
障害年金の法定免除は使うべき?
結論から申し上げますと、法定免除は義務ではなく「免除」と「納付」を選択できます。
生活状況や将来の見通しによって、どちらが有利かは一人ひとり異なります。
「免除した方がいいのか?」
「納付を続けた方が得なのか?」
「老齢年金はどれくらい変わるのか?」
このようなお悩みをお持ちの方に向けて解説します。
このページでわかること
- 法定免除の仕組み
- 免除と納付の違い
- 将来の年金への影響
- どちらを選ぶべきかの考え方
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子と申します。
障害年金の経験15年以上。累計相談件数4,079件(令和8年3月末現在)。受給率97.8%です。
簡単ではありますが、動画でもご挨拶しておりますので、よろしければご覧ください。
障害年金2級以上に認定された方が、国民年金の保険料を免除申請するとどうなるのか、そのメリットや注意点をお伝えします。
法定免除は義務ではない。納付と免除のどちらを選ぶべきか?

障害年金1級・2級に認定されると、法律に基づき、届出によって国民年金保険料が全額免除されます。これを「法定免除」と呼びます。
重い障害をお持ちの方の生活を支えるための仕組みです。
以前は自動的に免除されるのが基本でしたが、現在は制度が改正され「法定免除を利用するかどうか、自分で選べる」仕組みになっています。
- 将来の年金額を少しでも増やしたい方 ⇒ あえて免除を使わず保険料を納付
- 今の生活費の負担を軽減したい方 ⇒ 免除を選択
このように、ご自身の状況に応じた判断ができるようになりました。
免除できるのに納付を選ぶ人がいるのはなぜ?|損得を比較
全額免除は一見お得に思えますが、あえて納付を続ける方がいるのは「将来の老齢年金額」に影響するからです。
全額免除された期間は、将来受け取る老齢基礎年金の計算において「満額納付した時の1/2(半分)」として扱われます。保険料を免除する分、将来の老齢年金が少なくなってしまうのです。
そのため、将来障害年金ではなく老齢年金を受け取る可能性がある場合は、納付しておくのも有力な選択肢の一つとなります。
更新・支給停止との関係
特に慎重な判断が必要なのは、将来的に障害の状態が改善する可能性がある場合です。
更新時に障害の等級が3級になったり、支給停止になったりすることも考えられます。その際、原則65歳から老齢年金を受給することになりますが、免除期間があると受給額が少なくなってしまいます。
特に精神疾患などで症状に変動がある場合などは、将来に備えて納めておくという考え方もあります。
納付を継続するメリット・デメリット

「免除」と「あえて納付」の違いをまとめました。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 法定免除 | ・保険料の支払いが不要(月額約1.7万円の負担軽減) | ・将来の老齢基礎年金が減る(全額納付の1/2扱い) |
| あえて納付 | ・将来の老齢基礎年金が満額分増える ・将来、老齢年金に切り替わっても安心 |
・保険料の支払いが必要(経済的負担) ※ずっと障害年金を受給する場合、払った分が反映されず「払い損」になる可能性あり |
納付を選択した場合の注意点
もし「納付」を選択した場合、その後に保険料を納めなかった期間は、自動的に免除にはならず「未納」扱いとなります。
さらに、その未納期間を後から「法定免除」に遡って変更することはできません。
法定免除を受けるか、納付を続けるか、いずれにしても適切な手続きが必要です。障害の程度や経済状態、将来の見通しをよく検討した上で進めましょう。
よくある質問(障害年金と国民年金保険料の法定免除)
障害年金2級以上に認定された場合の国民年金保険料について、よくいただくご質問をまとめました。
障害年金と国民年金保険料の法定免除に関するよくあるご質問
Q. 障害年金を受給すると国民年金保険料は免除されますか?
A. 障害年金1級・2級を受給している場合、国民年金保険料は法定免除の対象になります。
国民年金第1号被保険者の方が、障害基礎年金または障害厚生年金の1級・2級を受けている場合、国民年金保険料の法定免除を受けることができます。
Q. 法定免除になると、将来の老齢年金は減りますか?
A. はい、老齢基礎年金の金額に影響します。
法定免除期間は、老齢基礎年金の計算上、全額納付した場合の2分の1として扱われます。そのため、将来老齢年金を受け取る場合は、納付を続けた場合より金額が少なくなります。
Q. 法定免除ではなく、国民年金保険料を納付し続けることはできますか?
A. はい、納付を続けることもできます。
現在は、法定免除を受けるか、あえて国民年金保険料を納付し続けるかを選択できます。将来の老齢基礎年金を少しでも増やしたい場合は、納付を続ける選択肢もあります。
Q. 納付を選んだ後に払わなかった月はどうなりますか?
A. 未納扱いになるため注意が必要です。
納付を選択した後に保険料を払わなかった期間は、法定免除ではなく未納として扱われます。後からその期間を法定免除に戻すことはできません。
Q. 法定免除と納付のどちらを選べばよいですか?
A. 現在の生活状況と将来の年金の見通しによって判断が変わります。
生活費の負担を減らしたい場合は法定免除が選択肢になります。一方、将来老齢年金を受け取る可能性や、障害年金の等級変更・支給停止の可能性を考える場合は、納付を続ける選択肢もあります。
障害年金の申請や制度の選択は非常に複雑です。当事務所では女性社労士が初回無料相談にて、受給判定や申請のサポートを行っています。お一人で悩まず、お気軽にお問い合わせください。
障害年金の制度について詳しく知りたい方へ
障害年金の更新だけでなく、制度全体について知りたい方は、以下のページもご参照ください。
次に掲げる方は、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出してください。国民年金保険料が免除されます。(2)障害基礎年金ならびに被用者年金の障害年金(2級以上)を受けている方 ⇒認定された日を含む月の前月の保険料から免除となります。
