
双極性障害で障害年金を申請するポイントを解説します
双極性障害でも、初診日、保険料納付要件、認定基準を満たし、診断書と病歴・就労状況等申立書の内容が整っていれば、障害年金を受給できる可能性があります。
このページでは、双極性障害で障害年金を申請するときに重要な、働いている場合の審査、収入との関係、受給資格、認定基準、診断書の注意点を解説します。
「双極性障害の障害年金は、収入があってももらえるのか」
「働いていると、審査の基準は厳しくなるのか」
「受給できたあとの収入との調整はあるのか」
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
双極性障害でも、適切に準備すれば障害年金を受給することは可能です。
精神疾患でも、実際に年間最低60万円以上を受給している方も多くいらっしゃいます。
※このページは、双極性障害の障害年金について、申請ポイント・受給資格・認定基準に特化したサブページです。受給例や金額の全体像については、双極性障害で障害年金はもらえる?受給例・金額・受給資格・認定基準を解説をご確認ください。
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執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
双極性障害をはじめ、精神疾患による障害年金のご相談にも対応してまいりました。
双極性障害の障害年金は、定められている認定基準に沿って審査されます。
しかし、双極性障害や精神疾患がある方が働いていたり収入がある場合、審査や受給後のお仕事について不安に感じる方も多くいらっしゃいます。
働いている場合の審査は難しいのか
よく寄せられるご質問に「働いていて仕事をしている場合、障害年金の審査は難しいのか」というものがあります。
結論から申し上げます。
パートタイムでごく短時間勤務の場合は、直ちに不利にならないこともあります。
しかし、フルタイム勤務や安定した収入がある場合には、審査は厳しくなりやすいです。
通常の仕事ができるほど回復していると判断される場合、障害状態の判断が厳しくなるためです。
ただし、働いているという事実だけで一律に決まるわけではありません。
障害者雇用、短時間勤務、休職中、職場の配慮を受けている場合などは、勤務内容や配慮の状況を丁寧に整理する必要があります。
「病歴・就労状況等申立書」では、働いている経緯や実際の勤務状況を具体的に伝えることが大切です。
受給できた後の収入との調整
受給が決定した後、障害基礎年金・障害厚生年金のいずれについても、原則として収入や所得による支給制限はありません。
つまり、受給後に働いたことだけを理由に、直ちに障害年金が停止されるわけではありません。
ただし、例外として、20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。
また、更新時には就労状況も確認されますので、勤務内容、勤務時間、職場の配慮、日常生活への支障を整理しておくことが大切です。
障害年金を受給できる条件

双極性障害で障害年金を申請するためには、次の3つの要件があります。
初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に双極性障害の認定基準に該当すれば、障害年金を受給できる可能性があります。
障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。
精神疾患の認定基準

精神疾患全体の認定基準では、障害の程度について次のように考えます。
| 障害の程度 | 障害の状態 |
| 1級 | 身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない又は行えない程度 |
| 2級 | 家庭内の軽食・最低限の洗濯等はできるが、それ以上の活動はできない程度 |
| 3級 | 労働することはできるが、健常者と同等に労働することはできない程度 |
精神疾患の程度は、原因、症状、治療、病状の経過、具体的な日常生活状況などにより総合的に認定されます。
双極性障害がどの程度重いのか、医師に十分伝わっていない場合、診断書の内容が実際の状態と合わないことがあります。
そのため、病歴、治療の経過、仕事や日常生活の状況を主治医に伝えることが大切です。
双極性障害の審査基準(認定基準)

簡単な目安として、次のような状態では受給できる可能性があります。
- 日常生活がほぼ困難な状態
- 何も手につかないなど、日常生活に著しい制限を受けている状態
- 長期の安静が必要で、生活に著しく支障がある状態
- 働くことができない、又は退職し仕事への復帰が難しい状態
加えて、就労状態も判断材料になります。
初診日から1年6か月を経過した時点、現在の時点、それぞれの勤務状況が確認されます。
日常生活能力については、主に次のような項目を確認します。
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬の状態
- 他人との意思伝達及び対人関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
最終的には、社会生活の様子や病状の経過などを含めて総合的に判断されます。
双極性障害は、以前の名称で「躁うつ病」と呼ばれることもあります。審査上は「気分(感情)障害」に分類されます。
双極性障害の等級の目安
| 等級 | 双極性障害の状態 |
| 1級 | 高度の気分、意欲・行動及び高度の思考の病相期があり、これが持続したり、頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの |
| 2級 | 気分、意欲・行動及び思考の病相期があり、これが持続したり、頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの |
| 3級 | 気分、意欲・行動及び思考の病相期があり、その症状は著しくないが、これが持続したり繰り返したりして、労働が制限を受けるもの |
双極性障害は、症状が著しい時期と症状が落ち着く時期を繰り返すことがあります。
そのため、診断書作成時点の状態だけではなく、症状の経過や日常生活への影響を十分に確認する必要があります。
また、現に仕事をしている場合でも、労働に従事していることだけで、直ちに日常生活能力が向上したものとは判断されません。
仕事の種類、内容、就労状況、職場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況なども考慮されます。
神経症の認定
神経症は、症状が長期間持続し、一見重症であっても、原則として障害年金の認定対象とはなりません。
ただし、臨床症状から判断して精神病の病態を示している場合は、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱われることがあります。
詳しくは、神経症で障害年金の申請はできるのか?をご覧ください。
精神の障害に係る等級判定ガイドライン

双極性障害など、精神疾患の審査では「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が運用されています。
日常生活能力の判定と日常生活能力の程度をもとに、等級の目安を確認します。
双極性障害に関する等級判定ガイドラインの具体的な等級や運用状況については、精神の障害に係る等級判定ガイドライン~精神疾患の審査は厳しいのかにまとめています。
働いている場合と審査の難しさ

双極性障害の障害年金は、診断書と病歴・就労状況等申立書によって判断されます。
しかし、ご本人の実際の状態と、医師が診断書に記載する内容に差が出ることがあります。
主治医の意見を尊重しつつ、双極性障害の状態が現在の生活状況に合っているかを、日頃の診察で具体的に伝えることが大切です。
双極性障害で障害年金を受給するには、診断書と病歴・就労状況等申立書の整合性をとることが非常に重要です。
よくあるご質問
Q. 双極性障害で障害年金を申請する場合、働いていると不利ですか?
働いている場合でも受給できる可能性はあります。ただし、フルタイム勤務や安定した収入がある場合は、審査上厳しく見られやすくなります。勤務時間、仕事内容、職場の配慮、欠勤や休職の状況を整理することが大切です。
Q. 双極性障害で障害年金を受給した後、収入があると支給停止になりますか?
原則として、障害基礎年金・障害厚生年金には所得による支給制限はありません。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。また、更新時には就労状況も確認されます。
Q. 双極性障害の障害年金で大切な受給資格は何ですか?
初診日、保険料納付要件、認定基準の3つが重要です。初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日の状態が認定基準に該当するかを確認します。
Q. 双極性障害はうつ病と同じように障害年金の対象になりますか?
はい。双極性障害は、うつ病と同じく気分(感情)障害として障害年金の認定対象となります。症状の経過、日常生活状況、就労状況などを総合的に判断します。
Q. 診断書と申立書で注意することはありますか?
診断書と病歴・就労状況等申立書の内容に大きなズレがあると、審査で不利になることがあります。日常生活状況、症状の波、就労状況を主治医に伝え、申立書でも整合性を意識することが大切です。
双極性障害で障害年金を検討中の方へ
双極性障害の障害年金は、初診日、保険料納付要件、障害認定日の状態、現在の症状、日常生活状況、就労状況によって判断が分かれます。
特に、働いている場合や収入がある場合、診断書と申立書の内容に不安がある場合は、早めに資料を確認することが大切です。
参考資料
双極性障害(躁うつ病)「双極性障害」とは
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害
精神の障害に係る等級判定ガイドライン
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双極性障害(躁うつ病)「双極性障害」とは
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害
