てんかんの障害年金は難しい?金額・受給例・認定基準【2026年度】

てんかんの障害年金は難しい?金額・受給例・認定基準【2026年度】

てんかんでも障害年金を受給できる可能性があります。

ただし、病名だけで決まるわけではありません。初診日や保険料納付要件に加え、発作の種類・頻度、日常生活や仕事への支障が重要です。

てんかんの障害年金|金額・受給例・認定基準

このようなお悩みはありませんか。

  • てんかんで障害年金は難しいと聞いたが、自分はもらえるのか
  • てんかんの障害年金はいくらもらえるのか
  • てんかんで実際に受給した例を知りたい

この記事では、てんかんで障害年金を受給できるケース、実際の受給例、金額、認定基準、薬で発作が抑えられている場合や働きながら申請する場合の注意点を解説します。

てんかんで障害年金は難しいのか

てんかんでも、十分な治療を受けても発作が続き、日常生活や仕事に大きな支障がある場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

てんかんで障害年金を申請するために大切なこと

ただし、初診日や保険料納付要件、障害認定基準など、障害年金の要件を満たしているかを確認する必要があります。

てんかんは、薬物療法によって発作が抑えられる場合もあれば、十分な治療をしても発作が残る難治性てんかんの場合もあります。

また、発作の状態には個人差があり、意識障害や転倒の有無、発作の頻度なども異なります。

障害年金の審査では、てんかんという診断名だけではなく、発作の種類や頻度、日常生活や就労への支障が認定基準に該当するかどうかが重要です。

てんかんで障害年金を受給できるケース

発作による危険性や日常生活・仕事への制限がある場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

たとえば、次のような状態です。

  • 十分な治療を受けても意識障害や転倒を伴う発作が繰り返し起きている
  • 発作の危険性があり、一人での外出や日常生活に援助が必要である
  • 発作によって仕事内容や勤務時間に制限がある
  • 発作がない時期にも精神神経症状や認知症状があり、生活や仕事に支障がある

ただし、発作があることだけで障害年金を受給できるわけではありません。

認定基準では、発作の種類をA・B・C・Dに分け、頻度や日常生活への影響などを確認します。

てんかんで障害年金が難しいケース

薬や外科的治療によって発作が抑制されている場合は、発作については原則として認定の対象になりません。

また、次のような場合にも注意が必要です。

  • 発作の種類や頻度が認定基準に該当していない
  • 発作による日常生活や就労への支障が小さい
  • 診断書に発作の状況や生活上の制限が十分に記載されていない
  • 初診日を確認できない、または保険料納付要件を満たしていない

ただし、発作が治まっていても、別に評価すべき精神神経症状や認知障害が残っている場合には、その障害状態を確認する必要があります。

てんかんの障害年金では、実際の発作や障害状態が診断書・申立書に正確に反映されていることが大切です。

特に、次の2点を確認します。

  1. 発作の種類・頻度・障害状態と医師の診断書との整合性
  2. 診断書と病歴・就労状況等申立書との整合性

発作が少なく見える場合も、実際の危険性を確認する

てんかんの発作は診察中に起きるとは限りません。また、ご本人が発作中の記憶を失っているため、意識障害や転倒の有無を十分に説明できない場合もあります。

家族や職場の方が目撃した発作の様子、受診時の記録、発作日誌などがあれば、発作の種類や頻度を確認する手掛かりになります。

発作の回数だけでなく、発作中の意識、転倒、発作後の回復、外出や仕事への制限まで整理することが重要です。

ただし、すべての方に同じ記録が必要という意味ではありません。実際に確認できる範囲の事実を、主治医へ正確に伝えることが大切です。

このあと、実際の受給例、金額、認定基準について順に解説します。

てんかんの障害年金受給例

てんかんの障害年金の受給例

実際にてんかんで障害年金を受給した事例をご紹介します。

てんかんでは、発作がないときの日常生活に大きな支障がなくても、発作による仕事への制限などが問題になることがあります。

障害厚生年金3級・年額約60万円の受給例

精神障害者保健福祉手帳が認められなかったものの、てんかんによる仕事上の制限が評価され、障害厚生年金3級が認定された事例です。

認定 障害厚生年金3級・事後重症請求
相談者 女性・神奈川県川崎市
傷病 てんかん
金額 年額約60万円(認定当時)

てんかんの障害年金の事後重症請求についての説明

てんかんの発作が起こっていない時の日常生活には、特に問題がないとのことでした。

以前、精神障害者保健福祉手帳の申請をしたものの、認められなかったそうです。

そのため、「障害年金を申請しても認められないのでは」と迷っていらっしゃいました。

しかし、てんかんのため仕事に就くうえで制限があるのも事実でした。

総合的にお話を伺った結果、障害厚生年金3級に認定される可能性をお伝えし、代理で請求しました。

その結果、無事に障害厚生年金3級に認定されました。

ご本人様「やってみるもんですね!」

但田社労士
但田社労士
その通りです。手帳が認められなかったことで、障害年金の請求も迷われていました。ただ、発作がないときの生活に大きな支障がなくても、仕事上の制限があることは見逃せません。実際の状況を丁寧に伺うことが大切だと感じます。

精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別の制度です

精神障害者保健福祉手帳が認められなかった場合でも、それだけで障害年金が不支給になるわけではありません。

障害年金は、初診日、保険料納付要件、障害の状態などに基づいて個別に判断されます。

てんかんで障害年金の金額はいくら?

てんかんでもらえる障害年金の金額は、年金の種類、等級、家族構成などによって異なります。

てんかんの障害年金で受け取れる金額の目安

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。

  • 障害基礎年金:1級・2級
  • 障害厚生年金:1級・2級・3級

初診日に加入していた年金制度によって、受け取れる年金の種類が変わります。障害厚生年金1級・2級では、原則として障害基礎年金もあわせて受け取ります。

受給後は、国民年金保険料の法定免除の対象になる場合もあります。

障害基礎年金と障害厚生年金の金額の仕組み

てんかんの障害基礎年金額

障害基礎年金は、1級・2級ごとに基本となる年額が決まっています。

令和8年度(2026年4月分~2027年3月分)の金額は、次のとおりです。

等級 年額 月額換算
1級 1,059,125円 約88,260円
2級 847,300円 約70,608円

※昭和31年4月2日以後生まれの方の金額です。昭和31年4月1日以前生まれの方は金額が異なります。子の加算は含みません。

※月額換算は年額を12で割った参考額です。年金は原則として偶数月に2か月分ずつ支給されます。

障害基礎年金の子の加算

障害基礎年金1級・2級の受給者に、生計を維持している対象年齢の子がいる場合は、子の加算がつくことがあります。

対象となるのは、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子です。

子の人数 令和8年度の加算年額
1人目・2人目 1人につき243,800円
3人目以降 1人につき81,300円

障害基礎年金の子の加算についての説明

てんかんの障害厚生年金額

障害厚生年金は、過去の標準報酬や厚生年金の加入期間などをもとに計算します。

そのため、障害基礎年金と異なり、金額は一律ではありません。

障害厚生年金 基本となる金額
1級 報酬比例額×1.25
2級 報酬比例額
3級 報酬比例額(最低保障あり)

1級・2級では、上記の障害厚生年金部分に、原則として同じ等級の障害基礎年金も加わります。

3級には障害基礎年金がつきませんが、最低保障があります。

令和8年度の障害厚生年金3級の最低保障額は、年635,500円です。

※昭和31年4月2日以後生まれの方の場合。昭和31年4月1日以前生まれの方は年633,700円です。

これは最低保障額であり、すべての方の金額が635,500円になるわけではありません。

報酬比例部分に300月みなしあり

厚生年金の被保険者期間が300月未満の場合は、原則として300月とみなして計算する仕組みがあります。

ただし、300月分の保険料を実際に納付したことになるわけではありません。

また、障害認定日の属する月より後の被保険者期間は、原則として障害厚生年金の計算の基礎には入りません。

障害厚生年金の配偶者加給年金

障害厚生年金1級・2級では、一定の要件を満たす65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金がつくことがあります。

配偶者の性別は問いません。夫が対象になる場合もあります。

ただし、配偶者自身が一定の老齢厚生年金や障害年金の受給権を持つ場合などは、加給年金が支給停止となることがあります。

令和8年度の配偶者加給年金額は、年243,800円です。

障害厚生年金の配偶者加給年金についての説明

年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金は、障害基礎年金を受給している方のうち、前年所得などの要件を満たす方に支給される給付金です。

令和8年度の月額は、次のとおりです。

等級 給付金月額
1級 7,025円
2級 5,620円

障害基礎年金1級・2級の方すべてに自動的に支給されるものではありません。障害厚生年金3級のみを受給している方は対象外です。

てんかんの時効と遡及請求

障害認定日当時に障害年金の要件を満たしていた場合は、過去にさかのぼって請求できることがあります。

ただし、遡って受け取れる年金は原則として時効により5年分が限度です。

必ず5年分を受け取れるわけではなく、障害認定日当時の発作の状況や診断書などを確認する必要があります。

詳しくは、障害年金の遡及請求をご覧ください。

てんかんで受け取れる年金額の目安|6つのモデルケース

同じてんかんでも、加入していた年金制度や等級、過去の標準報酬によって受給額は異なります。

実際にどのくらいの障害年金を受け取れるのか、6つのモデルケースで比較してみましょう。

以下は令和8年度の障害基礎年金額と、障害厚生年金の報酬比例部分を組み合わせた簡易試算です。

会社員のモデルは、過去の平均標準報酬額(賞与を含む月額換算)を年収300万円・500万円相当と仮定しています。

比較しやすくするため、報酬比例部分は平成15年4月以降の計算式を用い、300月みなしを適用したモデルです。

※再評価率、平成15年3月以前の加入期間などは反映していません。実際の年金額とは異なる簡易的な計算例です。

ケース 年収モデル 等級 年金の種類 概算年額・月額換算 備考
① 自営業・専業主婦など ― 2級 障害基礎年金 847,300円/年
約70,608円/月
子の加算を除く基本額
② 自営業・専業主婦など ― 1級 障害基礎年金 1,059,125円/年
約88,260円/月
2級の1.25倍
③ 会社員 300万円相当 3級 障害厚生年金 635,500円/年
約52,958円/月
このモデルでは最低保障額を適用
④ 会社員 300万円相当 2級 障害基礎年金+障害厚生年金 約126万円/年
約10.5万円/月
基礎年金+報酬比例部分
⑤ 会社員 500万円相当 2級 障害基礎年金+障害厚生年金 約153万円/年
約12.8万円/月
基礎年金+報酬比例部分
⑥ 会社員 500万円相当 1級 障害基礎年金+障害厚生年金 約192万円/年
約16.0万円/月
1級の基礎年金+報酬比例部分の1.25倍

モデルケースを見るときの注意点

  • ①②③の金額は令和8年度の公表額・最低保障額を用いています。
  • ④⑤⑥は一定の前提を置いた簡易試算で、実際の年金見込額ではありません。
  • 年収モデルは現在の年収ではなく、過去の標準報酬を賞与込みで月額換算した仮定です。
  • 厚生年金の加入時期、加入期間、標準報酬、再評価率によって実際の年金額は異なります。
  • 配偶者加給年金、子の加算、年金生活者支援給付金は含めていません。
  • 昭和31年4月1日以前生まれの方は、基礎年金額や最低保障額が異なります。

このように、てんかんで同じ等級に認定された場合でも、初診日に加入していた年金制度や、過去の給与・賞与などによって受給額は変わります。

てんかんの金額については、てんかんの障害年金の金額でも解説しています。

年金額全般について詳しく確認したい方は、障害年金はいくらもらえる?【2026年度】1級・2級・3級の金額目安と早見表をご覧ください。

受給されたお客様の声

当事務所に寄せられたお客様のご感想と、Googleに投稿された口コミをご紹介します。

但田社労士
但田社労士

多くの方から温かいお言葉をいただいております。いつも本当にありがとうございます。

てんかんで障害年金の対象になるか気になる方は、無料相談をご利用ください。

てんかんで障害年金を受け取る条件(受給資格)

てんかんで障害年金を受け取るには、主に3つの要件を確認します。

てんかんで障害年金を受給するための3つの条件

  1. 初診日
  2. 保険料納付要件
  3. 障害の状態・認定基準

初診日は、てんかんの原因となった傷病について、初めて医師などの診療を受けた日です。

てんかんでは、現在の診断名がつく前に、けいれんや意識消失などで医療機関を受診している場合もあります。

また、子どもの頃から発作がある場合など、長期間にわたる受診歴を確認する必要があるケースもあります。

保険料納付要件は、原則として初診日の前日時点で確認します。20歳前傷病など、保険料納付要件が問われない場合もあります。

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。

障害認定日に認定基準に該当していない場合でも、その後発作や症状が悪化した場合には、事後重症請求を検討できます。

子どもの頃からの発作と初診日の確認

てんかんでは、小児期にけいれんや意識消失などで医療機関を受診し、成人後に改めててんかんと診断されることがあります。

現在の病院で診断された日が初診日とは限りません。以前の受診と現在の傷病との関連性を確認し、当時の受診記録、紹介状、お薬手帳など残っている資料を整理します。

初診日が20歳前の場合は、20歳前傷病による障害基礎年金の扱いとなることがあり、保険料納付要件や所得制限の取扱いも異なります。初診日が厚生年金加入中かどうかにも影響するため、受診歴の確認は重要です。

精神疾患の障害年金認定基準

てんかんは、障害年金の認定上「精神の障害」の認定基準により判断されます。

精神の障害に関する障害年金認定基準

精神の障害では、病気の種類や症状だけでなく、治療や病状の経過、具体的な日常生活状況などを総合的に確認します。

障害等級の一般的な考え方は、次のとおりです。

等級 障害の状態の考え方
1級 日常生活の用を弁ずることができない程度
2級 日常生活に著しい制限を受ける程度
3級 労働に著しい制限又は一定の制限を受ける程度

※3級は障害厚生年金の等級です。障害基礎年金には3級はありません。

てんかんでは、この一般的な基準に加え、発作の種類や頻度に応じた具体的な認定要領が定められています。

てんかんの障害年金認定要領

てんかんでは、発作のA・B・C・D分類、発作の頻度、日常生活や仕事への制限などが認定の判断材料になります。

てんかんの障害年金認定基準|発作の種類と頻度

てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類発作などに分類されますが、具体的に現れる症状は多彩です。

発作の頻度も、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまでさまざまです。

認定基準では、各等級に相当する状態を次のように例示しています。

等級 てんかんの認定要領
1級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ常時の援助が必要なもの
2級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくはC又はDが月に1回以上あり、かつ日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくはC又はDが月に1回未満あり、かつ労働が制限を受けるもの

※上記は障害認定基準に示された障害状態の例示です。発作の回数だけで等級が決まるわけではありません。

てんかん発作のA・B・C・D分類

障害年金の認定基準では、発作のタイプを次のように分類しています。

発作 発作の状態
A 意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B 意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C 意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D 意識障害はないが、随意運動が失われる発作

たとえば、意識障害を伴う発作でも、転倒する場合としない場合では、認定基準上の発作の分類が異なることがあります。

そのため、実際にどのような発作が起きているか、意識障害や転倒の有無などを正確に確認する必要があります。

発作の頻度だけで障害等級は決まらない

てんかんの障害年金では、発作の種類や頻度に加え、発作による危険性や日常生活への影響も重要です。

認定にあたっては、次のような点も確認されます。

  • 意識障害や転倒の有無
  • 発作による生命の危険性
  • 社会生活での危険性
  • 発作が起きていない時期の精神神経症状や認知障害
  • 日常生活動作がどの程度損なわれているか
  • 仕事や社会生活にどのような制限があるか

また、さまざまなタイプの発作があり、発作がない時期にも精神神経症状や認知障害がある場合には、治療経過や日常生活の状況によって上位等級に認定される可能性もあります。

詳しくは、てんかんの障害年金|申請のポイント・受給資格・認定基準でも解説しています。

薬や外科的治療で発作が抑えられている場合

抗てんかん薬や外科的治療によって発作が抑制されている場合、発作については原則として認定の対象になりません。

てんかんに関するお問い合わせは多いのですが、「自分は障害年金の対象にならないのではないか」と言われることがあります。

障害年金の対象として検討されるのは、たとえば次のようなケースです。

  1. 難治性てんかん:十分な薬物療法を行っても発作を抑制できず、慢性的に発作が続いている場合
  2. てんかん性精神病など:発作が治まっていても、幻覚や妄想などの精神症状によって生活に大きな支障がある場合

てんかんの審査には難しい面もありますが、てんかん自体が障害年金の申請対象にならないという意味ではありません。

薬で抑えきれない発作がある場合や、発作が治まった後も精神神経症状や認知障害などが残っている場合には、障害年金の対象となる可能性があります。

働きながらの受給は難しいのか

てんかんで働いているだけで障害年金の対象外にはなりませんが、発作による仕事上の制限や日常生活への影響が重要です。

てんかんで仕事をしている場合、収入があるという理由だけで障害年金を受給できなくなるわけではありません。

ただし、仕事内容や勤務時間、職場での配慮、発作による危険性などは審査に影響することがあります。

特に、次のような事情がある場合は、就労状況を整理する必要があります。

  • 発作のため運転業務を担当できない
  • 高所作業や機械操作など危険を伴う業務が制限されている
  • 単独作業が難しく、見守りや援助を受けている
  • 夜勤や長時間勤務を制限されている
  • 発作や体調不良による欠勤・早退がある

先ほどの受給事例でも、発作がないときの日常生活には特に問題がないものの、仕事に就くうえで制限があり、障害厚生年金3級に認定されました。

つまり、仕事をしているかどうかだけでなく、実際にどのような制限を受けているかが重要です。

診断書と病歴・就労状況等申立書の注意点

てんかんの障害年金では、発作の種類・頻度・治療状況・生活上の制限が、診断書と申立書に正確に反映されていることが大切です。

てんかんの診断書では、発作の種類や頻度、意識障害や転倒の有無、治療経過などが重要になります。

また、発作が起きていない時期の精神神経症状や認知障害、日常生活や就労への支障なども確認する必要があります。

申立書では、発症から現在までの経過、受診状況、発作による日常生活や仕事への影響を具体的に整理します。

発作の状況を具体的に伝える

発作の回数だけでは、実際の障害状態が十分に伝わらない場合があります。

たとえば、発作時に意識を失うのか、転倒するのか、発作後にどの程度の時間で回復するのかなどです。

本人が発作の様子を覚えていない場合もありますので、家族や周囲の方から確認できることもあります。

発作の記録などを参考にして、主治医に正確な状況を伝えることが大切です。

日常生活や就労への影響を整理する

発作の危険性があるため外出を控えている場合や、一人での行動が難しい場合などは、日常生活上の制限を具体的に伝えます。

仕事をしている場合も、担当できない業務、勤務時間の制限、職場で受けている配慮などを整理することが重要です。

診断書だけでは伝わりにくい事情を、病歴・就労状況等申立書で補足します。

発作の記録と医師への情報共有

診断書をお願いする前に、発作が起きた日、発作の前後の様子、意識や転倒の有無、発作後に必要だった休息や援助などを、分かる範囲で整理しておくと役立ちます。

とくにご本人が発作を覚えていない場合には、ご家族などが見た状況を主治医に伝えることも大切です。仕事については、運転・高所作業・単独作業など実際に制限されている業務を具体的に整理します。

発作の頻度を誇張したり、確認できないことを断定したりせず、診断書と申立書に整合性のある説明をすることが基本です。

よくあるご質問

てんかんでも障害年金はもらえますか?

てんかんでも、十分な治療を受けても発作が続き、発作の種類や頻度、日常生活や仕事への支障が障害認定基準に該当する場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

薬で発作が抑えられている場合も対象になりますか?

薬や外科的治療によって発作が抑制されている場合、発作については原則として認定対象になりません。ただし、精神神経症状や認知障害など、別に評価すべき障害状態がある場合は個別に確認する必要があります。

てんかんで障害年金3級になることはありますか?

初診日に厚生年金に加入しており、十分な治療を受けても発作などが続き、労働に制限がある場合は、障害厚生年金3級に認定される可能性があります。

発作がないときは普通に生活できる場合、障害年金は難しいですか?

発作がないときの日常生活に大きな支障がない場合でも、発作の種類や頻度、危険性、仕事への制限などによって判断が分かれます。実際に障害厚生年金3級が認められた事例もあります。

精神障害者保健福祉手帳がなくても申請できますか?

はい。精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別の制度です。手帳を持っていない場合や手帳が認められなかった場合でも、障害年金の要件を満たせば受給できる可能性があります。

てんかんで遡及請求はできますか?

障害認定日当時に障害年金の要件を満たしていた場合は、遡及請求を検討できます。ただし、障害認定日当時の発作や障害状態を確認できる診断書などが必要で、必ず過去5年分を受け取れるわけではありません。

執筆者紹介:障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,322件(令和8年10月末現在)・受給率97.8%。
てんかんをはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。

てんかんの障害年金では、発作の種類や頻度だけでなく、日常生活や仕事への支障、診断書や病歴・就労状況等申立書の内容を確認することが大切です。

これまでの相談経験をもとに、申請時の注意点や実際の受給事例について解説しています。

てんかんでは、発作のない時間は普段どおりに見えても、いつ起きるか分からない発作への不安や、仕事・外出の制限に悩まれている方がいらっしゃいます。ご本人やご家族のお話を丁寧に伺い、実際の生活状況が正しく伝わる申請をお手伝いしていきたいと思います。

てんかんで障害年金を検討中の方へ

てんかんの障害年金では、初診日、保険料納付要件、発作の種類・頻度、治療状況、日常生活や就労への支障、診断書などを総合的に確認する必要があります。

特に、十分な治療を受けても発作が続いている場合や、発作がない時期にも精神神経症状や認知障害がある場合には、実際の障害状態を具体的に整理することが大切です。

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参考資料

てんかんの認定基準や年金額については、以下の公的資料をご参照ください。

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