ICDで障害年金はもらえる?受給例・金額・受給資格・認定基準を解説

ICDで障害年金はもらえる?受給例・金額・受給資格・認定基準を解説

ICDで障害年金の受給まとめ

ICD(植込み型除細動器)で障害年金はもらえる?

結論から申し上げますと、ICDを装着された場合、障害年金を受給できる可能性があります。

特に、初診日が厚生年金加入中にある場合は、障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

  • 初診日の確認
  • 保険料納付要件
  • ICD装着日と認定基準

この3点が重要で、同じICD装着でも受給できる方とできない方に分かれます。

「ICDの障害年金を私はもらえるのか?」

「実際に受給した例を知りたい」

「もらえる金額はどのくらいだろう」

このようなお悩みをお持ちの方に向けて、専門家の視点から詳しく解説します。

このページでわかること

  • ICDで障害年金を受給できるケース
  • 実際の受給事例
  • もらえる金額の目安
  • 受給資格と初診日の考え方
  • ICDの認定基準
  • 障害認定日の特例

ICDでも、適切に準備すれば障害年金を受給できる可能性があります。

障害厚生年金3級に認定されれば、令和8年度では年額635,500円の最低保障があります。

1級・2級に認定される場合は、障害基礎年金や加算が付くケースもあります。

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執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
ICDをはじめ、心疾患やさまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。

障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。

この記事では、ICDで障害年金を受給するためのポイントや実際の事例、もらえる金額の目安を詳しく解説します。

申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

ICDで障害年金は難しいのか

ICDで障害年金を申請するために大切なこと

ICD(植込み型除細動器)を装着された方から、障害年金のご相談をいただくことがあります。

では、ICDで障害年金を受け取ることは難しいのでしょうか。

結論から申し上げますと、ICDを装着された場合、障害年金を受給できる可能性があります。

ただし、ICDを装着したことだけで、すべての方が同じ年金を受け取れるわけではありません。

初診日に加入していた年金制度、保険料納付要件等が重要になります。

ICDで障害年金を受給できるケース

以下のような場合は、障害年金が認められる可能性があります。

  • 初診日が厚生年金加入中にある
  • 保険料納付要件を満たしている
  • ICDを装着している
  • ICD装着日など障害認定日の特例に該当する

特に、初診日が厚生年金加入中にある場合、障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

ICDで障害年金が難しいケース

一方で、次のような場合は審査が難しくなることがあります。

  • 初診日が厚生年金加入中でない
  • 保険料納付要件を満たしていない
  • 初診日の証明ができない
  • 診断書や申立書の内容に不整合がある
  • ICD装着日や治療経過が書類上明確でない

重要なのは、ICDを装着した事実だけでなく、障害年金の認定基準に該当する状態かどうかを、書類上正確に伝えることです。

以下の2点が特に重要です。

  1. 初診日と加入年金制度の確認
  2. 診断書・病歴就労状況等申立書・医療記録の整合性

つまり、ICDで障害年金が難しいと言われる大きな理由は、病状そのものよりも、初診日や認定日の証明、診断書の記載がうまく整っていないことにあります。

これらのポイントを押さえることで、受給の可能性は大きく変わります。

このあと、ICDで障害年金を受給できた事例や、受給額の目安、認定基準について順に解説いたします。
  1. 受給例
  2. 金額はいくらもらえるのか
  3. 受給資格
  4. 認定基準

ICDの障害年金受給例

ICDで障害年金を受給した事例

実際にICDで障害年金が認められたケースをご紹介いたします。

実際の受給例を見ることで、どのような場合に認定されるのか、イメージしやすくなります。

いろいろなケースがございますので、ご参考ください。

ICD装着で障害厚生年金3級-60万円

認定 障害厚生年金3級 審査請求
相談者 50代男性 東京都江戸川区
傷病 拡張型心筋症(ICD装着)
金額 約60万円

拡張型心筋症で、ICD(植込み型除細動器)を装着された方の事例です。

厚生年金加入期間中の初診日が認められないという理由で、不支給決定となりました。

審査途中で「初診日を国民年金加入期間である現在の病院の初診日に変更しますか?」という照会がありました。

しかし、厚生年金加入中の初診日と考えられる事情があったため、まずは不支給決定を受け、その後、審査請求で争う方針を取りました。

決定がなされていないと審査請求もできません。理論立てて、審査請求に臨みました。

審査請求へ

審査請求後、社会保険審査官から「保険者が処分を変更する(初診日を認める)」との連絡がありました。

1年がかりとなりましたが、無事に障害厚生年金3級を受給していただくことができました。

この後、病状が進み障害厚生年金1級になられました。

経過はこちらの拡張型心筋症の事例にも記載しています。

審査請求をしなければ、処分変更もなかった可能性があります。初診日の確認は非常に重要です。

サルコイドーシス(ICD)で障害厚生年金3級-160万円

認定 障害厚生年金3級 遡及請求1.5年
相談者 男性 東京都江東区
傷病 サルコイドーシス(ICD植込み)
金額 約100万円 遡及金額160万円

ICDの遡及請求

初診から5か月後に、会社で心肺停止状態となった方の事例です。

サルコイドーシスによりICD(植込み型除細動器)を装着されました。

初診時もその前も厚生年金に加入されており、保険料納付要件も問題ありませんでした。

心疾患の障害認定日の特例にあたるため、ICDを植え込んだ日が障害認定日となります。

遡及請求を行い、認定日時点も現在も3級認定になるだろうと判断しました。

現在の診断書1枚のみをお願いしましたが、受け取った時には、すでに診断書の現症日から3か月を少し経過していました。

そのため、請求時に「現症でも除細動器装着に該当することのみ審査を希望する申出書」を作成し、一緒に提出しました。

無事返戻されることなく、障害厚生年金3級に決定しました。

受給事例集

ICDや心疾患の受給事例が増えてきましたので、以下に関連ページをまとめました。

それぞれ異なる疾患や状況に対応しており、障害年金を受給するための参考として役立てていただければ幸いです。

心疾患 拡張型心筋症 心疾患の認定基準
遡及請求 審査請求 無料相談
「自分の場合、受給できるのかな…?」

そう感じている方は多いと思います。
まずは状況をお聞かせください。
むずかしい言葉や専門知識は必要ありません。

初回相談は無料ですので、安心してご連絡ください。
ご相談者の状態に合わせて、わかりやすくご説明いたします。


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ICDで障害年金の金額はいくら?

ICDの障害年金でもらえる金額の目安

ICDで障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?

実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。

そこで、ICDで受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。

障害年金には、「基礎」と「厚生」の2つがあります。

  1. 基礎:1級と2級
  2. 厚生:1級、2級、3級

このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。

もらえる金額もこれに伴って説明していきます。

また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討下さい。

ICDの障害年金の額

ICDの障害基礎年金額と子の加算

ICDで、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。

障害等級 金額
1級 1,059,125円/年 +子の加算
2級 847,300円/年 +子の加算

受給権を得た後、翌月分から支給されます。

1年の金額を6等分して、偶数月に受け取ることになります。

初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。

※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。

ICDの子の加算

18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

一般的には高校卒業までということです。
子の人数 金額
1人目/2人目 1人につき 243,800円/年
3人目以降 1人につき 81,300円/年

ICDの障害厚生年金額と配偶者加給年金

ICDで、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、基礎年金に厚生年金が加算されます。

3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。

金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。

例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。

障害厚生年金 金額
1級 報酬比例額加算×1.25 + 配偶者加給年金
2級 報酬比例額加算×1.0 + 配偶者加給年金
3級 635,500円/年 金額は一律

報酬比例部分に300月みなしあり

報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。

例えば会社に入社後、それほどたたずしてICDで障害年金の受給を開始した場合など、最低25年は年金を納付したものとして、ある程度の額の厚生年金が受給できるようになっています。

また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。

年金制度自体は批判も多いのですが、なかなか手厚くなっています。

計算の基礎となるのは、障害認定日までに納付したものまでです。

ICDの配偶者加給年金

ICDで1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。

よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。

その場合、配偶者である夫についても加給年金※が支給されます。

※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。

障害等級 金額
1級・2級 (3級はなし) 243,800円/年

年金生活者支援給付金

ICDの障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。

年金生活者支援給付金は、基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。

金額は毎年変動します。

等級 金額
1級 7,025円/月
2級 5,620円/月

ICDの時効と遡及請求

ICDでの請求にも時効があります。

申請しなければ、過去のものは最大5年間で消滅してしまいます。

もし遡って請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。

これを遡及請求といいます。

ICDで受け取れる年金額の目安

ICDで障害厚生年金3級に認定された場合、令和8年度の最低保障額は635,500円です。

1級・2級に認定された場合は、障害基礎年金に加え、報酬比例部分や配偶者加給年金が加算されることがあります。

ケース 年収モデル 等級 年金の種類 受給額 備考
① 初診日が厚生年金加入中 3級 障害厚生年金 635,500円/年
(約52,958円/月)
3級の最低保障額
② 会社員・平均年収300万円 300万円 2級 障害基礎年金+障害厚生年金 約1,440,000〜1,560,000円/年
(120,000〜130,000円/月)
基礎年金+報酬比例
③ 会社員・平均年収500万円 500万円 2級 障害基礎年金+障害厚生年金 約1,920,000〜2,040,000円/年
(160,000〜170,000円/月)
基礎年金+報酬比例
④ 会社員・平均年収500万円 500万円 1級 障害基礎年金+障害厚生年金 約2,400,000〜2,520,000円/年
(200,000〜210,000円/月)
2級の1.25倍

※年金額は日本年金機構の公表資料をもとに記載しています。出典:令和8年4月分からの年金額等について

以上、障害年金でもらえる年金額の詳細は、障害年金はいくらもらえる?【2026年(令和8年度)】1級・2級・3級の金額目安と早見表で詳しく解説しています。

受給されたお客様の声

社労士但田美奈子よりお客様の声御礼

多くの方から温かいお言葉を頂いております。それらの声が、私の何よりの励みです。いつも本当にありがとうございます。

ICDで障害年金を受け取れる条件(受給資格)

ICDの障害年金の受給資格

ICDで障害年金を申請するためには、次の3つの重要な要件があります。

  1. 初診日~いつお医者さんに行ったか
  2. 保険料納付要件~保険料は納めていたか
  3. 認定基準~ICDの状態が基準に該当するか

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に後述する「ICDの認定基準」に該当すれば、障害年金を受給できる可能性があります。

特にICDの場合、初診日が厚生年金加入中かどうかが非常に重要です。

障害厚生年金3級は、厚生年金に加入していた方が対象となります。初診日が国民年金加入中の場合、原則として3級はありません。

ICDで3級に該当する場合でも、障害基礎年金には3級がありません。初診日の加入制度がとても大切です。

ICDの障害年金認定基準

ICDの障害年金の認定基準

障害年金を受給できるかどうかは、心疾患の障害年金認定基準に該当するかどうかが大切です。

ICDの認定基準

植込み型除細動器(ICD)とは、命に関わる不整脈を治療するための体内植込み型装置です。

心疾患の障害年金認定基準はかなり量が多いため、ここではICDに関係する部分を中心に解説します。

ICDは難治性不整脈に関する基準で、次のように3級に認定される可能性があります。

難治性不整脈

3級 1.ペースメーカー、ICDを装着したもの
2.異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち1つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
ICDで3級に該当する場合、対象になるのは障害厚生年金です。障害基礎年金には3級がありません。

なお、心疾患の状態がより重い場合には、3級より上位の等級に認定される可能性もあります。

心疾患全体の認定基準については、心疾患の障害年金認定基準で詳しく解説しています。

ICDと障害認定日の特例

心疾患の障害年金における障害認定日の特例(例外)

障害年金では、原則として初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日です。

しかし、ICDの場合は、障害認定日の特例があります。

ICDを装着した場合、装着日が障害認定日となることがあります。

つまり、初診日から1年6か月を待たずに請求できる可能性があります。

ただし、実際の請求では、初診日、ICD装着日、診断書の現症日、請求方法の整理が必要です。

ICDは、障害認定日の特例があるため、請求時期の判断が非常に大切です。

働きながらの受給は難しいのか

ICDを装着していても、働いている方はいらっしゃいます。

働いていることだけで、直ちに障害年金が受給できないとは限りません。

ただし、心疾患の状態、就労内容、勤務時間、職場での配慮、通院状況などは審査で確認されることがあります。

特に3級は、労働に著しい制限を受ける状態かどうかが問題になります。

仕事をしている場合でも、業務内容や勤務上の制限、体調悪化時の対応などを、診断書や申立書で適切に伝えることが重要です。

よくあるご質問

Q. ICDを入れたら必ず障害年金をもらえますか?

A. 必ずではありません。初診日、保険料納付要件、加入していた年金制度、認定基準への該当性を確認する必要があります。

Q. ICDで障害厚生年金3級になることはありますか?

A. あります。ICDを装着した場合、障害厚生年金3級に該当する可能性があります。ただし、初診日が厚生年金加入中であることが重要です。

Q. 国民年金だけの場合、ICDで3級はありますか?

A. 原則としてありません。障害基礎年金は1級・2級のみです。3級は障害厚生年金の制度です。

Q. 初診日が分からない場合でも請求できますか?

A. すぐに諦める必要はありません。医療機関の記録、紹介状、健康診断結果、他の資料などから初診日を確認できる場合があります。

ICDで障害年金を検討中の方へ

ICDで障害年金を申請する場合、初診日や障害認定日の整理、診断書の内容確認が非常に重要です。

特に、厚生年金加入中の初診日が認められるかどうかで、結果が大きく変わることがあります。

「自分は対象になるのか」「いつから請求できるのか」「3級になるのか」など、迷われている方は、まずはご相談ください。

初回相談は無料です。
ICDで障害年金を受給できる可能性があるか、状況をお聞きしながらわかりやすくご説明いたします。

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参考資料

ICDの障害年金は個別事情によって判断が分かれます。少しでも気になる点があれば、まずは無料でご相談ください。

 

植込み型除細動器(ICD)は、命に関わる不整脈を治療するための体内植込み型装置です。

令和8年4月分からの年金額等について

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