「関節リウマチで障害年金を受給した例を知りたい。」
「今から障害年金を申請するが、もらえる金額や認定基準を知りたい。」
そのようなご相談に向けてお話しします。
はじめまして。
社会保険労務士の但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、10年以上「関節リウマチなど障害年金申請のサポート」を行っております。
関節リウマチで、障害年金の申請を忘れていませんか?
関節リウマチの障害年金とは
関節リウマチは「上肢」「下肢」「体幹・脊柱の機能」及び「肢体の機能」に区分されます。
上肢や下肢それぞれの認定もありえますし、上下肢の広範囲にわたる場合など「肢体の機能の障害」として認定される場合もございます。
特に女性からのお問い合わせが多い障害です。
肢体での申請が多いのですが、障害の状態により「適切なもの」を検討します。
どうすれば、関節リウマチで障害年金を受給できるのでしょうか?
専門の女性社労士が受給例・金額・認定基準を解説します!

日常生活に制限があり将来の生活に不安を感じて悩まれる前に、障害年金をご相談頂ければと思います。
- 受給事例
- もらえる金額
- 受給資格(認定基準)
関節リウマチの障害年金受給例
いろいろな事例がございますのでご参考下さい。
関節リウマチで障害厚生年金2級
認定 | 障害厚生年金2級 事後重症請求→初めて2級 |
相談者 | 50代女性 東京都品川区 |
傷病 | 関節リウマチ 脳性麻痺 |
受給額 | 約180万円 |
子供の頃に脳性麻痺を発症。
障害者手帳はお持ちですが、5級(両手指機能障害)と軽いものでした。
しかし、10年程前に関節リウマチを発症され、現在はかなり症状が重い状態。
最初はご自身で申請の準備をされていたのですが、1人では無理だということでご依頼頂きました。
既に、関節リウマチの受診状況等証明書を取得されていらっしゃいました。
ただ、お話をしている中でもう少し前に他院を受診されている可能性が出てきたのです。
探して頂いたところ、診察券も出てきて病院に確認。
何とか関節リウマチのカルテもあり受診状況等証明書を取り直し。
審査途中、年金事務所より脳性麻痺の障害と関節リウマチの障害をあわせて初めて2級の請求に切り換えるかどうかの照会がありました。
どちらも請求した翌月分からの受給なので、躊躇なく初めて2級に切り換えました。
今回事後重症請求でしたので、切り替えても不利益はありません。

無事、障害厚生年金2級認定です。
関節リウマチで障害厚生年金3級
認定 | 障害厚生年金3級 事後重症請求 |
相談者 | 50代女性 東京都台東区 |
傷病 | 関節リウマチ(関節リウマチ) |
受給額 | 約60万円 |
初診日が、昭和57年の厚生年金加入中。
その後徐々に病状が悪化され人工膝関節を挿入。
初診日が40年近く前のため、病院には記録はまったく残っていません。
初診日がかなり前でしたので、初診の証明は取れませんでした。

次の病院での記載内容と医療費を払ったことに関する書類などを添付し請求。
請求した後、審査期間3か月で障害厚生年金3級決定!
初診日が厚生年金加入中だった方で、人工関節・人工骨頭を挿入されている方は基本的に3級に認定されます。

記録がなくてもあきらめず進めていきましょう。
関節リウマチで障害年金の金額はいくら
関節リウマチで受け取れる金額はいくらになるでしょうか。
関節リウマチの障害基礎年金額
関節リウマチで障害年金が認定され、もらえる金額は障害基礎年金か障害厚生年金かで異なります。
もし遡及請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。
もちろん全員が該当するわけではないのですが、まだ障害年金を請求していないとき、最大5年分遡ることができるのです。これを遡及請求(そきゅうせいきゅう)といいます。
障害等級 | 金額 |
障害基礎年金
1級 |
993,750円/年
+子の加算 |
障害基礎年金
2級 |
795,000円/年
+子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
この金額を6等分して偶数月に受け取ります。
※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。
子の加算
18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

一般的には高校卒業までということです
子の人数 | 金額 |
1人目
2人目 |
1人につき 228,700円 |
3人目以降 | 1人につき 76,200円 |
関節リウマチの障害厚生年金額
関節リウマチで障害年金1級、2級に認定された場合、障害基礎年金に厚生年金が加算されます。
3級は厚生年金しかありません。
障害厚生年金の金額は、給与や厚生年金を納めていた期間(年齢)に比例するため、人により金額はまったく違います(給与30万円と45万円で1.5倍違います)。
障害基礎年金
1級 |
報酬比例額加算×1.25
+配偶者加給年金 |
障害基礎年金
2級 |
報酬比例額加算×1.0
+配偶者加給年金 |
障害厚生年金
3級 |
596,300円
金額は一律 |
配偶者加給年金
関節リウマチで1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいるとき、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。
よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、配偶者である夫についても加給年金が支給されます。
※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。
障害等級 | 金額 |
1級・2級
(3級はなし) |
228,700円 |
年金生活者支援給付金
関節リウマチの障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。
障害年金を受給した際「年金生活者支援給付金」が加算して支給されるようになりました。
年金生活者支援給付金は基礎年金も厚生年金も変わらず2級以上であれば支給されます。
金額は毎年変動します。
2級 月5,140円
1級 月6,425円
以上、もらえる金額には年収などにより、いろいろと例外もあります。
障害年金の受給が無事決まった後、金額はいくらもらえるのでしょうか?
受給資格
関節リウマチで受給資格を得るために以下の3つが大切になります。
初診日と保険料納付
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- 初診日
- 保険料納付要件
- 認定基準
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初診日と保険料納付要件まとめ。
障害年金をもらうために大切な3つの要件(初診日・保険料納付・認定基準)
関節リウマチの認定基準
関節リウマチは、関節可動域の制限と筋力低下に加え、日常生活動作における制限を考慮してのトータル審査となります。

つまり、日常生活を送る上で動作に制限があることを伝えることも、大事となります。
【参考資料】国民年金・厚生年金保険障害認定基準「肢体の機能の障害」
等 級 | 関節リウマチの状態 |
1級 | 1級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
関節リウマチの認定要領
(1)肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる関節リウマチの場合、肢体の機能の障害として認定。
(2)関節リウマチの程度は関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し日常生活における動作の状態から総合的に認定。
なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については以下を考慮し総合的に認定
関節リウマチで障害年金を受給できる基準。
-
-
- 筋力
- 巧緻性
- 速さ
- 耐久性
- 日常生活における動作の状態から
-
これらの動作の制限が、障害年金認定の重要ポイントとなります。
(3)関節リウマチで受給できると認められるものを一部例示すると次のとおり。
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 | 1.一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 2.四肢の機能に相当程度の障害を残すもの |
2級 | 1.一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの 2.四肢に機能障害を残すもの |
3級 | 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
(注)関節リウマチの障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領による。
なお、関節リウマチの障害が上肢及び下肢の広範囲にわたり、上肢と下肢の状態が相違する場合、重い方の肢で判断し、認定すること。
(4)関節リウマチの日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次の通り。
ア 手指の機能
- つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- タオルを絞る(水がきれる程度)
- ひもを結ぶ
イ 上肢の機能
- さじで食事をする
- 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
ウ 下肢の機能
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
なお、手指と上肢は、切り離して評価することなく、手指と上肢の機能の一部として取り扱う。
(5)関節リウマチの障害の程度と、日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと次のとおり。
ア「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいう。
イ「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいう。
ウ「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう。
関節リウマチの障害年金申請はいろいろと複雑な点もあり、女性社労士が受給資格の初回無料相談でサポートしています。
肢体の機能の障害 認定基準 肢体の機能の障害については、次のとおりである。
引用元:日本年金機構国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第4 肢体の機能の障害
関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)とは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる病気です。
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