「感音性難聴で障害年金は難しいと聞くが、私はもらえるのか」
「実際に受給した例を知りたい」
「もらえる金額はどのくらいだろう」
このようなことでお悩みでしょうか?
感音性難聴で障害年金をもらい忘れていませんか?
年間最低60万円以上の受給が可能です。
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、13年以上にわたり累計約3,600件の「感音性難聴など障害年金の無料相談から申請サポート」に携わってまいりました。
ポイントを押さえて、スムーズに申請を進めましょう。
感音性難聴は以下の両方で審査されます。
- 純音の聴力レベル値(純音聴力レベル値)
- 語音の聴力検査値(語音明瞭度)
感音性難聴で障害年金をもらうために、具体的にどうすればいいのでしょうか?
以下の順でお話します。
- 受給事例
- もらえる金額
- 受給資格
- 認定基準
感音性難聴の受給例
実際に感音性難聴で障害年金を受給した例をご紹介します。
いろいろなケースがございますので、ご参考ください。
障害基礎年金1級-100万円
認定 | 障害基礎年金1級 20歳前傷病 |
相談者 | 女性 東京都杉並区 |
傷病 | 感音性難聴 |
金額 | 約100万円 |
中学生の頃に感音性難聴と診断された方がいらっしゃいましたが、治療法がないため、その後約10年間は医師の診察を受けていませんでした。
ご本人は、厚生年金での認定を強く希望していましたが、感音性難聴の症状は子供の頃からありました。
このため、長期間受診していないことも考慮し、感音性難聴で厚生年金が認められる可能性は低いことを説明。
しかし、最低限基礎年金の受給を目指しながらも、感音性難聴で障害厚生年金の申請を行いました。
審査の過程で3回の照会がありましたが、これは想定内のことでした。
結果として、厚生年金での認定は認められず、障害基礎年金(20歳前傷病)で1級に認定されました。
最初から障害基礎年金で請求していれば、もっと早く決定が下りたかもしれません。
それでも、ご本人にとっては「もしかしたら厚生年金で認定されたのでは」と心に引っかかりが残るかもしれません。
しかし、やるだけのことはやった結果として、障害基礎年金が認定されたことは、一定の成果といえるでしょう。
障害基礎年金1級-100万円
認定 | 障害基礎年金1級 事後重症請求 |
相談者 | 女性 東京板橋区 |
傷病 | 感音性難聴 |
金額 | 約100万円 |
ご相談者様の体調が優れず、診断書の取得までに少し時間がかかりました。
これはよくあることで、特に精神疾患のご依頼者様の場合、1年がかりになることもあります。
しかし、焦らずゆっくりと対応していくことが大切です。
今回は、子供の頃からの障害である感音性難聴による「20歳前の傷病で障害基礎年金の請求」を行いました。
障害基礎年金の請求には2級に該当することが必要ですが、認定日である20歳頃には、障害者手帳の更新状況から見て2級には該当していませんでした。
そのため、事後重症として申請しました。
つまり、感音性難聴が後で重くなったことを理由に申請を行い、最終的に無事に障害基礎年金1級に認定されました。
申請から決定通知が届くまでは、スムーズに進みました。
このように、時間がかかる場合もありますが、適切な対応をすることで確実に結果を得ることができます。
障害基礎年金1級-500万円
認定 | 障害基礎年金1級 遡及請求5年 |
相談者 | 女性 東京墨田区 |
傷病 | 両側高度感音性難聴 |
金額 | 約100万円 遡及請求500万円 |
ご依頼者様がご相談にいらっしゃった時点で、すでに65歳を迎えていました。
そのため、事後重症としての申請は行わず、障害認定日時点の診断書(平成8年のもので、約20年前のもの)を提出しました。
両側高度感音性難聴に基づく請求から、決定までわずか41日という短期間で進み、障害基礎年金1級の認定が下りました。
また、無事に遡及請求も認められ、過去5年間分の年金も受給できることになりました。
65歳になると老齢年金の支給が開始されますが、65歳になる前からすでに両側高度感音性難聴の障害状態にあったため、その期間についての請求が可能でした。
老齢年金と障害年金は併給できないため、どちらかを選択することになります。
しかし、初診日や病歴に基づき、65歳前の障害状態が認められた場合、その期間分の障害年金を受給できることがあります。
特に両側高度感音性難聴のようなケースでは、65歳までに受給可能な状態にあった分を受け取らないと大きな損失になります。
年金の額は、これまでの給与や納付年数に応じて異なりますので、最終的には、どちらの金額が多いかで選択することになります。
ちなみに、障害年金は税金がかかりません。
障害基礎年金2級(20歳前傷病の請求)
若いお母様からのご相談もありました。
お話を伺うと、子供の頃から耳が不自由であった方がかなりいらっしゃいます。
今回のケースでも、子供の頃から耳に障害を抱えていた方が、感音性難聴の障害基礎年金(20歳前傷病)の請求。
障害基礎年金は2級以上でしか支給されません。
そのため、まずは2級の認定基準に該当するかどうかが重要になります。
耳の障害、特に聴覚障害は、感音性難聴に限らず、数値に基づいて判断されます。
感音性難聴の場合、全く音や声が聞こえない場合はもちろん対象となりますが、音や声が聞こえても、それを正確に聞き取れない場合も障害に該当します。
両耳でどの程度聞き取れるか、その数値によって認定が決まります。
感音性難聴で障害年金の金額はいくら?
感音性難聴で障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?
実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。
そこで、感音性難聴で受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。
- 基礎::1級と2級
- 厚生::1級、2級、3級
このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。
もらえる金額もこれに伴って説明していきます。
また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討下さい。
感音性難聴の障害基礎年金額
感音性難聴で、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。
障害基礎年金の等級 | 金額 |
1級 | 1,020,000円/年 +子の加算 |
2級 | 816,000円/年 +子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
この金額を6等分して偶数月に受け取ることになります。
初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。
※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。
子の加算
18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。
一般的には高校卒業までということです
子の人数 | 金額 |
1人目/2人目 | 1人につき 234,800円 |
3人目以降 | 1人につき 78,300円 |
感音性難聴の障害厚生年金額
感音性難聴で、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、基礎年金に厚生年金が加算されます。
3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。
金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。
例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。
障害厚生年金 | 金額 |
1級 | 報酬比例額加算×1.25 + 配偶者加給年金 |
2級 | 報酬比例額加算×1.0 + 配偶者加給年金 |
3級 | 612,000円/年 金額は一律 |
報酬比例部分に300月みなしあり
報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。
例えば、会社に入社後、それほどたたずして感音性難聴になり障害年金の受給を開始した場合など。
最低25年は年金を納付したものとして、ある程度の額の厚生年金が受給できるようになっています。
また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。
年金制度自体は批判も多いのですが、なかなか手厚くなっています。
計算の基礎となるのは、障害認定日までに納付したものまでです。
配偶者加給年金
感音性難聴で、1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。
よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。
その場合、配偶者である夫についても加給年金※が支給されます。
※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。
障害等級 | 金額 |
1級・2級 (3級はなし) |
234,800円 |
年金生活者支援給付金
感音性難聴の障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。
年金生活者支援給付金は、基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。
金額は毎年変動します。
等級 | 金額 |
1級 | 月6,638円 |
2級 | 月5,310円 |
感音性難聴の時効と遡及請求
残念ながら感音性難聴での請求には時効があります。
申請しなければ、過去のものは最大5年間で消滅してしまいます。
もし遡って請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。
これを遡及請求といいます。
以上、感音性難聴でもらえる金額の詳細は下記にまとめました。
感音性難聴の障害年金でもらえる金額はいくら?に概要をまとめました。
受給資格
感音性難聴で障害年金を申請するために、絶対にはずせない3つの要件があります。
初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「感音性難聴の認定基準に該当」すれば、受給できます。
障害認定日は初診日から1年6か月経過したところになります。
認定基準
感音性難聴で障害年金の受給資格を得るために大切なことは「感音性難聴の障害年金認定基準」に該当するかどうかを、十分に理解することです。
※以下:日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第2節 聴覚の障害をもとにわかりやすく加筆・修正
感音性難聴などの病名よりも、聴力の判断となります。
感音性難聴における障害年金の認定基準は以下になりますが、かなり複雑です。
必ず事前にご相談下さい。
程度 | 感音性難聴の状態 |
1級 | 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの |
2級 | 次のいずれかに該当するもの 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの両耳の聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が30%以下のもの |
3級 | 次のいずれかに該当するもの 両耳の聴力レベル値が70デシベル以上のもの両耳の聴力レベル値が50デシベル以上でかつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの |
手当金 | 一耳の聴力レベル値が80デジベル以上のもので症状が固定しているもの(症状が固定していなければ3級) |
※一耳だけでみると症状が80db以上で固定していても、両耳が同一傷病である場合、もう一方の耳の症状が固定していないのであれば、症状が固定してないとされます。
1.純音聴力レベル値と語音明瞭度によって認定(純音聴力レベル値が90デシベル以上の場合に限り、最良語音明瞭度の評価が不要)。
2.聴力レベルはオージオメータによる測定。
ただし、感音性難聴の障害年金を受給していない者に対し、1級に該当する診断を行う場合
オージオメータによる検査に加えて、聴性脳幹反応検査等の他党的聴力検査又はそれに相当する検査を実施。
また、その結果(実施した検査方法及び検査所見)を診断書に記載し、記録データのコピー等を提出。
3.聴力レベルのデシベル値は、話声域
周波数500、1000、2000ヘルツにおける純音の各デジベル値をa,b,cとするとき、次の式により算出。
平均鈍音聴力レベル値=(a+2b+c)/4
なお、これが境界値に近い場合は、周波数4000ヘルツの音に対する純音聴力レベル値をdとして、次の式による値を参考とする。
(a+2b+2c+d)/6
4.最良語音明瞭度の算出は次のように行う。
検査は録音機またはマイク付オージオメータにより、通常の会話の強さで発生し、オージオメータの音量を適当に強めたり、弱めたりして最も適した状態で行う。
検査後は、語音弁別能力測定用語音集により、2~3秒に1語の割合で発生。
語音明瞭度を検査する。語音聴力表は、「57s式語表」または「67s式語表」とする。
語音明瞭度は次の式により算出し、語音明瞭度の最も高い値を最良語音明瞭度(語音弁別能)とする(正答語音数÷検査語数)×100(%)。
5.感音性難聴の障害年金を受給していない者の障害の状態が 1級に該当する場合
オージオメータによる検査結果のほか、聴性脳幹反応検査等の他党的聴力検査又はそれに相当する検査結果を把握して総合的に認定。
感音性難聴は補助器具や装置を使わない状態で測定を行うこととされています。しかし、補助器具を使用したまま測定し、診断書を取り直したこともありました。
必ず事前に医師とご確認下さい。
障害年金専門の社労士 経験13年、相談累計3,668件(令和6年8月末現在) 受給率97.8%。
Googleのクチコミにも多く声を頂いております!本当にありがとうございます。
感音難聴:加齢性難聴や突発性難聴
引用元:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 難聴(なんちょう)
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