統合失調症で障害年金を申請するポイント|受給資格・認定基準・就労の注意点

統合失調症で障害年金を申請するポイント|受給資格・認定基準・就労の注意点

統合失調症で障害年金を申請するために大切なこと

統合失調症で障害年金を申請するポイントを解説します

統合失調症でも、初診日、保険料納付要件、認定基準を満たし、診断書と病歴・就労状況等申立書の内容が整っていれば、障害年金を受給できる可能性があります。

このページでは、統合失調症で障害年金を申請するときに重要な、働いている場合の審査、収入との関係、受給資格、認定基準、診断書の注意点を解説します。

「統合失調症の障害年金は、収入があってももらえるのか」

「働いていると、審査の基準は厳しくなるのか」

「受給できたあとの収入との調整はあるのか」

このようなお悩みをお持ちではありませんか。

統合失調症でも、適切に準備すれば障害年金を受給することは可能です。

精神疾患でも、実際に年間最低60万円以上を受給している方も多くいらっしゃいます。

※このページは、統合失調症の障害年金について、申請ポイント・受給資格・認定基準に特化したサブページです。受給例や金額の全体像については、統合失調症で障害年金はもらえる?受給できるケースと金額・認定基準を解説をご確認ください。

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執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
統合失調症をはじめ、精神疾患による障害年金のご相談にも対応してまいりました。

統合失調症の障害年金は、定められている認定基準に沿って審査されます。

しかし、統合失調症などの精神疾患がある方が働いていたり収入がある場合、審査や受給後のお仕事について不安に感じる方も多くいらっしゃいます。

働いている場合の審査は難しいのか

よく寄せられるご質問に「働いていて仕事をしている場合、統合失調症で障害年金の審査は難しいのか」というものがあります。

結論から申し上げます。

パートタイムでごく短時間勤務の場合は、直ちに不利にならないこともあります。

しかし、フルタイム勤務や安定した収入がある場合には、審査は厳しくなりやすいです。

通常の仕事ができるほど回復していると判断される場合、障害状態の判断が厳しくなるためです。

ただし、働いているという事実だけで一律に決まるわけではありません。

障害者雇用、短時間勤務、休職中、職場の配慮を受けている場合などは、勤務内容や配慮の状況を丁寧に整理する必要があります。

「病歴・就労状況等申立書」では、働いている経緯や実際の勤務状況を具体的に伝えることが大切です。

参考:病歴・就労状況等申立書を提出するとき|日本年金機構

受給できた後の収入との調整

受給が決定した後、障害基礎年金・障害厚生年金のいずれについても、原則として収入や所得による支給制限はありません。

つまり、受給後に働いたことだけを理由に、直ちに障害年金が停止されるわけではありません。

ただし、例外として、20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。

また、更新時には就労状況も確認されますので、勤務内容、勤務時間、職場の配慮、日常生活への支障を整理しておくことが大切です。

障害年金を受給できる条件

統合失調症の障害年金の受給資格

統合失調症で障害年金を申請するためには、次の3つの要件があります。

  1. 初診日
  2. 保険料納付要件
  3. 認定基準

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日の状態が統合失調症の認定基準に該当すれば、障害年金を受給できる可能性があります。

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。

精神疾患の認定基準

精神疾患で障害年金を受ける際の疑問点のまとめ

精神疾患全体の認定基準では、障害の程度について次のように考えます。

障害の程度 障害の状態
1級 身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない又は行えない程度
2級 家庭内の軽食・最低限の洗濯等はできるが、それ以上の活動はできない程度
3級 労働することはできるが、健常者と同等に労働することはできない程度

精神疾患の程度は、原因、症状、治療、病状の経過、具体的な日常生活状況などにより総合的に認定されます。

統合失調症がどの程度重いのか、医師に十分伝わっていない場合、診断書の内容が実際の状態と合わないことがあります。

そのため、病歴、治療の経過、仕事や日常生活の状況を主治医に伝えることが大切です。

統合失調症の認定要領

統合失調症の障害年金の認定基準

統合失調症という病名だけで認定されるわけではなく、認定基準に該当するかどうかが重要です。

統合失調症の等級の目安

等級 統合失調症の状態
1級 高度の残遺状態又は病状があるため、高度の人格変化、思考障害、妄想・幻覚等の異常体験が著明で、常時の介護が必要なもの
2級 残遺状態又は病状があるため、人格変化、思考障害、妄想・幻覚等の異常体験があり、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの

統合失調症は、予後不良の場合もある一方で、症状が好転することもあります。

反対に、急激に増悪し、その状態が続くこともあります。

そのため、発病時からの療養状況や症状の経過を十分に確認することが大切です。

現に仕事をしている場合でも、労働に従事していることだけで、直ちに日常生活能力が向上したものとは判断されません。

仕事の種類、仕事内容、就労状況、職場で受けている援助、他の従業員との意思疎通の状況なども考慮されます。

神経症の認定

神経症は、症状が長期間持続し、一見重症であっても、原則として障害年金の認定対象とはなりません。

ただし、臨床症状から判断して精神病の病態を示している場合は、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱われることがあります。

詳しくは、神経症で障害年金の申請はできるのか?をご覧ください。

日常生活能力と診断書の注意点

診断書では、「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」の記載内容が重要です。

統合失調症は、症状が軽快したり増悪したりすることがあり、人によって症状もさまざまです。

認定では、入院の有無や経過も重要ですが、日常生活能力の程度が大きな影響を与えます。

主治医に日常生活の状態をよく伝え、実態に合った診断書を作成してもらうことが必要です。

幻聴や妄想がある場合

幻聴や妄想は、統合失調症で障害年金を検討する際に代表的な症状です。

ただし、幻聴や妄想が必須条件というわけではありません。

初期の頃は幻聴や妄想があったが、現在は目立たず、無気力、無表情、意欲低下などの陰性症状が強い場合もあります。

そのような場合も、日常生活への影響を整理して申請を検討します。

病識がない場合

統合失調症の方は、病識が乏しい場合があります。

自己判断で受診を中断するケースもあり、障害認定日当時の診断書が取れず、やむを得ず事後重症請求になることもあります。

また、カルテがない、医院が廃業しているなどの理由で、初診日の証明が難しくなることもあります。

統合失調症では、初診日が特定できないことがあり、不支給となるケースもあります。申請の準備は慎重に行いましょう。

精神の障害に係る等級判定ガイドライン

統合失調症の精神の障害に係る等級判定ガイドライン

統合失調症など、精神疾患の審査では「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が運用されています。

日常生活能力の判定と日常生活能力の程度をもとに、等級の目安を確認します。

統合失調症に関する等級判定ガイドラインの具体的な等級や運用状況については、精神の障害に係る等級判定ガイドライン~精神疾患の審査は厳しいのかにまとめています。

薬で症状が治まっている場合

薬で被害妄想などの症状が一定程度治まっている場合でも、障害年金の対象になる可能性があります。

例えば、働くことができず、無気力状態で家事もできないなど、日常生活に大きな支障がある場合は、状態を丁寧に確認する必要があります。

もちろん、初診日や保険料納付要件を満たしていることが前提です。

統合失調症で障害年金を受給するためには、日常生活への影響や医療記録との整合性が重要です。

よくあるご質問

Q. 統合失調症で障害年金を申請する場合、働いていると不利ですか?

働いている場合でも受給できる可能性はあります。ただし、フルタイム勤務や安定した収入がある場合は、審査上厳しく見られやすくなります。勤務時間、仕事内容、職場の配慮、欠勤や休職の状況を整理することが大切です。

Q. 統合失調症で障害年金を受給した後、収入があると支給停止になりますか?

原則として、障害基礎年金・障害厚生年金には所得による支給制限はありません。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。また、更新時には就労状況も確認されます。

Q. 統合失調症の障害年金で大切な受給資格は何ですか?

初診日、保険料納付要件、認定基準の3つが重要です。初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日の状態が認定基準に該当するかを確認します。

Q. 幻聴や妄想がないと、統合失調症で障害年金は受けられませんか?

幻聴や妄想は代表的な症状ですが、それだけで判断されるわけではありません。陰性症状、意欲低下、対人関係、日常生活への支障なども含めて総合的に判断されます。

Q. 初診日が分からない場合でも請求できますか?

初診日の証明は重要ですが、カルテがない場合でも、診察券、お薬手帳、紹介状、レセプト、第三者証明などから確認できることがあります。

統合失調症で障害年金を検討中の方へ

統合失調症の障害年金は、初診日、保険料納付要件、障害認定日の状態、現在の症状、日常生活状況、就労状況によって判断が分かれます。

特に、初診日の証明、診断書の日常生活能力、病歴・就労状況等申立書の内容に不安がある場合は、早めに資料を確認することが大切です。

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統合失調症で障害年金を申請できるか、働いている場合の審査や診断書の内容に不安がある場合は、状況に応じて確認いたします。

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参考資料

令和6年版厚生労働白書-こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に-(本文)|厚生労働省

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害

精神の障害に係る等級判定ガイドライン

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