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多系統萎縮症も障害年金の対象です

多系統萎縮症とは、神経系の複数の系統(小脳、大脳基底核、自律神経など)がおかされる疾患で、3つのタイプがあります。

引用:多系統萎縮症 – 東京逓信病院

難病であるがゆえ病院を転々とし、なかなか原因が掴めず申請できない場合も多くございます。

具体的にどうすれば、多系統萎縮症で障害年金を受給できるのでしょうか?

解説

以下の順で順番にお話します。

  1. 受給事例
  2. もらえる金額
  3. 認定基準

受給例:多系統萎縮症で障害厚生年金2級-120万円

認定 障害厚生年金2級 認定日請求
相談者 男性 千葉県浦安市
傷病 多系統萎縮症
金額 約120万円

障害認定日による請求

実際に多系統萎縮症で障害年金を受給した例をご紹介します。

ご相談者は、頻尿や排尿困難といった症状があり、最初は総合病院の泌尿器科を受診しました。

しかし、ふらつきも見られたため、同じ病院の神経内科も受診。

腰部MRIを撮影しましたが、原因は特定できず、当時は前立腺肥大症と診断され薬が処方されました。

その後、別の神経内科クリニックを受診し、頭部エックス線、CT、MRI検査の結果、小脳の萎縮が確認され、大学病院へ紹介。

最終的に、頻尿や排尿困難などの症状は多系統萎縮症によるものであると診断されました。

最初の泌尿器科の受診日を多系統萎縮症の初診日として、障害厚生年金の請求。

審査の過程で、半年後に受診した神経内科クリニックの受診状況等証明書の提出を求められましたが、それに加えて以下の書類も提出しました。

多系統萎縮症は、初期段階で病名がつかないことが多いため、初診日の確定が困難な場合があります。

そのため、初診日が認められなかった場合には、審査請求および再審査請求も視野に入れていました。

社労士より

結果、多系統萎縮症で障害厚生年金2級受給。期待通りの結果となりました。

多系統萎縮症で障害年金の金額はいくら

多系統萎縮症で障害年金 金額はいくら? 

多系統萎縮症で障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?

実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。

そこで、多系統萎縮症で受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。

障害年金には、「基礎」と「厚生」の2つがあります。

  1. 基礎::1級と2級
  2. 厚生::1級、2級、3級

このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。

もらえる金額もこれに伴って説明していきます。

また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討下さい。

障害年金の額

多系統萎縮症の障害基礎年金額

多系統萎縮症で、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。

もし遡及請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。

障害基礎年金の等級 金額
1級 1,020,000円/年
+子の加算
2級 816,000円/年
+子の加算

受給権を得た後、翌月分から支給されます。

この金額を6等分して偶数月に受け取ることになります。

初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。

※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。

子の加算

18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

社労士より

一般的には高校卒業までということです

子の人数 金額
1人目/2人目 1人につき 234,800円
3人目以降 1人につき 78,300円

年金の相談

多系統萎縮症の障害厚生年金額

多系統萎縮症で、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、基礎年金に厚生年金が加算されます。

3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。

金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。

例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。

障害厚生年金 金額
1級 報酬比例額加算×1.25
+ 配偶者加給年金
2級 報酬比例額加算×1.0
+ 配偶者加給年金
3級 612,000円/年 金額は一律

報酬比例部分に300月みなしあり

報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。

例えば、会社に入社後、それほどたたずして多系統萎縮症になり障害年金の受給を開始した場合など。

最低25年は年金を納付したものとして、ある程度の額の厚生年金が受給できるようになっています。

また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。

但田社労士より解説

年金制度自体は批判も多いのですが、なかなか手厚くなっています。

計算の基礎となるのは、障害認定日までに納付したものまでです。

配偶者加給年金

多系統萎縮症で1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。

よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。

但田社労士より

その場合、配偶者である夫についても加給年金※が支給されます。

※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。

障害等級 金額
1級・2級
(3級はなし)
234,800円

年金生活者支援給付金

多系統萎縮症の障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。

年金生活者支援給付金は、基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。

金額は毎年変動します。

等級 金額
1級 月6,638円
2級 月5,310円

以上、多系統萎縮症でもらえる金額の詳細は下記にまとめました。

障害年金のもらえる金額はいくらなのか?に概要をまとめました。

受給例:多系統萎縮症で障害厚生年金2級-120万円

認定 障害厚生年金2級 認定日請求
相談者 男性 千葉県浦安市
傷病 多系統萎縮症
金額 約120万円

障害認定日による請求

実際に多系統萎縮症で障害年金を受給した例をご紹介します。

ご相談者は、頻尿や排尿困難といった症状があり、最初は総合病院の泌尿器科を受診しました。

しかし、ふらつきも見られたため、同じ病院の神経内科も受診。

腰部MRIを撮影しましたが、原因は特定できず、当時は前立腺肥大症と診断され薬が処方されました。

その後、別の神経内科クリニックを受診し、頭部エックス線、CT、MRI検査の結果、小脳の萎縮が確認され、大学病院へ紹介。

最終的に、頻尿や排尿困難などの症状は多系統萎縮症によるものであると診断されました。

最初の泌尿器科の受診日を多系統萎縮症の初診日として、障害厚生年金の請求。

審査の過程で、半年後に受診した神経内科クリニックの受診状況等証明書の提出を求められましたが、それに加えて以下の書類も提出しました。

多系統萎縮症は、初期段階で病名がつかないことが多いため、初診日の確定が困難な場合があります。

そのため、初診日が認められなかった場合には、審査請求および再審査請求も視野に入れていました。

社労士より

結果、多系統萎縮症で障害厚生年金2級受給。期待通りの結果となりました。

受給資格

難病で障害年金 申請するために大切なこと

多系統萎縮症で障害年金を申請するために、絶対にはずせない3つの要件があります。

  1. 初診日~いつお医者さんに行ったか
  2. 保険料納付要件~保険料は納めていたか
  3. 認定基準

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「多系統萎縮症の認定基準に該当」すれば、受給できます。

障害認定日は初診日から1年6か月経過したところになります。

認定基準

多系統萎縮症で障害年金 認定基準とは?
受給資格を得るために大切なことは、多系統萎縮症が障害年金の認定基準に該当するかどうかを十分に理解することです。

【参考資料】国民年金・厚生年金保険障害認定基準「肢体の機能の障害」

障害等級 多系統萎縮症の状態
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

多系統委縮症は、体の様々な箇所に症状がでます。

認定基準や診断書は「その症状にあわせて」選択します。

解説

また、進行が早い傾向があるので、準備は早めに進めてください。

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肢体の機能の障害 認定基準 肢体の機能の障害については、次のとおりである。

多系統萎縮症とは、神経系の複数の系統(小脳、大脳基底核、自律神経など)がおかされる疾患で、3つのタイプがあります。

令和6年4月分からの年金額等について

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