「障害年金2級以上に認定されると、国民年金の保険料は法定免除(全額免除)されると聞きました。」
「逆に納付を続けることもできると聞きましたが、メリット・デメリットを教えてください。」
このような疑問に、わかりやすくお答えします。
はじめまして。
東京の障害年金専門社労士の但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋で13年以上にわたり、累計3,600件以上の「障害年金申請の相談」に応じてきました。
障害年金2級以上に認定された方が、国民年金の保険料を免除申請するとどうなるのか、メリットやデメリットをお伝えします。
【注意】国民年金は法定免除になりますが、厚生年金加入中(お勤め中)の厚生年金保険料は免除されません。
法定免除は選択制
以前は、障害年金2級以上に認定された場合、強制的に法定免除となりました。
障害年金は、障害の程度によって1級から3級までがあり、1級や2級に認定されると、国民年金の保険料は法定免除(全額免除)されていたのです。
つまり、年金保険料を払わなくても、国民年金を一部納付したとみなしてくれます。
障害の程度が重いと認定された方が、経済的に困らないようにするための制度です。
認定された前月分から、既に納付済みの年金保険料があると返金されました。
もし、あえて自分で払いたい場合、追加で払う(追納)の手続きが必要でした。
しかし、この保険料納付について改正がありました。
現在は、強制的に免除になるわけではなく、選択により法定免除するかどうか自分で選べるようになっています。
免除できるのに何故納付
しかし、なぜ免除できるものを、あえて納付する必要があるのでしょうか?
免除しないことの、メリットやデメリットは何でしょう?
免除すると当たり前ですが、年金保険料を納付する必要がなくなります。
その分、その分将来受け取るかもしれない、老齢基礎年金の額が減ってしまうのです。
保険料を納めなくても、将来老齢年金を受け取ることはできます。
しかし、全額免除期間の老齢年金は全額納付の1/2(つまり、半分)になります。
つまり、将来障害年金ではなく老齢年金を受け取る(可能性のある場合)、納付しておくのも選択肢の一つなのです。
障害年金の受給が無事決まった後、金額はいくらもらえるのでしょうか?
将来も障害年金受給できるのか
将来的に、障害年金の認定基準が変わる可能性もあります。
将来受け取れなくなる可能性もあるのです。
ご自身の障害の程度が治ったり軽くなったりして、更新時に障害年金の等級が3級になったり、支給停止したりすることもありえます。
そのとき、原則65歳から老齢年金を受給することになるのですが、免除をしていた期間分は、その額が少なくなってしまうのです(1/2になる)。
ですから、将来的に障害の程度が変わる可能性があるならば、年金を納めておくという選択肢もありえます(特に精神疾患など)。
ただし、障害の程度が変わらない場合(例:肢体切断など)は、障害年金をもらい続けられるので法定免除の選択で、問題はありません。
支給停止や更新時期忘れ、提出期限切れにくれぐれもご注意ください。「認定時と現在の障害状態を比較」することが重要です!
免除しないメリットとデメリット
それでは、あえて免除しないことによる「メリットとデメリット」をまとめてみましょう。
メリット
将来受け取るかもしれない老齢年金が増える。
※ただし、障害の程度により老齢年金を受け取れない可能性もある。
デメリット
免除になるものを納めるので、経済的負担となる。
納付を選択した場合の注意点
もし、納付を続けることを選択した場合(免除しない場合)、その後保険料を納付しなかった期間は免除にはならず未納となります。
また、その未納となった月の分を、後から法定免除に戻すことはできません。
法定免除を受けるか、納付を続けるか、いずれにしても手続きが必要になります。
障害の程度や経済状態などよくご検討のうえ、お手続きなさってください。
現実的に将来障害が治って(軽くなり)、老齢年金になった場合、免除だと金額が減るため、そのまま納付を続ける方もいらっしゃいます。
障害年金申請はいろいろと複雑な点もあり、女性社労士が初回無料相談で受給判定と申請サポートを行っています。
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障害基礎年金または障害厚生年金(障害等級1級・2級に限る)を受ける方は、国民年金保険料が免除されます(国民年金保険料の法定免除制度)。国民年金第1号被保険者の方は、障害基礎(厚生)年金の年金証書が届きましたら、市区役所または町村役場にご相談ください。
引用元: 障害年金|日本年金機構
次に掲げる方は、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出してください。国民年金保険料が免除されます。(2)障害基礎年金ならびに被用者年金の障害年金(2級以上)を受けている方
⇒認定された日を含む月の前月の保険料から免除となります。