「東京で、うつ病により障害年金を受給した事例を知りたい。」
そのようなご相談に向けて解説致します。
はじめまして。
社会保険労務士の但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、12年以上(累計約3,500件)「うつ病など障害年金申請のサポート」に携わってまいりました。
いろいろなケースがございますので、ぜひご参考ください。
もらえる金額や認定基準はこちら
うつ病で障害年金を申請するのは難しいのでしょうか?専門の女性社労士がうつ病で障害年金を受給するためのポイントを解説!
初診の病院が廃院。障害厚生年金3級(遡及請求5年)
認定 | 障害厚生年金3級 遡及請求5年 |
相談者 | 40代男性 東京都足立区 |
傷病 | うつ病(初診の病院が廃院) |
受給額 | 約60万円 遡及金額320万円 |
うつ病でも障害年金を受給できる可能性があると知ったが、手続きが複雑な為自力では難しいと思われたそうです。
また初診日である病院が廃院しており、証明について心配されていました。
当時のご本人のうつ状態
- 長時間労働や対人関係に強いストレスを感る
- 憂うつ感
- 不安感
- 不眠症状
- 通勤途中に吐き気や下痢
以上のような症状が出るようになり、たびたび会社を遅刻・欠勤。
最終的には会社に電話することもできなくなり、無断欠勤をする形になり精神科を受診。
初診は10年ほど前。
1年7か月後に、2院目である現在の病院に転医されていました。
これは廃院に伴う紹介でした。
現在の病院に確認したところ幸いにもカルテごと引き継がれており、心配されていた初診の証明は問題ありませんでした。
現在のご本人のうつ状態
- 不安感が強く、他人とのコミュニケーションが困難。
- 対人関係は同居の家族のみ。
- 憂うつ感
- 緊張感
- 不眠の症状
障害認定日の診断書と現在の診断書をお願いし、障害厚生年金を請求。
無事障害厚生年金3級(5年遡及請求)に認定。
請求から決定まで69日間。診断書の内容から、納得の結果です。
決定後ご本人さまから。
「提出書類一式の写しを見ると、自分一人では難しかっただろうと実感しました。改めてこの度は大変お世話になりました。」とご連絡を頂きました。

こちらこそ、ありがとうございました。

初診日の検討。障害厚生年金3級
認定 | 障害厚生年金3級 事後重症請求 |
相談者 | 30代女性 東京都葛飾区 |
傷病 | うつ病(不眠症後長期病欠休職) |
受給額 | 約60万円 |
うつ病の初診は6年程前、厚生年金加入中。
3年程前から会社を休みがちになり、長期病欠休職を経て1年前に退職。
ずっと同じクリニックで受診されていたとのことで、遡及請求をするべく医師に診断書依頼。
しかし、取得した診断書に8年前にうつ病ではなく、不眠症でしばらく受診されていたとあります。
ご本人に確認したところ1年位で改善、その後1年位は問題なく過ごしてきた。
うつ病の症状が出た初診の6年前で、障害年金を請求したいとのこと。
8年前が初診になると、障害認定日頃はちょうど症状が改善。
元気にお仕事をされていた時期(受診もされていない)でした。
お気持ちはよくわかります。
事後重症と遡及請求とのバランス
ご本人はどうしてもうつ病の初診時で、遡及請求を試みたいというご意向でした。
2種類の書類を作成し一緒に提出しました。
- 6年前を初診としての遡及請求
- 予備として8年前を初診としての事後重症請求
内容としては「6年前を初診として認めてほしい。ただ8年前が初診と認定された場合はそれを受け入れる」旨の申立書も添付。
結果はやはり8年前を初診としての事後重症で、障害厚生年金3級認定。
診断された傷病名が違っても、治療が継続している場合や期間が空いていてもその期間が短い(4、5年に満たない)場合、最初の傷病での初診が障害年金の初診とされます。
やるだけのことはやっての結果ですので、ご本人にも納得して頂けました。

これが大切ですね。

海外の病院。障害基礎年金2級
認定 | 障害基礎年金2級 |
相談者 | 女性 東京都 |
傷病 | うつ病(初診が海外のクリニック) |
受給額 | 約80万円 |
申請まで2年を要した例。最初にお電話を頂いたのは、申請した2年半前でした。
日本橋の事務所に相談に来て頂きご相談、ご依頼。
初診日は海外のクリニック
うつ病の初診が海外のクリニックの為、海外に送る等して受診状況等証明書を取得しなければなりません。
英語版の受診状況等証明書があります。
また、準備を進めているうちに初診日がもっと前だということが判明・・・これも海外です。
ご自身でお持ちの資料だけでは初診の証明になるものがありません。
請求前に初診日認定の緩和がされたとはいえ、受診状況等証明書を取らないと認定は難しい状況でした。
ご友人、ご家族の協力もあって2年越しでやっと受診状況等証明書を取得。
内容的には用紙のわかりにくさもあって、空白部分が多かったのですが・・・。
請求時に状況を説明し、何とか障害年金の請求までこぎつけました。
請求から決定まで37日。特に照会もなく障害基礎年金2級認定。
書類を集めるだけでもかなり困難な場合もあります。

そこは知恵熱を出しながら可能性をさぐっていきます!
性同一障害。障害厚生年金3級
認定 | 障害厚生年金2級 |
相談者 | 女性 東京都杉並区 |
傷病 | うつ病(性同一障害) |
受給額 | 約150万円 |
性別違和(性同一性障害)の女性でした。
心は女性ですので、女性とさせて頂きます。
販売のお仕事で就職をされたのですが、身長が高い為女性の容姿であっても目立ってしまい、人から変な目で見られたりからかわれたりしたそうです。
徐々にうつ症状、胃腸症状が出るようになり、うつ病を発症されました。
子供の頃からの申立書
うつ病の初診日は、厚生年金加入時でしたので障害厚生年金で申請。
途中、照会で小学5年生時に性別違和を自覚されてからの申立書と、受診状況等証明書の追加提出を求められました。
初診日に関する申立書を添えて提出、審査の結果を待ちました。
無事請求通りの初診日で、障害厚生年金2級(事後重症)に認定。
照会が入ったので、請求から決定までは少し時間がかかり103日。

審査請求も視野にいれていたのですが、裁定請求で認められホッとしました。
納付要件確認。障害基礎年金2級(遡及請求2年)
認定 | 障害基礎年金2級 遡及請求2年 |
相談者 | 女性 東京都足立区 |
傷病 | うつ病(納付要件確認) |
受給額 | 約100万円 遡及金額200万円 |
ご相談に来て頂いた時、ねんきん定期便を拝見しました。
初診日によっては、納付要件が認められないところがあります。
そこで、うつ病の初診日が確定し、納付要件がOKであれば障害年金を請求しましょうということになりました。
初診の病院に初診日を問い合わせて頂いたところ、直近1年の納付要件をクリアしていましたので請求の準備を始めました。
初診のクリニックと現在のクリニックの二つだけでしたので、割合スムーズに進みました。
障害認定日と現在の診断書を提出し、障害認定日で認定されました。

先に初診日を確定させ、納付要件を確認することもよくあります。
診療記録なし。障害厚生年金2級
認定 | 障害厚生年金2級 |
相談者 | 男性 東京都練馬区 |
傷病 | うつ病(診療記録なし) |
受給額 | 約150万円 |
初診日は平成2年で20年以上前のこと。
初診時の病院には診療録が残っておらず、受診状況等証明書は取れない状況。
二つ目の病院も同じ。
三つ目の病院(初診から12年以上後)で受診状況等証明書を取得しましたが、平成2年初診時の情報はない状態でした。
- 4つ目の病院でのカルテの写し(問診時の内容が載っている)
- 当時をご存じの元上司からのレターその他を添付
なんとか、障害厚生年金(事後重症)を請求しました。
無事、平成2年でのうつ病の初診日が認められホッとしました。
審査期間はお正月を挟んで73日間でした。

周りの証拠を一つ一つ積み重ねて、請求にもっていく形となります。
うつ病の障害年金申請はいろいろと複雑な点もあり、女性社労士が受給資格の初回無料相談でサポートしています。
精神の障害による障害の程度は、次により認定する。
「うつ病」とは
令和5年4月分からの年金額等について
障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法