障害年金対象の主な傷病名
障害年金の対象となる傷病名です。
例ですので、一覧にない場合も、障害の状態により対象になります。
| 主な傷病 | |
|---|---|
| 眼の障害 | 白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、 癒着性角膜白斑、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症 など |
| 耳の障害 | メニエール病、感音性難聴、突発性難聴、頭部外傷または音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害 など |
| 鼻腔機能の障害 | 外傷性鼻科疾患 など |
| そしゃく・嚥下機能、 言語機能の障害 | 咽頭摘出術後遺症、上下顎欠損 など |
| 肢体の障害 | 上肢または下肢の離断または切断障害、外傷性運動障害、脳卒中、脳出血、脳梗塞、脳軟化症、重症筋無力症、関節リウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、パーキンソン病 など |
| 精神の障害 | うつ病、そううつ病、統合失調症、若年性認知症、器質性精神障害、知的障害、てんかん、その他詳細不明の精神障害 など |
| 呼吸器の障害 | 肺結核、じん肺、気管支喘息、慢性気管支炎、膿胸、肺線維症など |
| 心疾患による障害 | 弁膜症、心筋疾患、虚血性心疾患、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患、重症心不全、冠状動脈硬化症、狭心症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞 など |
| 高血圧による障害 | 悪性高血圧、高血圧性心疾患、高血圧性腎疾患 など |
| 腎疾患による障害 | 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全、慢性糸球体腎炎 など |
| 肝疾患による障害 | 肝炎、肝硬変、肝癌、多発性肝膿瘍 など |
| 糖尿病による障害 | 糖尿病、糖尿病性と明示された全ての合併症 |
| その他の疾患による障害 | 悪性貧血、再生不良性貧血、悪性新生物(がん) など |
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精神の障害(こころの病)
現在非常に多いのが、いわゆる心の病です。
うつ病(鬱病)、そううつ病(躁鬱病)、統合失調症、認知症、老年性精神病、アルコール精神病、脳動脈硬化症に伴う精神病、頭蓋内感染に伴う精神病、てんかん性精神病、その他原因不明の精神病 など
精神関係も多くのものが対象になります。
神経症の障害の場合
「パニック障害」「強迫性障害」「身体表現性障害」「適応障害」「抑うつ状態」等の病名で神経症と判断されると障害年金の受給は難しくなります。
ただ、医師の書いた診断書と実際の状態により、全体を通じて精神病の病態を示していると判断されれば、障害年金を受給できる可能性があります。
実際の状態と医師の診断書の内容により判断されるケースです。
てんかん(癲癇)の場合
てんかん(癲癇)のお問い合わせも多いのですが、てんかん発作については、障害年金の対象にならないと言われる場合があります。
それは、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合、原則として認定の対象にならないためです。
しかし、てんかん自体が対象にならないという意味ではありません(結局、医師の診断書の内容や症状によるということです)。
(1)てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作などに分類されますが、具体的に出現する臨床症状は多彩です。
また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまで様々です。
さらに、てんかん発作は、その重症度や発作頻度以外に、発作間欠期においても、それに起因する様々な程度の精神神経症状や認知障害などが、稀ならず出現することに留意する必要があります。
(2)各等級等に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりになります。
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の介護が必要なもの |
| 2級 | 十分な治療にかかわらず、十分な治療にか十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
| 3級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの |
(注1)発作のタイプは以下の通り
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
(注2)てんかんは、発作と精神神経症状及び認知障害が相まって出現することに留意が必要です。また、精神神経症状及び認知障害については、「症状性を含む器質性精神障害」に準じて認定することとなります。
(3) てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定されます。
また、抑うつ状態やうつ病の病態を示していて、てんかんと関連がある症状と診断されれば、てんかん性精神障害で障害年金を申請可能な場合があります。
目(眼)の障害
目の障害で障害年金の対象となるものの例です。
白内障、ぶどう膜炎、緑内障、癒着性角膜白斑、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症 黄班変性症など
タグ:年金、目、障害 | カテゴリー:眼・耳・鼻・口の障害 |
眼(目)の障害の障害年金認定基準
眼(目)の障害で障害年金が受給できる基準は以下のとおりです。
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 両眼の矯正視力の和(両目を足す)が0.04以下のもの(視力障害) |
| 2級 | 両眼の矯正視力の和が0.05以上0.08以下のもの(視力障害) |
| 身体の機能の障害が上記と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | |
| 厚生年金3級 | 両眼の矯正視力が0.1以下に減じたもの |
| 障害手当金 | 両眼の矯正視力が0.6以下に減じたもの |
| 一眼の矯正視力が0.1以下に減じたもの | |
| 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの | |
| (視野障害)両眼による視野が1/2以上欠損したもの又は 両眼の視野が10度以内のもの | |
| (両眼の調節機能・輻輳機能障害〉複視や頭痛などの眼精疲労が有り、通常の読書などが続けられない程度のもの |
※障害認定基準の注意点
1、視力障害
(1)屈折異常のあるものについては、矯正視力を測定して、眼科的に最も適正な常用し得る眼鏡・コンタクトレンズによって得られた視力をいう。
(2)視力測定は、万国式試視力表またはそれと同一原理によって作成された試視力表(標準照度200ルクス)によって行なう。
(3)両眼の視力とは、両眼で見た場合の合計視力ではなく、それぞれの視力を別々に測定した数値であり、両眼の視力の和とはそれぞれの測定値を合算したもの
(4)屈折異常があるものであっても、次の場合、裸眼視力によって認定する。
(ア)矯正不能のもの
(イ)矯正により不当像症を生じ、両眼視が困難となることが医学的に認められる場合
(ウ)矯正に耐えられないもの
(5)視力が0.01に満たないものののうち、明暗弁のものと手動弁のものは視力0とし、指数弁のものは0.01として計算する。
2、視野障害
ア 「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、両眼の視野が5度以内のものをいう。
イ 視野は、ゴールドマン視野計及び自動視野計又はこれらに準ずるものを用いて測定する。ゴールドマン視野計を用いる場合、中心視野の測定にはⅠ/2の視標を用い、周辺視野の測定にはⅠ/4の視標を用いる。それ以外の測定方法によるときは、これに相当する視標を用いることとする。
ウ 「両眼の視野が10度以内」又は「両眼の視野が5度以内」とは、それぞれの眼の視野が10度以内又は5度以内のものをいい、求心性視野狭窄の意味である。また、輪状暗点があるものについて中心の残存視野がそれぞれ10度以内又はそれぞれ5度以内のものを含む。
エ 「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」とは、両眼で一点を注視しつつ測定した視野の生理的限界の面積が2分の1以上欠損している場合の意味である。したがって、両眼の高度の不規則性視野狭窄又は半盲性視野欠損等は該当するが、交叉性半盲等では該当しない場合もある。
3、調節機能障害及び輻輳機能障害
「調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの」とは、眼の調節機能及び輻輳機能の障害のため複視、頭痛等の眼精疲労が生じ、読書等が続けられない程度のものをいう。
4、まぶたの欠損障害
「まぶたに著しい欠損を残すもの」とは、普通にまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆い得ない程度のものをいう。
5、視力障害と視野障害が併存する場合には、併合認定の取扱いを行う。
聴覚の障害
耳の障害で障害年金の対象となるものの例です。
突発性難聴、メニエール病、感音性難聴、頭部の外傷や音響による外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害 など
タグ:年金、耳、障害 | カテゴリー:眼・耳・鼻・口の障害 |
鼻腔機能の障害
鼻の障害で障害年金の対象となるものの例です。
外傷性鼻科疾患(鼻の一部・全部欠損による鼻呼吸障害)
そしゃく・嚥下機能・言語機能の障害
喉(のど)や口の障害で障害年金の対象となるものの例です。
咽頭摘出手術後後遺症、上下顎欠損 など
肢体(手や足)の障害
手や足の障害で障害年金の対象となるものの例です。
上肢または下肢の離断や切断、外傷性運動機能障害、脳血管障害による後遺症、重症筋無力症、関節リウマチ、脳軟化症、脊髄損傷、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー など
呼吸器(肺等)の障害
呼吸器の障害で障害年金の対象となるものの例です。
肺結核、じん肺、慢性気管支炎、気管支喘息、膿胸、肺線維症 など
指・上肢の障害の障害年金認定基準
手や腕(上肢)の障害で障害年金の基準となるもは以下のとおりです(指の動きなどはいろいろな例外もありますので、おおむねの目安となります)。
| 1級 | 両上肢の機能に著しい障害を有する場合 例:上肢装具などの補助具を使用しない状態で、さじで食事をする・顔を洗う・用便の処置をする・上衣を着脱(シャツ・ワイシャツのボタンがとめられないなど)するなどの動作を全く行なうことができない程度等のものです。 |
| 両上肢の全ての指を基部から欠き、その有効長が0のもの | |
| 両上肢の全ての指の機能に著しい障害を有する場合 例:指の著しい変形、麻痺による高度の脱力等、指が有ってもそれが無いのと同程度の機能障害があるもの等 |
|
| 2級 | 両上肢の親指を基節骨の基部から欠くもの。 更に人差指又は中指を基節骨の基部から欠き、その有効長が0のもの |
| 両上肢の親指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの 例:両手共、指の間に物を挟むことはできても、一指を他指に対立させて物をつまむことが出来ない程度のもの 著しい障害とは:指の著しい変形、麻痺による高度の脱力、関節の不良肢位強直、瘢痕による指の埋没又は不良肢位拘縮などにより、指が有ってもそれが無いのと同程度の機能障害があるものをいう。 |
|
| 一上肢の機能に著しい障害を有するもの | |
| 一上肢のすべての指を欠くもの | |
| 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの | |
| 厚生年金3級 | 一上肢の三大関節のうち二関節の用を廃したもの 例:関節の自動可動域が健側の自動可動域の1/2以下に制限されたもの、またはこれと同程度の障害を残すもの等です。 たとえば常時固定装具を必要とする程度の動揺関節 |
| 長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの 例: (1)上腕骨に変形を残すもの (2)橈骨と尺骨に変形を残すもの等 |
|
| 一上肢の親指及びひとさし指を失ったもの又は親指若しくはひとさし指を併せ上肢の3指異常を失ったもの等 | |
| 親指とひとさし指を併せ、一上肢の4指の用を廃したもの | |
| 障害手当金 | 一上肢の3大関節のうち一関節に著しい機能障害を残すもの 例:関節の自動可動域が健側の自動可動域の2/3以下に制限されたもの 一上肢の親指を指節間関節以上で欠くもの等 |
| 長管状骨に著しい転位変形を残すもの 例:偽関節を残すが、運動機能に著しい障害はないもの |
|
| 一上肢のひとさし指を失ったもの(近位指節間関節以上で欠くもの) | |
| 一上肢の3指以上の用を廃したもの 例:指の末節骨の長さの1/2以上を欠くもの、または中手指関節又は近位指節間関節(親指の場合は指節間関節)の自動可動域が健側の自動可動域の1/2以下に制限された障害を残すもの等 |
|
| ひとさし指を併せ一上肢の2指の用を廃したもの 例:指の末節骨の長さの1/2以上を欠くもの、または中手指関節又は近位指節間関節(親指の場合は指節間関節)の自動可動域が健側の自動可動域の1/2以下に制限された障害を残すもの等 |
|
| 一上肢の親指の用を廃したもの |
タグ: | カテゴリー:肢体(手・足)の障害 |
心臓の障害
心臓の障害で障害年金の対象となるものの例です。
狭心症、心筋梗塞、慢性心包炎、リウマチ性心包炎、慢性虚血性心疾患、冠状動脈硬化症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症など
タグ:年金、心臓、病、障害 | カテゴリー:体の内側(内科系)の障害 |
腎臓の障害
腎臓の障害で障害年金の対象となるものの例です。
慢性腎不全、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など
腎疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療および病状の経過、人工透析療法の実施状況、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定されます。
腎疾患による障害の認定の対象は、そのほとんどが、慢性腎不全※に対する認定です。
※慢性腎不全とは、慢性腎疾患によって腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に維持できなくなった状態をいう。すべての腎疾患は長期に経過すれば腎不全に陥る可能性を持っている。
腎疾患の主要症状としては、悪心、嘔吐、疼痛等の自覚症状、尿の異常、浮腫、高血圧等の他覚所見がある。
人工透析療法施行中のものは、2級と認定されるが、主要症状および検査数値、および具体的な日常生活等によっては、さらに上位の等級に認定される場合もある。なお、障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3カ月を経過した日(初診日から起算して1年6カ月以内の日に限る)とする。
慢性腎不全およびネフローゼ症候群での検査項目および異常値を一部例示
| 区分 | 検査項目 | 単位 | 軽度重症 | 中等度異常 | 高度異常 |
| ア | 内因性クレアチニン
クリアランス値 |
ml/分 | 20以上30未満 | 10以上20未満 | 10未満 |
| イ | 血清クレアチニン濃度 | mg/dl | 3以上5未満 | 5以上8未満 | 8以上 |
| ウ | ①1日尿蛋白量 | g/日 | 3.5g以上を持続する | ||
| ②血清アルブミン | g/dl | かつ、3.0g以下 | |||
| ③血清総蛋白 | g/dl | 又は、6.0g以下 | |||
(注)ウの場合は、①かつ②又は、①かつ③の状態を以上という。
タグ:年金、腎不全、腎臓、障害 | カテゴリー:体の内側(内科系)の障害 |
肝臓の障害
肝臓の障害で障害年金の対象となるものの例です。
肝硬変、多発性肝腫瘍、肝癌 など
タグ:年金、肝臓、障害 | カテゴリー:体の内側(内科系)の障害 |
糖尿病による障害
糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症
タグ: | カテゴリー:体の内側(内科系)の障害 |
がん等その他の障害
悪性新生物(がん・癌)など、その他生活や労働に制限をうける傷病など
ほとんどすべての傷病が対象となります。
タグ: | カテゴリー:体の内側(内科系)の障害 |
精神の障害の認定基準と要領
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 精神の障害であつて、前各号と同程度以上と認められる程度のもの |
| 2級 | 精神の障害であつて、前各号と同程度以上と認められる程度のも |
| 3級 | 精神に、労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
| 精神に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの | |
| 障害手当金 | 精神に、労働に制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
○精神の障害の程度の判定に当たつては、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級。
○日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級。
○労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを3級。
○労働に制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを、障害手当金に該当するものと認定する。
(認定要領)
精神の障害は、大きくは「統合失調症」「統合失調症型障害及び妄想性障害」「気分障害(感情障害・躁うつ病)」「症状性を含む器質性精神障害」「てんかん」「知的障害(精神遅滞)」に区分されます。
ただし、妄想や幻覚を含む器質症精神障害やてんかんは、上記「統合失調症、統合失調症型障害、妄想性障害及び気分(感情)障害」に準ずる形になります。
呼吸器~呼吸不全
1、呼吸不全は、原因の如何を問わず、動脈血ガス分析値、特に動脈血O2分圧と動脈血CO2分圧が異常値であり、そのため体が正常な機能を営み得なくなった状態をいいます。
呼吸器疾患は、肺結核、じん肺及び呼吸不全に区分します。
呼吸器疾患による障害については、次のとおりです。病態は、主に慢性呼吸不全です。
疾患は、閉塞性換気障害(肺気腫・慢性気管支炎・気管支喘息・等)、拘束性換気障害(間質性肺炎・肺結核後遺症・じん肺等)、心血管系異常、神経・筋疾患、中枢神経系異常等多岐にわたります(肺疾患のみが対象疾患ではありません)。
2、呼吸不全の主要症状としては、咳、痰、喘鳴、胸痛、労作時の息切れ等の自覚症状、チアノーゼ、呼吸促迫、低酸素血症等の他覚所見があります。
3、検査成績としては、動脈血ガス分析値、予測肺活量1秒率及び必要に応じて行う運動負荷肺機能検査等があります。
4、動脈血ガス分析値及び予測肺活量1秒率の異常の程度を参考として示すと次のとおり。なお、動脈血ガス分析値の測定は、安静時に行うものとする。
A表 動脈血ガス分析値
| 区分 | 検査項目 | 単位 | 軽度重症 | 中等度異常 | 高度異常 |
| 1 | 動脈血O2分圧 | Torr | 70~61 | 60~56 | 55以下 |
| 2 | 動脈血CO2分圧 | Torr | 46~50 | 51~59 | 60以上 |
(注)病状判定に際しては、動脈血O2分圧値を重視。
B表 予測肺活量1秒率
| 検査項目 | 単位 | 軽度重症; | 中等度異常 | 高度異常 |
| 予想肺活量 | % | 40~31 | 30~21 | 20以下 |
5、呼吸不全による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりで。
| 区分 | 一般状態 |
| ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
| イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
| ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
| エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
| オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
6、呼吸不全による各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおり。
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 前記4のA表及びB表の検査成績が高度異常を示すもので、かつ一般状態区分表のオに該当するもの |
| 2級 | 前記4のA表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの |
| 3級 (厚生年金のみ) |
前記4のA表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの |
なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。
7、慢性気管支喘息については、症状が安定している時期においての症状の程度、使用する薬剤、酸素療法の有無、検査所見、具体的な日常生活状況などを把握して、総合的に認定する。
8、在宅酸素療法を施行中のものについては、原則として次により取り扱う。
ア.常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定。
なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定。
イ.障害の程度を認定する時期は、在宅酸素療法を開始した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)とする。
9、原発性肺高血圧症や慢性肺血栓塞栓症等の肺血管疾患については、前記4のA表及び認定時の具体的な日常生活状況等によって、総合的に認定する。
10、慢性肺疾患により非代償性の肺性心を生じているものは3級と認定。
なお、治療及び病状の経過、検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
11、慢性肺疾患では、それぞれ個人の順応や代償という現象があり、また他方では、多臓器不全の病状も呈してくることから、呼吸機能検査成績が必ずしも障害の程度を示すものとは言えない。
12、肺疾患に罹患し手術を行い、その後、呼吸不全を生じたものは、肺手術と呼吸不全発生までの期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められる。
呼吸器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績(胸部X線所見、動脈血ガス分析値等)、一般状態、治療及び病状の経過、年齢、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等により総合的に認定します。
以下、大体の目安です。
1級:当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたり安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。
2級:日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
3級:労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。
呼吸器~肺結核
1、肺結核による障害の程度は、病状判定及び機能判定により認定する。
2、肺結核の病状による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績(胸部X線所見、動脈血ガス分析値等)、排菌状態(喀痰等の塗抹、培養検査等)、一般状態、治療及び病状の経過、年齢、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等により総合的に認定されます。
3、病状判定により各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
肺結核による障害については、次のとおりです(例)。
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 認定の時期前6ヶ月以内に常時排菌があり、胸部X線所見が日本結核病学会病型分類(以下「学会分類」という。)のⅠ型(広汎空洞型)又はⅡ型(非広汎空洞型)、Ⅲ型(不安定非空洞型)で病巣の拡がりが3(大)であるもので、かつ長期にわたる高度の安静と常時の介護を必要とするもの |
| 2級 | (1)認定の時期前6月以内に排菌がなく、学会分類のⅠ型若しくはⅡ型又はⅢ型で病巣の拡がりが3(大)であるもので、かつ日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とするもの
(2)認定の時期前6ヶ月以内に排菌があり、学会分類のⅢ型で病巣の拡がりが1(小)又は2(中)であるもので、かつ日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とするもの |
| 3級 (厚生年金のみ) |
1 認定の時期前6ヶ月以内に排菌がなく、学会分類のⅠ型若しくはⅡ型又はⅢ型で、積極的な抗結核薬による化学療法を施行しているもので、かつ労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とするもの
2 認定の時期前6ヶ月以内に排菌があり、学会分類Ⅳ型であるもので、かつ労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とするもの |
4、肺結核に他の結核又は他の疾病が合併している場合、その合併症の軽重、治療法、従来の経過等を勘案した上、具体的な日常生活状況等を考慮するとともに、「障害の程度」及び「認定基準」を踏まえて、総合的に認定します。
5、肺結核及び肺結核後遺症の機能判定による障害の程度は、「呼吸不全」の認定要領によって認定します。
6、加療による胸郭変形は、それ自体は認定の対象となりませんが、肩関節の運動障害を伴う場合、本章「上肢の障害」として、その程度に応じて併合認定の取扱いを行います。
7、「抗結核剤による化学療法を施行しているもの」とは、少なくとも2剤以上の抗結核剤により、積極的な化学療法を施行しているものをいう。
呼吸器~じん肺
1、じん肺による障害の程度は、病状判定及び機能判定により認定します。
2、じん肺の病状による障害の程度は、胸部X線所見、呼吸不全の程度、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等により総合的に認定となります。
じん肺による障害については、次のとおりです(例)。
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 胸部X線所見がじん肺法の分類の第4型であり、大陰影の大きさが1側の肺野の1/3以上のもので、かつ長期にわたる高度の安静と常時の介護を必要とするもの |
| 2級 | 胸部X線所見がじん肺法の分類の第4型であり、大陰影の大きさが1側の肺野の1/3以上のもので、かつ日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とするもの |
| 3級 (厚生年金のみ) |
胸部X線所見がじん肺法の分類の第3型のもので、かつ労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とするもの |
4、じん肺の機能判定による障害の程度は、「C 呼吸不全」の認定要領によって認定する。
精神障害者福祉手帳と障害年金
現在、精神障害者手帳(精神障害者福祉)をもっている場合、障害年金はもらえるかという質問を頂きます。
まず、障害年金の認定は、手帳の等級がそのままイコール(=)になるわけではありません。
障害年金独自の認定基準で審査されます。
診断書の様式がかなり似ているので、精神障害の場合は、手帳と同じ等級になる場合もありますが、全体的に障害年金のほうが、厳しい認定となっています。
また、障害年金は、初診日の証明が必要だったり、その前の期間ちゃんと保険
料を納めてきたか等の要件がありますので、それを確認する必要があります。
タグ:年金、障害、障害者手帳 | カテゴリー:精神障害 精神障害(うつ病等)Q&A |
呼吸器障害の障害認定の目安
呼吸器障害の場合、24時間の在宅酸素療法を行っている場合、目安で3級になります。
また、在宅酸素療法を行っていない場合、動脈血ガス分析値や予測肺活量1秒率といった数値が一定の基準を超えていれば、3級です。
その後の2級、1級については、上記の数値がどれだけ悪化しているかや、通常の日常生活にどの程度影響や制限があるかで等級が決められます。
例えば、医師から自宅療養を指示されて外出もほとんどできなくなった状態が2級の目安であり、外出はできずに、行動自体が(寝たきりにはならなくても)ベッド周辺に限られる状態が1級となります
障害年金の申請で、何かお困りでしょうか
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