膠原病(関節リウマチやエリテマトーデス)で、障害年金を受給するための認定基準と受給事例を掲載しています。
前半は膠原病での障害年金の受給事例を掲載し、後半で認定基準を掲載しています。
目次(Contents)
膠原病での障害年金の受給事例
関節リウマチで障害厚生年金2級(脳性麻痺と初めて2級)の受給事例・女性|東京都品川区
子供の頃に脳性麻痺を発症されていました。
障害者手帳はお持ちですが、5級(両手指機能障害)と軽いものでした。
膠原病(全身性エリテマトーデス)で障害基礎年金1級の受給事例|東京都足立区
膠原病の全身性エリテマトーデスで、お身体に障害があります。
特に歩行はかなり困難な状態でした。
関節リウマチ(人工膝関節)で障害厚生年金3級の受給事例(初診証明なし)|女性|東京都台東区
和57年の厚生年金加入中でした。 その後徐々に病状が悪化され、平成16年に人工膝関節を挿入されました。
膠原病の認定基準
障害年金の認定基準は次のようになります。
関節リウマチは、関節可動域の制限と筋力低下に加え、日常生活動作における制限を考慮してトータル審査となります。
日常生活を送る上で動作に制限があることを伝えることも大事となります。
障害等級 | 障害の状態 |
---|---|
1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
認定要領
(1)肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、本節「第1 上肢の障害」、「第2 下肢の障害」及び「第3 体幹・脊柱の機能の障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要綱によらず、「第4 肢体の機能の障害」として認定します。
肢体の機能の障害の程度
(2)肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。
なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。
※最初に記載しましたが、この認定基準にあるように、関節リウマチで障害年金が支給される基準として関節可動域と筋力、日常生活における動作の制限ということになりますので、この3点は重要ポイントとなります。
障害の程度と等級
(3)各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 | 1.一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 2.四肢の機能に相当程度の障害を残すもの |
2級 | 1.一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの 2.四肢に機能障害を残すもの |
3級 | 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
(注)肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定すること。
なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定すること。
日常生活における動作と身体機能
(4)日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次の通りです。
ア 手指の機能
(ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ)タオルを絞る(水がきれる程度)
(エ)ひもを結ぶ
イ 上肢の機能
(ア)さじで食事をする
(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
ウ 下肢の機能
(ア)片足で立つ
(イ)歩く(屋内)
(ウ)歩く(屋外)
(エ)立ち上がる
(オ)階段を上る
(カ)階段を下りる
なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱う。
身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係
(5)身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおりです。
ア 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいう。
イ 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいう。
ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう。
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準より抜粋引用のうえ、わかりやすく加筆しております。