「障害年金で相談が非常に多い精神疾患ですが、主に精神病と神経症があります。」
「それでは神経症は、障害年金の対象となるのでしょうか。」
そのようなご相談に向けて解説致します。
はじめまして。
社会保険労務士の但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、12年以上(累計約3,500件)「精神疾患など障害年金申請のサポート」に携わってまいりました。
神経症と障害年金
精神病(うつ病や統合失調症)は障害年金の対象ですが、以下のような神経症は原則対象外となります。
- パニック障害
- 強迫性障害
- 不安神経症
- 身体表現性障害
- 適応障害等
神経症は一般にそこまで症状が重くないとされ、治癒する可能性があります。
また、障害年金による保障を行うと、本人の治そうという意欲に支障が出ると思われてもいるようです(適切かどうかは別として、実際そうおっしゃるお医者様もいらっしゃいます)。
神経症に罹っている方からすると、納得できない気持ちが強いと思います。
しかし、医師の診断書に、精神病の病態を示していると記載があり、精神病による症状だと判断されれば、障害年金を受給できる可能性もあります。
神経症と診断を受けていらっしゃる場合、ここが鍵となります。申請の前に必ず主治医に確認されて下さい。
神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。
自立神経失調症
自立神経失調症での障害年金の相談も多くあります。
わかりやすく質問事例を紹介します。
Q:2011年春に初めて診療内科に行きましたが、あまり通院しませんでした。
その後体調が悪化し2011年秋から半年間ほど休職しました。サラリーマンです。
2012年3月末で完治したかと思い受診しなくなりました。
その後会社に復帰していましたが、最近仕事や人間関係で体調が悪く病院へ行ったところ「自律神経失調症」と診断されました。
また1か月程度、休職をしようとしています。
障害厚生年金を受給できますか?
神経症の範疇かどうか
A:精神の障害の場合、神経症と言われる傷病のみでは障害年金の認定対象外になってしまいます。
自律神経失調症は「神経症」の範疇です。
「神経症」であっても精神病の症状も出ている等がある場合は認められる場合もありますが、ハードルがかなり高いのが実情です。
ただ会社への診断書には、医師が配慮して下さって「うつ病」とは書かず、「自律神経失調症」や「抑うつ状態」等と書かれることもよくあります。
病名は医師に確認なさったほうがいいと思いますよ。
上のような事情で会社向けの診断書などの場合、実際の病態と違うこともよくあります。
しかし、障害年金は労働や日常生活に制限があり、それが少なくとも1年以上続くような状態の方に支給されるものです。
現実的には1か月の休職で、復帰できるようであれば認定は難しいでしょう。
抑うつ状態と障害年金
Q:10年前から抑うつ状態(うつとパニック障害)と診断され、現在仕事を求職し傷病手当金を支給されながら生活しております。
このようなケースの場合、精神障害者年金の受給は可能なのでしょうか?
A:大切なことなのですが、「抑うつ状態」というのは傷病名ではありませんので、まず主治医に傷病名を確認しましょう。
「うつ病」であれば大丈夫ですが、「神経症」と言われる傷病のみでは認定対象外になってしまいます。
ただし、精神病の症状も出ている場合は認められる場合もあります。
また、仕事や収入に関しても相談を頂きます。
仕事や収入があると精神疾患で障害年金の申請はできないのか にまとめました。
精神疾患の障害年金申請はいろいろと複雑な点もあり、女性社労士が初回受給資格の無料相談と申請サポートしています。
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精神の障害 精神の障害による障害の程度は、次により認定する。