障害年金の請求方法と、申請するタイミングはいつがいいのでしょうか?
障害年金の請求方法
障害年金の請求方法は以下5つになります。
- 障害認定日請求
- 遡及請求
- 事後重症
- 初めて2級
- 20歳前傷病

請求するタイミングはなかなか難しいのです。まず請求方法を説明していきます。
障害認定日請求
初診日から1年6ヶ月経過した障害認定日時点の診断書を取得し、その認定日から1年以内に請求することです。
もっとも一般的な請求です。
原則として障害認定日から3ヶ月以内の診断書が必要。
受給権の発生は認定日からとなります。
遡及請求
初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)に(なんらかの理由で)請求しなかった場合、障害認定日から1年以上経過した後で、障害認定日時点に遡って請求することです。
これを遡及請求といいます。
原則として障害認定日から3ヶ月以内の診断書と、請求時の診断書計2枚が必要になります。
受給権発生は障害認定日からです。
(注意)障害年金の支給は認定日の翌月分からとなりますが、遡及請求は時効の関係で遡ってもらえるのは5年分までとなります。
もちろん全員が該当するわけではないのですが、まだ障害年金を請求していないとき、最大5年分遡ることができるのです。これを遡及請求(そきゅうせいきゅう)といいます。
事後重症
初診日から1年6ヶ月を経過した日である認定日に、障害等級に該当していなかったとき。
その後65歳に達する日の前日までに悪化し、障害等級に該当する状態に至った場合請求することができます。
後で悪くなるので、事後重症と言います。
認定日時点で医療機関を受診されていなかったり、当時の診断書が保管されていなかったりした場合など。
障害認定日時点における診断書が取得できない場合、事後重症による請求となります。
請求時点での診断書が必要で、受給権発生時期は請求日からとなります。
請求期は65歳に達する日の前日までとなります(65歳になると老齢基礎年金の対象)。
初めて2級
2級以上の障害に満たない状態にあり、その後新たな傷病(基準傷病といいます)が発生。
65歳に達する日の前日までの間に基準傷病と前の障害を併せると、2級以上に該当する場合請求できます。
※65歳前に2級以上に該当しているため、珍しく65歳以後も請求できます。
20歳前障害
20歳前で年金制度に未加入であった期間に初診日のある傷病(一番多いのは学生時代など)等一定の障害状態にある方。
20歳に達した日(認定日が20歳以後の場合はその時点)、障害等級の2級以上に該当する場合請求できます。
原則として20歳に達した日から3ヶ月以内の診断書が必要です。
これも事後重症があり、例えば19歳のとき初診であれば認定日が20歳6ヶ月になりますので、その時の診断書が必要です。
受給権は20歳に達した日(認定日が20歳以後の場合その時)から発生。
ちなみに、20歳前でも厚生年金に加入していた(高卒で働いていたときなど)とき、障害厚生年金の対象となります。
必要書類
どのような請求であれ障害年金を請求する際、通常以下の書類が必要です(他にも必要となる場合がありますので、大体の例示になります)。
特に1.2.3は、障害年金の受給を得るためにとても重要な書類です。
- 受診状況等証明書(初診日の証明)
- 診断書
- 病歴・就労状況申立書
- 裁定請求書
- 戸籍謄本、住民票、所得証明など
障害年金を申請するタイミング
特に精神疾患の請求で多いのですが、先月まで「うつ病」で休職をしていたのですが、回復し復職しました。
休んでいた期間は本当にすごく病状が悪かったので、今からその期間の障害年金を請求したいといった趣旨のご相談を受けることがよくあります。
障害年金を申請する時期は、いつがいいのでしょうか?
実は障害年金の相談をはじめた当初、凄く不思議だったのです・・・。
なぜ回復した後で請求するのだろう?回復しているということは障害がないということなのに・・・と。
しかし、考えてみれば病状が悪かった期間や入院した期間を後で請求するというのは、一般の保険の考え方です。
健康保険の傷病手当金も同じです。
働けなかった期間分、後でお医者さんに診断書を書いてもらって請求となります。
働けなかったから収入保障の意味で請求することなので、実は常識的に間違っていない考え方なのです。
障害年金の申請の特殊性
しかし・・・実は、障害年金はまったく反対の制度となります。
例えば、一定期間障害認定基準に該当するような病状であったとしても、現在病状が良くなっているのであれば、障害年金の認定はされないでしょう。
障害年金(特に精神疾患の場合)の認定は、請求時つまり現在のご病状や就労状況が大きく関わってきます。
現在働けるか?日常生活が通常に送ることができるかどうかが重要であり、過去の状態は参考となるだけとなります。
障害年金を請求する時、現在の障害の程度が最も重要なのです。
障害基礎年金は、20歳前または国民年金の被保険者期間中または被保険者でなくなった後でも、60歳以上65歳未満で日本国内に住んでいる間に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある方が対象になります。
障害厚生年金は、厚生年金保険の被保険者加入期間中に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある方が対象になります。