感音性難聴で障害年金を申請するポイント|認定基準・診断書の注意点

感音性難聴で障害年金を申請するポイント|認定基準・診断書の注意点

感音性難聴で障害年金を申請するために大切なこと

感音性難聴で障害年金を申請するときは、聴力検査の数値と語音明瞭度、初診日の整理が重要です

感音性難聴は、純音聴力レベル値と語音明瞭度をもとに、障害年金の認定基準に該当するか判断されます。

ただし、病名だけで受給可否が決まるわけではありません。初診日、保険料納付要件、障害認定日、診断書の内容、検査結果の記載を整理して申請することが大切です。

このページでは、感音性難聴で障害年金を申請するためのポイントと認定基準を解説します。

「感音性難聴で障害年金は難しいと聞いたが、自分はもらえるのか知りたい」

「聴力や語音明瞭度の基準を知りたい」

「診断書や検査で注意することを知りたい」

このようなお悩みをお持ちの方に向けて、専門家の視点からわかりやすく解説します。

このページでわかること

  • 感音性難聴で障害年金を申請するときのポイント
  • 障害年金を受給するための3つの要件
  • 初診日と保険料納付要件の考え方
  • 聴力レベルと語音明瞭度の認定基準
  • ABRなど他覚的聴力検査が必要になるケース
  • 診断書を取得するときの注意点

感音性難聴でも、適切に準備すれば障害年金を受給できる可能性があります。

なお、感音性難聴の受給例や金額の全体像については、感音性難聴で障害年金は難しい?で詳しく解説しています。

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執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
感音性難聴をはじめ、聴覚障害の障害年金のご相談にも対応してまいりました。

感音性難聴の申請ポイント

感音性難聴は、主に次の2つの検査結果で審査されます。

  • 純音聴力レベル値
  • 語音明瞭度

また、聴力レベルが100dB以上との診断を行う場合は、聴性脳幹反応検査(ABR)等の検査を実施する必要があります。

聴性脳幹反応検査(ABR)は、聴覚神経系を刺激して得られる電位を頭皮上で記録する検査です。

感音性難聴は、補聴器などの補助器具や装置を使わない状態で測定を行うこととされています。

しかし、補助器具を使用したまま測定され、診断書の取り直しが必要になったケースもあります。

検査方法や診断書の記載内容を確認し、ポイントを押さえて申請を進めることが大切です。

障害年金を受給できる条件

感音性難聴の障害年金の受給資格

感音性難聴で障害年金を申請するためには、次の3つの要件が重要です。

  1. 初診日:いつ初めて医療機関を受診したか
  2. 保険料納付要件:保険料を納めていたか
  3. 認定基準:聴力レベルや語音明瞭度が基準に該当しているか

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「感音性難聴の認定基準」に該当すれば、障害年金を受給できる可能性があります。

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。

初診日の確認

感音性難聴では、いつから聞こえづらくなったのか、いつ初めて耳鼻科などを受診したのかが重要です。

突発性難聴やメニエール病など、症状の出方によって初診日の整理が問題になることがあります。

保険料納付要件

障害年金を請求するためには、初診日の前日時点で保険料納付要件を満たしている必要があります。

未納期間がある場合でも、免除期間、学生期間、第3号被保険者期間などを確認することで要件を満たす場合があります。

感音性難聴の認定基準

感音性難聴の障害年金の認定基準

感音性難聴で障害年金を受給できるかどうかは、聴覚の障害年金認定基準に該当するかで判断されます。

感音性難聴などの病名そのものよりも、聴力検査の結果が重要です。

感音性難聴における障害年金の認定基準は複雑なため、事前に確認しておくことをおすすめします。

聴覚障害の認定基準の目安

程度 感音性難聴の状態
1級 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
2級

次のいずれかに該当するもの

  • 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  • 両耳の聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が30%以下のもの
3級

次のいずれかに該当するもの

  • 両耳の聴力レベル値が70デシベル以上のもの
  • 両耳の聴力レベル値が50デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が50%以下のもの
障害手当金 一耳の聴力レベル値が80デシベル以上で、症状が固定しているもの

※一耳だけでみると聴力レベルが80dB以上で症状が固定していても、両耳が同一傷病である場合、もう一方の耳の症状が固定していなければ、症状が固定していないと判断されることがあります。

純音聴力レベル値と語音明瞭度

感音性難聴は、純音聴力レベル値と語音明瞭度によって認定されます。

ただし、純音聴力レベル値が90デシベル以上の場合は、最良語音明瞭度の評価が不要とされています。

聴力レベルは、オージオメータによって測定します。

1級に該当する場合はABRなどの検査が必要です

障害年金を受給していない方について、1級に該当する診断を行う場合、オージオメータによる検査に加えて、聴性脳幹反応検査(ABR)等の他覚的聴力検査又はそれに相当する検査を実施する必要があります。

また、その結果、実施した検査方法、検査所見を診断書に記載し、記録データのコピー等を提出します。

平均純音聴力レベル値の計算

聴力レベルのデシベル値は、話声域の周波数500Hz、1000Hz、2000Hzにおける純音の各デシベル値をa、b、cとすると、次の式により算出します。

平均純音聴力レベル値=(a+2b+c)÷4

なお、これが境界値に近い場合は、周波数4000Hzの音に対する純音聴力レベル値をdとして、次の式による値を参考とします。

(a+2b+2c+d)÷6

最良語音明瞭度の算出

最良語音明瞭度は、語音明瞭度の最も高い値を用います。

検査は、録音機又はマイク付オージオメータにより、通常の会話の強さで発声し、オージオメータの音量を調整して最も適した状態で行います。

語音聴力表は、「57-S式語表」又は「67-S式語表」とされています。

語音明瞭度は、次の式により算出します。

語音明瞭度=(正答語音数÷検査語数)×100(%)

診断書を取得するときの注意点

補聴器などを装用した状態で測定されていないか、聴力レベルや語音明瞭度が正しく記載されているか、ABRなどの検査が必要なケースでは検査結果が添付されているかを確認しましょう。

検査については、必ず事前に主治医と確認してください。

よくあるご質問

Q. 感音性難聴で障害年金を申請するとき、何が一番重要ですか?

初診日、保険料納付要件、聴力レベルや語音明瞭度が認定基準に該当するかが重要です。特に診断書に検査結果が正しく記載されているかを確認する必要があります。

Q. 感音性難聴は補聴器をつけた状態で検査しますか?

感音性難聴は、原則として補聴器などの補助器具や装置を使わない状態で測定します。補助器具を使用したまま測定されている場合は、診断書の内容確認が必要です。

Q. 聴性脳幹反応検査(ABR)は必ず必要ですか?

すべてのケースで必要なわけではありません。ただし、障害年金を受給していない方について、1級に該当する診断を行う場合は、ABRなどの他覚的聴力検査が必要とされています。

Q. 感音性難聴で3級に該当することはありますか?

初診日に厚生年金に加入しており、両耳の聴力レベル値や最良語音明瞭度が3級の基準に該当する場合は、障害厚生年金3級に認定される可能性があります。

Q. 片耳だけの難聴でも障害年金の対象になりますか?

片耳の聴力障害は、障害手当金の対象となる可能性があります。ただし、症状固定や初診日、厚生年金加入の有無など、個別の確認が必要です。

感音性難聴で障害年金を検討中の方へ

感音性難聴の障害年金申請では、初診日、聴力検査の結果、語音明瞭度、診断書の記載内容など、確認すべき点が多くあります。

ご自身で判断が難しい場合は、まずは無料相談をご利用ください。

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参考資料

感音難聴:加齢性難聴や突発性難聴

聴性脳幹反応(ABR)とは

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第2節 聴覚の障害

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