感音性難聴で障害年金の申請を!女性社労士が障害年金の金額や認定基準、受給事例を紹介。受給資格の無料相談中!
はじめまして。東京で感音性難聴の障害年金申請サポートを行っている社労士の但田美奈子と申します。
感音性難聴は、周囲に分かり辛く(理解されにくく)、毎日の生活が本当に不自由なうえ、不安で大変だと思います。
どうすれば感音性難聴で障害年金を受給できるのでしょうか?受給事例、金額、認定基準の順にお話します。
- 受給事例
- いくらもらえるのか(金額)
- 受給資格(認定基準)
感音性難聴で障害年金の受給事例
感音性難聴で障害年金を申請した事例をいくつか紹介いたします。いろいろなケースがありますので、ご参考にしてください。
感音性難聴で障害基礎年金1級受給
- 相談者 女性 東京都杉並区
- 傷病 感音性難聴
- 認定 障害基礎年金1級
- 年金額 約100万円受給
中学生頃に受診歴がありますが、感音性難聴は治療法もないご病気の為、その後10年近く受診はされていませんでした。
ご本人は厚生年金での認定を強くお望みでしたが、子供の頃から症状がおありでしたので、長く受診されていないとしても、感音性難聴厚生年金は認められない可能性が高いことをご説明。
その場合でも、最低限基礎年金は受給できるよう準備をし、感音性難聴で障害厚生年金の申請をしたのが、平成25年12月でした。
審査途中で照会が3回あり(想定内)、厚生年金での認定は認められず、障害基礎年金(20歳前傷病)で1級に認定となりました。

最初から障害基礎年金で請求をすれば、すぐに決定となったでしょう。でも、ご本人は「もしかしたら厚生年金になったのでは。」と心にひっかかったままになります。やるだけやっての結果です。
感音性難聴で障害基礎年金1級受給
- 相談者 女性 東京板橋区
- 傷病 感音性難聴
- 認定 障害基礎年金1級
- 年金額 約100万円受給
今回、感音性難聴で、無事に障害基礎年金1級を決定しました。ご相談をお受けしてから、申請するまでにご本人の体調がおもわしくなく、診断書の為の受診まで少し時間がかかりました。これは、よくあることなのです。
特に精神疾患のご依頼者ですと、一年がかりになる場合もあります。あせらずお待ちします。
子供の頃からの障害でしたので、感音性難聴による20歳前の傷病で障害基礎年金請求となります。基礎年金のため2級に該当する必要があります。
認定日である20歳頃は、感音性難聴の障害者手帳の更新の状況からみて、2級には該当していなかったので事後重症で申請しました。

つまり、感音性難聴が後で重くなった状態ということです。申請から決定通知が届くまではすんなりでした。
両側高度感音性難聴で障害基礎年金1級受給(遡及請求5年)
- 相談者 女性 東京墨田区
- 傷病 両側高度感音性難聴
- 認定 障害基礎年金1級 遡及請求5年
- 年金額 約100万円 遡及500万円受給
両側高度感音性難聴で遡及請求をさせて頂いたご依頼者さまです。
ご依頼時に既に65歳でしたので、感音性難聴の事後重症ではなく障害認定日時点(診断書が平成8年で20年近く前のものです)の診断書を提出し、遡及請求5年が認められました!
両側高度感音性難聴で請求してから決定まで、わずか41日。障害基礎年金1級遡及5年が認定されました!
65歳になると老齢年金が支給されます。今回、65歳になる前、すでに両側高度感音性難聴の障害状態にあったのでそこから認めて欲しいという請求をする形です。
老齢年金と障害年金は併給できませんし、65歳以上は基本的に老齢年金の受給となるのですが(選択となります)、初診日や病歴等によりその前の部分は認められることもあります。
両側高度感音性難聴で65歳までに受給できる状態にあったわけですから、その分はもらわないと凄く損をしてしまいます。

ちなみに、障害年金は税金がかかりません。老齢年金はそれまでの給与や、納めてきた年数により金額が変わりますので(老齢厚生年金の場合)、結局どちらの金額が多いかということで、選択する形になります。
感音性難聴は子供の頃から
感音性難聴で障害年金申請を考えていらっしゃる、若いママのご相談もありました。
子供の頃から耳が不自由とのことで、感音性難聴の障害基礎年金(20歳前傷病)の請求となります。
相談をお伺いすると子供の頃からの障害という方がかなりいらっしゃいます。
障害基礎年金は2級からしかありませんので、感音性難聴が2級の受給資格に該当するかどうかの判断になります。
感音性難聴に限らず耳の障害(聴覚・聴力)は、数値で判断されます。
感音性難聴(聴覚の障害)の受給資格は、勿論まったく音や声が聞こえないのは対象ですが、感音性難聴のように、その声や音が聞き取れないという場合も含まれます。両耳でどの程度聞き取れるかの数値によって判断されます。
感音性難聴でもらえる年金額
感音性難聴で受給できる年金額は、いくらになるのでしょうか?
感音性難聴の年金額は子供や配偶者加算もあり、年金生活者支援給付金も支給されるため、障害基礎年金・障害厚生年金で受給できる年金額にまとめました。
感音性難聴の障害年金受給資格
※日本年金機構、感音性難聴(聴覚障害)の認定基準を元にわかりやすく加筆・修正
続いて感音性難聴の障害年金認定基準です。
受給資格を得るために以下の3つが大切になります。
- 初診日
- 保険料納付要件
- 認定基準
大切なことは感音性難聴の障害年金認定基準に該当するかどうかを十分に理解することです。
感音性難聴などの病名よりも聴力などいろいろな観点からの判断となります。
感音性難聴の受給資格
感音性難聴における障害年金の受給資格は以下になります。
程度 | 感音性難聴の状態 |
1級 | 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの |
2級 | 次のいずれかに該当するもの 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの両耳の聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が30%以下のもの |
3級 | 次のいずれかに該当するもの 両耳の聴力レベル値が70デシベル以上のもの両耳の聴力レベル値が50デシベル以上でかつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの |
手当金 | 一耳の聴力レベル値が80デジベル以上のもので症状が固定しているもの(症状が固定していなければ3級) |
※一耳だけでみると症状が80db以上で固定していても、両耳が同一傷病である場合、もう一方の耳の症状が固定していないのであれば、症状が固定してないとされます。
1.純音聴力レベル値と語音明瞭度によって認定(純音聴力レベル値が90デシベル以上の場合に限り、最良語音明瞭度の評価が不要)。
2.聴力レベルはオージオメータによる測定。
ただし、感音性難聴の障害年金を受給していない者に対し、1級に該当する診断を行う場合オージオメータによる検査に加えて、聴性脳幹反応検査等の他党的聴力検査又はそれに相当する検査を実施。
また、その結果(実施した検査方法及び検査所見)を診断書に記載し、記録データのコピー等を提出(添付)。
3.聴力レベルのデシベル値は、話声域すなわち周波数500、1000、2000ヘルツにおける純音の各デジベル値をa,b,cとするとき、次の式により算出。
平均鈍音聴力レベル値=(a+2b+c)÷4
なお、これが境界値に近い場合は、周波数4000ヘルツの音に対する純音聴力レベル値をdとして、次の式による値を参考とする(a+2b+2c+d)÷6
4.最良語音明瞭度の算出は次のように行う。
検査は、録音機またはマイク付オージオメータ(JIS規格又はこれに準ずる標準オージオメータ)により、通常の会話の強さで発生し、オージオメータの音量を適当に強めたり、弱めたりして最も適した状態で行う。
検査後は、語音弁別能力測定用語音集により、2~3秒に1語の割合で発生し、語音明瞭度を検査する。語音聴力表は、「57s式語表」または「67s式語表」とする。
語音明瞭度は、次の式により算出し、語音明瞭度の最も高い値を最良語音明瞭度(語音弁別能)とする(正答語音数÷検査語数)×100(%)。
5.感音性難聴の障害年金を受給していない者の障害の状態が 1級に該当する場合 は、オージオメータによる検査結果のほか、聴性脳幹反応検査等の他党的聴力検査又はそれに相当する検査結果を把握して、総合的に認定。

感音性難聴は補助器具や装置を使わない状態で測定を行うこととされています。しかし、補助器具を使用したまま測定し、診断書を取り直したこともありました。必ず事前に医師とご確認下さい。
感音性難聴の障害年金申請は、いろいろと複雑な点もあり、女性社労士が初回無料相談中です。メールやお電話で問合せ下さい。
聴覚の障害 聴覚の障害による障害の程度は、次により認定する。認定基準 聴覚の障害については、次のとおりである。
引用元:日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第2節 聴覚の障害