
間質性肺炎で障害年金はもらえる?
結論から申し上げますと、間質性肺炎でも障害年金を受給できる可能性があります。
ただし、呼吸機能の検査数値だけでなく、在宅酸素療法の有無、日常生活の制限、咳や息切れなどの自覚症状、医師の他覚所見を総合的に見られます。
- 初診日の確認
- 保険料納付要件
- 呼吸器疾患の認定基準
- 在宅酸素療法・検査成績・日常生活状況
この4点が重要で、同じ間質性肺炎でも受給できる方と難しい方に分かれます。
「間質性肺炎で障害年金を申請したいが、もらえる金額はいくら?」
「間質性肺炎による障害年金の受給例や、認定基準について知りたい」
「在宅酸素療法をしていないと受給は難しいのか?」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
間質性肺炎でも、適切に準備すれば障害年金を受給できる可能性があります。
実際に、間質性肺炎で障害基礎年金2級が認められ、年額約80万円を受給できた事例もあります。
このページでわかること
- 間質性肺炎で障害年金を受給できる可能性
- 間質性肺炎でもらえる金額の目安
- 実際の受給例
- 初診日・保険料納付要件・認定基準
- 在宅酸素療法や検査数値が審査でどう見られるか
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,193件(令和8年6月末現在)・受給率97.8%。
間質性肺炎をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。
間質性肺炎で障害年金は難しいのか

間質性肺炎は、息切れや咳などにより日常生活に大きな制限が生じることがあります。
障害年金の審査では、病名だけで決まるのではなく、呼吸機能の検査成績、在宅酸素療法の有無、日常生活の制限、自覚症状、医師の他覚所見などを総合的に判断されます。
そのため、「間質性肺炎と診断された」だけでは足りず、実際にどの程度生活や就労に支障があるのかを、診断書や病歴・就労状況等申立書で具体的に示すことが大切です。
間質性肺炎の障害年金受給例

間質性肺炎で障害基礎年金2級|年額約80万円
| 認定 | 障害基礎年金2級 事後重症請求 |
| 相談者 | 女性 埼玉県比企郡 |
| 傷病 | 間質性肺炎 |
| 金額 | 約80万円 |
間質性肺炎の症状が進行すると、在宅酸素療法が必要になることがあります。
今回のケースでは、障害基礎年金の請求であったため、2級以上に該当することが必要でした。
審査では、次のような点が重要になりました。
- 在宅酸素療法の使用状況
- 動脈血酸素分圧などの検査成績
- 予測肺活量1秒率などの呼吸機能
- 日常生活における制限
- 咳や痰、息切れなどの自覚症状
- 医師による他覚所見
病歴・就労状況等申立書でも、日常生活でどのような制限があるのかを具体的に整理し、無事に障害基礎年金2級の受給が決定しました。
間質性肺炎で障害年金の金額はいくら?

間質性肺炎で障害年金が認められた場合、もらえる金額は初診日に加入していた年金制度と認定等級によって異なります。
障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
- 障害基礎年金:1級・2級
- 障害厚生年金:1級・2級・3級
3級は障害厚生年金のみのため、初診日が国民年金加入中の場合は、原則として2級以上に該当する必要があります。
障害基礎年金の金額
| 障害等級 | 金額 |
| 1級 | 1,059,125円/年 + 子の加算 |
| 2級 | 847,300円/年 + 子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。通常は偶数月に2か月分ずつ支給されます。
障害厚生年金の金額
| 障害厚生年金 | 金額 |
| 1級 | 報酬比例額 × 1.25 + 配偶者加給年金 |
| 2級 | 報酬比例額 + 配偶者加給年金 |
| 3級 | 635,500円/年(最低保障額) |
障害厚生年金の報酬比例部分は、給与や賞与、厚生年金加入期間により異なります。厚生年金期間が300月未満の場合は、300月とみなして計算されます。
間質性肺炎で受け取れる年金額の目安
生涯を通じた給与とボーナスの平均を基にした、おおよその受給額です。あくまで目安としてご参考ください。
| ケース | 年収モデル | 等級 | 年金の種類 | 受給額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自営業・主婦など | ― | 2級 | 障害基礎年金 | 847,300円/年 | 定額、収入に関係なし |
| 会社員・平均年収300万円 | 300万円 | 3級 | 障害厚生年金 | 635,500円/年 | 最低保障額 |
| 会社員・平均年収500万円 | 500万円 | 2級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約1,920,000〜2,040,000円/年 | 基礎年金+報酬比例 |
障害年金を受給できる条件

間質性肺炎で障害年金を申請するためには、次の3つの要件があります。
初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「間質性肺炎の認定基準」に該当すれば、受給できます。
障害認定日は原則として初診日から1年6か月を経過した日です。ただし、在宅酸素療法を開始した場合には、認定時期の扱いに注意が必要です。
間質性肺炎の認定基準

間質性肺炎は、呼吸器疾患による障害として審査されます。
審査で重要になるのは、動脈血ガス分析値、予測肺活量1秒率、在宅酸素療法、日常生活状況などです。
呼吸機能の数値が悪い場合や、在宅酸素療法が必要な場合には、障害年金に該当する可能性があります。

間質性肺炎の障害等級の目安
| 等級 | 障害の状態 |
| 1級 | 長期にわたり安静を必要とする病状があり、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。 |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 |
| 3級 | 労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。 |
常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中で、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは、原則として3級と認定されます。
ただし、臨床症状、検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定される可能性があります。
間質性肺炎で障害年金を申請するときに大切なこと
間質性肺炎の障害年金申請で大切なのは、検査数値と日常生活状況を一致させて伝えることです。
例えば、次のような内容を具体的に整理します。
- 少し歩いただけで息切れするか
- 階段昇降ができるか
- 外出に付き添いが必要か
- 家事や身の回りのことにどの程度支障があるか
- 在宅酸素療法の使用時間や使用状況
- 就労している場合、勤務内容や配慮、欠勤・早退の状況
診断書だけで生活実態が十分に伝わらないこともあるため、病歴・就労状況等申立書で具体的に補足することが重要です。

働きながら間質性肺炎で障害年金は受給できる?
働いている場合でも、間質性肺炎で障害年金を受給できる可能性はあります。
ただし、呼吸器疾患の場合も、仕事の内容、勤務時間、職場の配慮、欠勤や早退の状況、通勤や勤務中の息切れなどが審査上の参考になります。
無理をして働いている場合や、軽作業に限定されている場合には、その実態を具体的に整理しておくことが大切です。
よくあるご質問
間質性肺炎でも障害年金はもらえますか?
はい。間質性肺炎でも、初診日、保険料納付要件、認定基準を満たせば障害年金を受給できる可能性があります。
在宅酸素療法をしていないと受給は難しいですか?
在宅酸素療法は重要な判断材料ですが、それだけで決まるわけではありません。動脈血ガス分析値、予測肺活量1秒率、日常生活状況などを総合的に見られます。
在宅酸素療法をしていれば何級になりますか?
常時の在宅酸素療法を施行中で、軽易な労働以外に支障がある場合は、原則として3級と認定されます。ただし、症状や検査成績、日常生活状況により上位等級となる可能性もあります。
初診日が国民年金の場合でも受給できますか?
初診日が国民年金の場合は、障害基礎年金の対象となるため、2級以上に該当する必要があります。3級相当では原則として受給できません。
間質性肺炎の申請で大切なことは何ですか?
検査成績、在宅酸素療法の状況、日常生活の制限、自覚症状、他覚所見を具体的に整理し、診断書と申立書に反映させることです。
間質性肺炎で障害年金を検討中の方へ
間質性肺炎の障害年金申請では、呼吸機能の検査数値、在宅酸素療法、日常生活の支障、初診日の整理など、確認すべき点が多くあります。
特に、初診日が国民年金か厚生年金かによって、受給できる等級や金額が変わります。
ご自身で判断が難しい場合は、早めにご相談ください。
