ストーマ(人工肛門・人工膀胱)・尿路変更等で、障害年金をもらえる可能性があります!女性社労士が金額や認定基準の無料相談中!受給事例も紹介。
はじめまして。東京で障害年金申請サポートを行っている社労士の但田美奈子と申します。
障害年金申請において、初診とストーマ(人工肛門・人工膀胱)・尿路変更等との因果関係を、根拠をもって証明していけるかどうかという点が大事です。
それでは、どうすればストーマ(人工肛門・人工膀胱)、尿路変更等で障害年金を受給できるのでしょうか

?受給事例、金額、認定基準の順にお話します。
- 受給事例
- いくらもらえるのか(金額)
- 受給資格(認定基準)
この記事の目次
ストーマの障害年金受給例
まずストーマの障害年金受給事例、そのあと認定基準(受給資格)を解説します。最後に相談の多いクローン病も記載しました。
ストーマ(大腸癌)で障害厚生年金3級受給
- 相談者 40代男性 東京都世田谷区
- 傷病 大腸癌(人工肛門装着)
- 認定 障害厚生年金3級
- 年金額 約60万円受給
大腸癌手術後に人工肛門装着となられました。
初診は厚生年金加入中で潰瘍性大腸炎のためでしたが、大腸ガン発病は国民年金加入中で初診から十数年後のことです。
今回、無事厚生年金で認められました。よかったです!現在も元気にお仕事されています。
初診日とストーマ装着との因果関係など考えさせられる事例でした。
こういう形でも、潰瘍性大腸炎の初診日とストーマ装着との因果関係が証明できないと障害厚生年金は否定されて障害基礎年金になることもありえます。
人工透析なども同じなのですが、発病してから長い時間が経ち障害年金の認定基準にあたることがあるからです。

ストーマ(人工肛門)を設置された場合、厚生年金3級に認定される可能性がありますが、初診との関係など複雑な点もあります。
ストーマ(潰瘍性大腸炎)で障害厚生年金3級受給(遡及請求5年)
- 相談者 50代男性 茨城県潮来市
- 傷病 潰瘍性大腸炎(尿路変更)
- 認定 障害基礎年金2級 遡及請求5年
- 年金額 約80万円 遡及400万円受給
潰瘍性大腸炎でストーマ(人工肛門)造設、その後すぐに尿路変更。障害基礎年金2級に認定されました。
時効分はありますが、5年遡及決定です。実は、最初は他の社労士に頼んでいらしたようです。
しかし、なかなか事が進まず契約を解除された後、茨城県からご相談に来ていただき当事務所にご依頼頂きました。
東京駅まで高速バスでくると2時間かからないそうです。東京駅にバスが付くということで、そのままご相談にきて頂きました。当事務所は東京駅から徒歩でも15分くらいです。
年金証書が届いたとのこと。は、早っ!とびっくりしました。

お会いするのは、当初の一回だけであとはメールやお電話、FAX等ですすめていく形で大丈夫です。
ストーマと障害年金の等級
様々な病気や障害などが原因で、腹壁に造られた便や尿の排泄口のことをストーマ(人工肛門・人工膀胱)といい、手術を受けられた方をオストメイトと呼びます。

ストーマ(人工肛門・人工膀胱)は大きく分けて3種類ありますが、障害年金の対象となる可能性があります。
- 便が排泄される消化管ストーマであるコロストミー(小腸ストーマ)・イレオストミー(結腸ストーマ)
- 尿が排泄される尿路ストーマであるウロストミー
- 消化管ストーマと尿路ストーマの両方を造設するダブルストーマ
日本では約18万人がオストメイトであると推計されています。
ストーマ(人工肛門)は様々な病気の治療の一環として造られますが、直腸や肛門がん等の治療で肛門を切除してしまう場合につくられる人工肛門を永久的人工肛門といいます。
治療のため一時的に行う人口肛門は、障害年金の対象とはなりません。
また、人工膀胱も回腸導管・尿管皮膚瘻・膀胱肉腫・膀胱腫瘍などの病気にかかった場合、治療の一環としてつくられます。
ストーマ(人工肛門・人工膀胱)の造設は、原則として障害年金の3級に該当しますが、ストーマのほかに障害があると2級に該当する可能性も出てきます。
3級は厚生年金(共済年金)しかありませんので、初診日が国民年金の場合該当しません。
病気によって、人工肛門に加え以下のような新膀胱や尿路変更などの複数の手術を行う必要がありますので、その場合2級になる可能性もございます。
- 人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設したもの又は尿路変更術を施したもの
- 人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする)状態にあるもの
なお、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)は全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等により総合的に判断し、さらに上位等級の年金に認定するとあります。
ストーマの障害年金受給資格
受給資格を得るために以下の3つが大切になります。
- 初診日
- 保険料納付要件
- 認定基準
障害認定日と例外規定
障害認定日は、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)又は尿路変更術を施した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)が以下のように細かく規定されまました。
障害の程度を認定する時期は、次により取り扱います。
人工肛門を造設し又は尿路変更術を施した場合はそれらを行った日から起算して6月を経過した日とし、新膀胱を造設した場合はその日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とする。
なお、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)の障害程度を認定する時期 は、次により取り扱うという例外もあります。初診日から起算して 1年6月を超える場合を除きます。
- 人工肛門を造設し、かつ新膀胱を造設した場合は、人工肛門を造設した日から起算して6月を経過した日又は新 膀胱を造設した日のいずれか遅い日とする。
- 人工肛門を造設し、かつ尿路変更術を施した場合は、それらを行った日のいずれか遅い日から起算して6月を経 過した日とする。
- 人工肛門を造設し、かつ完全排尿障害状態にある場合、人工肛門を造設した日又は完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から起算して6月を経過した日とする。
ストーマでもらえる年金額
ストーマで受給できる年金額は、いくらになるのでしょうか?
ストーマの年金額は子供や配偶者加算もあり、年金生活者支援給付金も支給されます。
障害年金のもらえる金額にまとめました。
ストーマの障害年金認定基準
※以下日本年金機構のストーマ(人工肛門・人工膀胱)認定基準をわかりやすく加筆・修正。
続いてストーマの障害年金認定基準です。
受給資格を得るために大切なことは、ストーマの障害年金認定基準に該当するかどうかを十分に理解することです。
障害
等級 |
障害の状態 |
---|---|
1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に労働が制限を受けるか、又は制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
- 障害の程度は、次表の一般状態区分表のオに該当するものは1級に。
- 同表のエ又はウに該当するものは2級に。
- 同表のウ又はイに該当するものは3級におおむね相当するので、認定に当たっては参考とする。
区分 | 一般状態 |
---|---|
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。例えば軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
クローン病と障害年金
ストーマとは少し違いますが、クローン病で障害年金が受給できるかどうか相談を頂きました。
Q:下痢、体重減、発熱で苦しみ病院をいくつか転々としましたが原因がわからず、大学病院の内科を紹介されてクローン病と診断されました。
約3ヶ月の入院、投薬にて社会復帰できるようになりましたが、その後も大量下血等で入退院を繰り返し、現在に至っております(月一度、同病院にて通院加療中)。このような状態で障害年金の受給はできますでしょうか?

さぞや、日常生活がお辛いと存じます。
クローン病は、症状が一度落ち着いても再発を繰り返しながら徐々に病気は進行していく場合が多いので、クローン病など難病の障害等級の認定に当たっては、日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に判定するとされています。
日常生活能力の判定とは上記で述べたようなものですので、ご参考下さい。
また、日常生活で困っていること、介助が必要ならその内容、働いている場合はどういう仕事をしているのかなど総合的に判断されます。
もちろん、最初にお医者さんにかかった初診日とそれ以前の年金の納付状況が、条件に合わなくてはなりません。
ストーマ(人工肛門・人工膀胱)の障害年金申請は、いろいろと複雑な点もあり、女性社労士が初回無料相談中です。

メールやお電話で問合せ下さい。


こその他の疾患による障害の程度は、次により認定する。
引用元: 日本年金機構国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第18節/その他の疾患による障害