この記事では、受給のポイントや実際の事例、もらえる金額の目安を詳しく解説します。

申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の目次

関節リウマチと障害年金とは

関節リウマチ(RA)とは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる病気です。引用:関節リウマチ(RA) | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

膠原病は以前、歌手の八代亜紀さんの話題で知られましたが、これは一つの病気ではなく、いくつかの病気の総称です。

ほとんどの相談者様は、全身症状や皮膚、関節の症状を抱えており、さらに内臓や血管にも病気が現れることがあります。

その中でも、関節リウマチは「上肢」「下肢」「体幹・脊柱の機能」及び「肢体の機能」に区分されます。

上肢や下肢それぞれの認定や、上下肢に広範囲にわたる場合など、状況によっては「肢体の機能の障害」として認定されることもあります。

特に女性からのお問い合わせが多く、肢体の障害に関する申請が多いのが現状です。

ただし、障害年金の申請では、障害の状態に応じて「適切な認定区分」を検討することが重要です。

日常生活に制限があることで将来の生活に不安を感じる前に、ぜひ障害年金についてご相談ください。

解説

ここでは、どうしたら関節リウマチで障害年金を受給できるのかお話します。

以下の順番でお話致します。

  1. もらえる金額
  2. 受給事例
  3. 受給資格
  4. 認定基準

関節リウマチで障害年金の金額はいくら

関節リウマチで障害年金 金額はいくら?

関節リウマチで障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?

実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。

そこで、関節リウマチで受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。

障害年金には、「基礎」と「厚生」の2つがあります。

  1. 基礎::1級と2級
  2. 厚生::1級、2級、3級

このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。

もらえる金額もこれに伴って説明していきます。

障害年金の額

関節リウマチの障害基礎年金額

関節リウマチで障害年金が認定され、もらえる金額は障害基礎年金か障害厚生年金かで異なります。

もし遡及請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。

障害等級 金額
障害厚生年金

1級

1,039,625円/年

+子の加算

障害基礎年金

2級

831,700円/年

+子の加算

受給権を得た後、翌月分から支給されます。

1年の金額を6等分して、偶数月に受け取ることになります。初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。

※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。

子の加算

18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

社労士より

一般的には高校卒業までということです

子の人数 金額
1人目

2人目

1人につき 239,300円/年
3人目以降 1人につき 79,800円/年

障害年金の検討

関節リウマチの障害厚生年金額

関節リウマチで、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、障害基礎年金に加えて厚生年金が加算されます。

3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。

障害厚生年金の金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。

障害厚生年金

1級

報酬比例額加算×1.25

+配偶者加給年金

障害厚生年金

2級

報酬比例額加算×1.0

+配偶者加給年金

障害厚生年金

3級

612,000円

金額は一律

配偶者加給年金

関節リウマチで1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。

よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。

その場合、配偶者である夫についても加給年金が支給されます。

※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。

障害等級 金額
1級・2級

(3級はなし)

239,300円/年

年金手帳と通帳

年金生活者支援給付金

関節リウマチの障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。

年金生活者支援給付金は基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。

金額は毎年変動します。

1級 6,813円/月
2級 5,450円/月

以上、関節リウマチでもらえる金額の詳細は下記にまとめました。

障害年金のもらえる金額はいくらなのか?に概要をまとめました。

受給例

日本年機構 上野年金事務所

実際に関節リウマチで障害年金を受給した例をご紹介します。

いろいろなケースがございますので、ご参考ください。

関節リウマチで障害厚生年金2級-180万円

認定 障害厚生年金2級 事後重症請求→初めて2級
相談者 50代女性 東京都品川区
傷病 関節リウマチ 脳性麻痺
金額 約180万円

事後重症による請求

子供の頃に脳性麻痺を発症し、障害者手帳をお持ちでした。

その等級は5級(両手指機能障害)と比較的軽度のものでした。

しかし、10年ほど前に関節リウマチを発症され、現在ではその症状がかなり重くなっています。

最初はご自身で障害年金の申請準備を進めていらっしゃいましたが、手続きが難しく感じられたため、ご依頼いただきました。

既に関節リウマチに関する受診状況等証明書を取得されていましたが、詳しいお話を伺う中で、さらに以前に別の病院で受診されていた可能性があることが分かりました。

探して頂いたところ、診察券も出てきて病院に確認。

何とか関節リウマチのカルテがまだ残っており、受診状況等証明書を再度取得することができました。

審査の途中、年金事務所から脳性麻痺の障害と関節リウマチの障害を合わせて「初めて2級」の請求に切り換えるかどうかの照会がありました。

どちらの請求も翌月からの受給となるため、躊躇なく2級に切り換えることを決断しました。

解説

無事、障害厚生年金2級認定です。

今回は事後重症請求だったため、切り換えによる不利益はありませんでした。

関節リウマチで障害厚生年金3級-60万円

認定 障害厚生年金3級 事後重症請求
相談者 50代女性 東京都台東区
傷病 関節リウマチ
金額 約60万円

初診日は昭和57年、厚生年金に加入している期間中です。

その後、病状が徐々に悪化し、人工膝関節の挿入手術を受けることになりました。

しかし、初診日が40年近く前のため、当時の病院には記録がまったく残っていませんでした。

初診日がかなり前であったため、その証明を取得することはできませんでした。

但田社労士より

次の病院での診療記録や医療費の支払いに関する書類を添付して、障害年金の請求を行いました。

請求した後、審査期間3か月で障害厚生年金3級決定!

請求後、審査期間は約3か月。無事に障害厚生年金3級が決定しました。

初診日が厚生年金加入中であり、人工関節や人工骨頭を挿入されている方は、基本的に3級に認定されることが多いです。

社労士

たとえ、記録がなくてもあきらめず進めていきましょう。

受給資格

関節リウマチで障害年金申請するために大切なこと!

関節リウマチで障害年金を申請するために、絶対にはずせない3つの要件があります。

  1. 初診日~いつお医者さんに行ったか
  2. 保険料納付要件~保険料は納めていたか
  3. 認定基準

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「関節リウマチの認定基準に該当」すれば、受給できます。

障害認定日は初診日から1年6か月経過したところになります。

関節リウマチの認定基準

関節リウマチで障害年金 認定基準とは?

「関節リウマチ」は、関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患で、進行すると関節が破壊され様々な程度の機能障害を引き起こします。引用:日本整形学科学会

そのため関節リウマチは、関節可動域の制限と筋力低下に加え、日常生活動作における制限を考慮してのトータル審査となります。

解説

つまり、日常生活を送る上で動作に制限があることを伝えることも、大事となります。

【参考資料】国民年金・厚生年金保険障害認定基準「肢体の機能の障害」

等 級 関節リウマチの状態
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

関節リウマチは日常生活の動作が重要

(1)肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる関節リウマチの場合、肢体の機能の障害として認定。

(2)関節リウマチの程度は関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し日常生活における動作の状態から総合的に認定。

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については以下を考慮し総合的に認定

関節リウマチで障害年金を受給できる基準。

      • 筋力
      • 巧緻性
      • 速さ
      • 耐久性
      • 日常生活における動作の状態から

間接リウマチの審査において重要視されるのは、上記の日常生活における動作の障害の程度になります。

障害年金の解説

医師に客観的な立場で、診断書に適切に反映してもらわねばなりません。

そのため医師とのコミュニケーションが大事になり、しっかりと実態を共有する必要があります。

以下の例示も主に日常動作に関してのものになります。

(3)関節リウマチで受給できると認められるものを一部例示すると次のとおり。

障害の程度 障害の状態
1級 1.一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2.四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2級 1.一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2.四肢に機能障害を残すもの
3級 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

(注)関節リウマチの障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領による。

なお、関節リウマチの障害が上肢及び下肢の広範囲にわたり、上肢と下肢の状態が相違する場合、重い方の肢で判断し、認定すること。

(4)関節リウマチの日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次の通り。

ア 手指の機能

  1. つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
  2. 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
  3. タオルを絞る(水がきれる程度)
  4. ひもを結ぶ

イ 上肢の機能

  1. さじで食事をする
  2. 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
  3. 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
  4. 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
  5. 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
  6. 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

ウ 下肢の機能

  1. 片足で立つ
  2. 歩く(屋内)
  3. 歩く(屋外)
  4. 立ち上がる
  5. 階段を上る
  6. 階段を下りる

なお、手指と上肢は、切り離して評価することなく、手指と上肢の機能の一部として取り扱う。

(5)関節リウマチの障害の程度と、日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと次のとおり。

ア「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいう。

イ「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいう。

ウ「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう。

関節リウマチで申請するにはいろいろと複雑な点もあり、初回無料相談を行っております。

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肢体の機能の障害 認定基準 肢体の機能の障害については、次のとおりである。

関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)とは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる病気です。

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