)
- 腎硬化症
- 嚢胞腎
- 腎盂腎炎
また、全身性疾患による腎障害もあります:
- 糖尿病性腎症
- 膠原病
- 痛風腎
- アミロイドーシス
2.腎疾患の主要症状には以下があります:
- 自覚症状:悪心、嘔吐、疼痛など
- 他覚所見:尿の異常、浮腫、高血圧など
3.腎疾患の診断には、以下の検査が重要です:
- 尿検査:尿中の異常成分の検出
- 血液生化学検査:血清尿素窒素、血清クレアチニン、血清電解質など
- 動脈血ガス分析:酸素と二酸化炭素のバランスを測定
4.慢性腎不全及びネフローゼ症候群での項目及び異常値の一部を示す。
区分 | 検査項目 | 単位 | 軽度異常 | 中等度異常 | 高度異常 |
ア | 内因性クレアチニンクリアランス | ml/分 | 20以上30未満 | 10以上20未満 | 10未満 |
イ | 血清クレアチニン濃度 | mg/dl | 3以上5未満 | 3以上5未満 | 8以上 |
ウ | 1日尿蛋白量 | g/日 | 3.5g以上を持続する | ||
血清アルブミン | g/dl | かつ、3.0g以下 | |||
血清総蛋白 | g/dl | 又は、6.0g以下 |
腎疾患による障害の程度一般状態区分表
一般状態区分表
区分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
6. 腎疾患(人工透析)の障害年金各等級に相当すると認められるものを一部例示
障害の程度 | 障害の状態 |
1級 | 慢性腎不全の検査成績が高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 1.慢性腎不全の検査成績が中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの 2.人工透析療法施行中のもの |
3級 | 1.慢性腎不全の検査成績が軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの 2.慢性腎不全の検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウのいずれかが異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの |
人工透析療法施行中の取り扱い
ア.認定等級
人工透析療法を施行中の方は、原則として2級と認定されます。
ただし、次の要素に基づいて、さらに上位等級に認定されることもあります:
- 主要症状:透析療法中の具体的な症状
- 検査成績:長期透析による検査結果
- 合併症の有無とその程度:透析による合併症の有無とその重症度
- 日常生活状況:日常生活の制限度合い
イ.障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日です。
ただし、初診日から1年6か月を超える場合は、初診日から1年6か月経過後が基準となります。
1.検査成績は変動しやすいため、腎疾患の経過中で最も病状を正確に反映していると思われる検査結果に基づいて認定が行われます。
2.糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎などによって慢性腎不全が生じた場合、病歴が長いものであっても相当因果関係が認められることがあります。
3.腎疾患は多様な原因によって様々な臨床所見や検査所見が見られます。
認定に際しては、以下の要素も参考にして総合的に評価します:
- 合併症の有無とその程度
- その他の一般検査や特殊検査の成績
- 治療経過
- 日常生活状況
4.腎臓移植の取り扱い
腎臓移植を受けた場合、以下の要素を総合的に考慮して認定します:
- 術後症状
- 治療経過
- 検査成績
- 予後
5.障害年金の継続
障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合、臓器が生着し安定的に機能するまでの間、術後1年間は従前の等級が適用されます。
障害等級が3級の場合は、2年間の経過観察が行われます。
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国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第12節 腎疾患による障害
引用元:日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第12節 腎疾患による障害