てんかんで障害年金はもらえる?受給例・金額・受給資格・認定基準を解説

てんかんで障害年金はもらえる?受給例・金額・受給資格・認定基準を解説

てんかんで障害年金の受給まとめ

てんかんで障害年金はもらえる?

結論から申し上げますと、てんかんでも障害年金を受給できる可能性はあります。

ただし、受給できるかどうかは、病名だけでは決まりません。発作の種類や頻度、治療状況、日常生活や就労への支障、診断書の内容、申請書類の整合性を総合的に確認する必要があります。

「てんかんで障害年金は難しいと聞いたが、自分はもらえるのか」

「実際に受給した例を知りたい」

「もらえる金額や認定基準を確認したい」

このようなお悩みをお持ちの方に向けて、専門家の視点から詳しく解説します。

このページでわかること

  • てんかんで障害年金を受給できるケース
  • 認定基準と等級の考え方
  • 実際の受給事例
  • もらえる金額の目安
  • 申請で大切なポイント

てんかんでも、適切に準備すれば障害年金を受給できる可能性があります。

実際に、年間60万円以上を受給している方もいらっしゃいます。1級に認定されれば、年額100万円を超えるケースもあります。

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この記事の内容は以下からすぐ確認できます。

執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子

はじめまして。

当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。

経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
てんかんをはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。

障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が難しくなったときに支給される大切な制度です。

この記事では、てんかんで障害年金を申請する際のポイント、実際の受給事例、もらえる金額の目安を解説します。

てんかんで障害年金は難しいのか

てんかんで障害年金を申請するために大切なこと

大切なことは、「てんかんという病名」ではなく、発作の種類や頻度、日常生活や就労への支障が、障害年金の認定基準に該当するかどうかです。

てんかんは、薬物療法によって発作が抑えられる場合もあれば、十分な治療をしても発作が残る難治性てんかんの場合もあります。

受給できるかどうかは、診断名だけでなく、実際の生活上の困難や発作の状況によって判断されます。

てんかんの障害年金では、次の点を順に確認することが大切です。

  1. もらえる金額
  2. 受給事例
  3. 障害年金を受給できる条件
  4. 認定基準
  5. 診断書と申立書の注意点

てんかんで障害年金の金額はいくら?

てんかんの障害年金でもらえる金額の目安

てんかんで障害年金が受給できた場合、等級や初診日に加入していた年金制度により金額が変わります。

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

  1. 障害基礎年金:1級・2級
  2. 障害厚生年金:1級・2級・3級

初診日に国民年金に加入していた方は障害基礎年金、厚生年金に加入していた方は障害厚生年金の対象になります。

また、1級・2級に認定された場合は、障害基礎年金に子の加算、障害厚生年金に配偶者加給年金がつくことがあります。

▶ てんかんの障害年金の金額を詳しく見る

障害基礎年金額と子の加算

障害等級 金額
1級 1,059,125円/年
+子の加算
2級 847,300円/年
+子の加算

障害厚生年金額と配偶者加給年金

障害厚生年金 金額
1級 報酬比例額×1.25
+配偶者加給年金
2級 報酬比例額
+配偶者加給年金
3級 最低保障額 635,500円/年

てんかんで障害年金を受給した事例

てんかんの障害年金の受給例

受給例|障害厚生年金3級・年額約60万円

認定 障害厚生年金3級 事後重症請求
相談者 女性 神奈川県川崎市
傷病 てんかん
金額 年額約60万円

てんかんの事後重症による請求

てんかんの発作が起こっていない時の日常生活には、特に問題がないとのことでした。

以前、精神障害者保健福祉手帳の申請をしたものの、認められなかったそうです。

そのため、「障害年金を申請しても認められないのでは」と迷っていらっしゃいました。

しかし、てんかんのため仕事に就くうえで制限があるのも事実でした。

総合的にお話を伺った結果、障害厚生年金3級に認定される可能性をお伝えし、代理で請求しました。

その結果、無事に障害厚生年金3級に認定されました。

てんかんの障害年金を受給できる条件

てんかんの障害年金の受給資格

てんかんで障害年金を申請するためには、次の3つの重要な要件があります。

  1. 初診日要件
  2. 保険料納付要件
  3. 障害状態要件

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「てんかんの認定基準に該当」すれば、障害年金を受給できる可能性があります。

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。

精神疾患の障害年金認定基準

精神疾患で障害年金の認定基準

てんかんは、精神の障害の認定基準により判断されます。

精神疾患全体の基準では、等級について次のように考えます。

障害の程度 障害の状態
1級

身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない又は行えない程度

2級

家庭内の軽食・最低限の洗濯等はできるが、それ以上の活動はできない程度

3級

労働することはできるが、健常者と同等に労働することはできない程度

精神疾患は、原因、諸症状、治療、病状の経過、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定されます。

てんかんでは、発作の頻度や重症度だけでなく、発作がない時期の精神神経症状、認知症状、日常生活や就労への支障も重要になります。

てんかんの障害年金認定要領

てんかんの障害年金の認定基準

てんかんで障害年金を受け取るためには、障害年金の認定基準に該当するかどうかを理解することが大切です。

てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類発作などに分類されますが、具体的に出現する症状は多彩です。

発作頻度も、薬物療法により完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまでさまざまです。

また、てんかんは発作の重症度や頻度だけでなく、発作間欠期における精神神経症状や認知症状にも留意する必要があります。

障害の程度 障害の状態
1級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ常時の援助が必要なもの
2級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくはC又はDが月に1回以上あり、かつ日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくはC又はDが月に1回未満あり、かつ労働が制限を受けるもの

発作のタイプは次のとおりです。

  • A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す
  • B:意識障害の有無を問わず、転倒する
  • C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない
  • D:意識障害はないが、随意運動が失われる

認定にあたっては、重症度、意識障害の有無、生命の危険性、社会生活での危険性、発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知症状によって日常生活動作がどの程度損なわれているかが重視されます。

また、さまざまなタイプのてんかん発作が出現し、間欠期に精神神経症状や認知症状がある場合、治療や病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定される可能性があります。

薬や外科的治療で発作が抑制されている場合

てんかんに関するお問い合わせは多いのですが、「自分は障害年金の対象にならないのではないか」と言われることがあります。

抗てんかん薬の服用や外科的治療によって発作が抑制されている場合、原則として認定の対象になりにくいためです。

障害年金の対象として検討されやすいのは、たとえば次のようなケースです。

  1. 難治性てんかん:発作が抗てんかん薬の服用で抑制できずに慢性化するもの
  2. てんかん性精神病:てんかん発作は治まったものの、その後、幻覚や妄想などの精神病様症状があるもの

てんかんの審査には難しい面もありますが、てんかん自体が障害年金の申請対象にならないという意味ではありません。

薬で抑えきれない発作がある場合や、発作が治まった後も精神病的な症状が続く場合などは、障害年金の対象になる可能性があります。

よくあるご質問

Q. てんかんでも障害年金はもらえますか?

てんかんでも、発作の種類や頻度、治療状況、日常生活や就労への支障が認定基準に該当する場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

Q. 薬で発作が抑えられている場合も対象になりますか?

薬や外科的治療で発作が抑制されている場合は、原則として認定の対象になりにくいです。ただし、精神神経症状や認知症状、就労制限などがある場合は個別に確認が必要です。

Q. てんかんで障害年金3級になることはありますか?

初診日に厚生年金に加入しており、発作や症状により労働に制限がある場合は、障害厚生年金3級に認定される可能性があります。

Q. 発作がない時は普通に生活できる場合、障害年金は難しいですか?

発作がない時の日常生活に大きな支障がない場合でも、発作の内容や危険性、就労制限、治療経過によって判断が分かれます。診断書と申立書で実際の状況を具体的に伝えることが大切です。

Q. てんかんで遡及請求はできますか?

障害認定日頃の診断書を取得でき、その時点で発作の頻度や日常生活・就労への支障が認定基準に該当していれば、遡及請求を検討できます。

てんかんで障害年金を検討中の方へ

てんかんの障害年金は、初診日、保険料納付要件、障害認定日の状態、現在の発作状況、診断書、病歴・就労状況等申立書、日常生活や就労への支障によって判断が分かれます。

特に、発作の種類や頻度、薬で抑えきれているか、発作がない時の状態、精神神経症状や認知症状の有無を整理することが大切です。

無料相談をご利用ください

てんかんで障害年金を申請できるか、発作の頻度や就労制限で不安がある場合は、状況に応じて確認いたします。

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参考資料

てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作などに分類されるが、具体的に出現する臨床症状は多彩である。また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまで様々である。

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