この記事では、受給のポイントや実際の事例、もらえる金額の目安を詳しく解説します。

申請を迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の目次

膠原病は障害の状態により申請を検討

全身性エリテマトーデス(膠原病)で障害年金 申請するために大切なこと!

特に、20代から50代の女性からのお問い合わせが多くあります。

膠原病は歌手の八代亜紀さんで話題になりましたが、ひとつの病気ではなく、いくつかの病気の総称です。

ほとんどの相談者様に全身症状・皮膚や関節症状があり、内臓・血管の病気もございます。

肢体での申請が多いのですが、障害の状態により適切なものを検討する形になります。

ここでは特に、全身性エリテマトーデス(膠原病)でどうしたら障害年金を受給できるのかお話します。

解説

日常生活に制限があり将来の生活に不安を感じて悩まれる前に、ご相談頂ければと思います。

  • もらえる金額
  • 受給事例
  • 障害年金を受給できる条件
  • 認定基準

膠原病で障害年金の金額はいくら?(制度別)

全身性エリテマトーデス(膠原病)で障害年金 金額はいくらもらえる?

全身性エリテマトーデスで障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?

実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。

そこで、交通事故で受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。

障害年金には、「基礎」と「厚生」の2つがあります。

  1. 基礎::1級と2級
  2. 厚生::1級、2級、3級

このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。

もらえる金額もこれに伴って説明していきます。

また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討下さい。

障害年金の額

交通事故の障害基礎年金額と子の加算

全身性エリテマトーデス(膠原病)で、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。

障害等級 金額
1級 1,039,625円/年
+子の加算
2級 831,700円/年
+子の加算

受給権を得た後、翌月分から支給されます。

1年の金額を6等分して、偶数月に受け取ることになります。

初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。

※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。

子の加算

18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。

社労士より

一般的には高校卒業までということです

子の人数 金額
1人目/2人目 1人につき 239,300円/年
3人目以降 1人につき 79,800円/年

全身性エリテマトーデス の障害厚生年金額と配偶者加給年金

全身性エリテマトーデスで、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、障害基礎年金に加えて厚生年金が加算されます。

3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。

障害厚生年金の金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。

例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。

障害厚生年金 金額
1級 報酬比例額加算×1.25
+ 配偶者加給年金
2級 報酬比例額加算×1.0
+ 配偶者加給年金
3級 623,800円/年 金額は一律

報酬比例部分に300月みなしあり

報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。

例えば、会社に入社後、それほどたたずしてうつ病になり障害年金の受給を開始した場合など。

最低25年は年金を納付したものとして、ある程度の額の厚生年金が受給できるようになっています。

また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。

但田社労士より解説

年金制度自体は批判も多いのですが、なかなか手厚くなっています。

計算の基礎となるのは、障害認定日までに納付したものまでです。

配偶者加給年金

配偶者加給年金

全身性エリテマトーデスで1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。

よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。

その場合、配偶者である夫についても加給年金が支給されます。

※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。

障害等級 金額
1級・2級
(3級はなし)
239,300円/年

年金生活者支援給付金

全身性エリテマトーデスの障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。

年金生活者支援給付金は基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。

金額は毎年変動します。

等級 金額
1級 6,813円/月
2級 5,450円/月

全身性エリテマトーデスの時効と遡及請求

残念ながら全身性エリテマトーデスでの請求には時効があります。

申請しなければ、過去のものは最大5年間で消滅してしまいます。

もし遡って請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。

これを遡及請求といいます。

全身性エリテマトーデスで受け取れる年金額の目安

生涯を通じた給与とボーナスの平均(例:生涯をならした平均給与500万円)を基にした、おおよその受給額です。

あくまで目安としてご参考ください(令和7年度水準)。

ケース 年収モデル 等級 年金の種類 受給額 備考
① 自営業・主婦など(国民年金のみ) 2級 障害基礎年金 831,700円/年(69,308円/月) 定額、収入に関係なし
② 自営業・主婦など 1級 障害基礎年金 1,039,625円/年(86,635円/月) 2級の1.25倍
③ 会社員・平均年収300万円 300万円 3級 障害厚生年金 623,800円/年(51,983円/月) 最低保障額(年収に関係なく)
④ 会社員・平均年収300万円 300万円 2級 障害基礎年金+障害厚生年金 約1,440,000〜1,560,000円/年(120,000〜130,000円/月) 基礎年金+報酬比例約5〜6万円
⑤ 会社員・平均年収500万円 500万円 2級 障害基礎年金+障害厚生年金 約1,920,000〜2,040,000円/年(160,000〜170,000円/月) 基礎年金+報酬比例約10万円
⑥ 会社員・平均年収500万円 500万円 1級 障害基礎年金+障害厚生年金 約2,400,000〜2,520,000円/年(200,000〜210,000円/月) 2級の1.25倍

以上、全身性エリテマトーデスでもらえる金額の詳細は障害年金のもらえる金額はいくらなのか?にまとめました。

全身性エリテマトーデスでの受給例

全身性エリテマトーデス(膠原病)で障害年金 受給例を解説する社労士の説明バナー

実際に交通事故で障害年金を受給した例をご紹介しますので、ご参考ください。

認定 障害基礎年金1級 事後重症請求
相談者 50代女性 東京都足立区
傷病 全身性エリテマトーデス
金額 約100万円

事後重症による請求

様々なケースがありますが、ここでは実際にどのような症状で受給が認められたかをご参考いただければと思います。

約4年前から、手の強張りや関節の痛みが出るようになり、朝起きた時には手で布団を持ち上げることができなくなりました。

大学病院を受診し、検査入院の結果、全身性エリテマトーデスと診断されました。

治療を続ける中で、以下のような症状が現れました:

このような状況の中、肢体障害用の診断書を基に障害基礎年金を請求しました。

そして、無事に年金証書が届き、請求からわずか35日で障害基礎年金1級の認定を受けることができました。

社労士より

息子さんが積極的に協力してくださったおかげで、スムーズに手続きを進めることができました。

障害年金を受給できる条件

新宿年金事務所

全身性エリテマトーデスで障害年金を申請するために、絶対にはずせない3つの要件があります。

  1. 初診日~いつお医者さんに行ったか
  2. 保険料納付要件~保険料は納めていたか
  3. 認定基準

初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「全身性エリテマトーデスの認定基準に該当」すれば、受給できます。

障害認定日は初診日から1年6か月経過したところになります。

認定基準

全身性エリテマトーデス(膠原病)で障害年金 認定基準とは?

全身性エリテマトーデスは20〜40代の女性に多い膠原病です。

原因は不明ですが免疫系の異常により、本来身体を守る働きをする免疫系が自分自身を攻撃してしまいさまざまな症状を呈します。引用:日本赤十字社医療センター

膠原病(全身性エリテマトーデス)の診断書は以下のようになります。

  1. 肢体機能 肢体の診断書
  2. 呼吸困難などの症状 呼吸器の診断書
  3. 内臓系疾患の場合 その他の診断書や循環器疾患の診断書 
但田社労士より

傷病に応じての診断書や認定基準となります。

症状は人により全く異なりますので個別にご相談下さい。

ここでは一般的に相談の多い肢体の認定基準をまとめました。

関節可動域の制限と筋力低下に加え、日常生活動作における制限を考慮してトータル審査となります。

解説

日常生活を送る上で動作に制限があることを伝えることも大事となります。

国民年金・厚生年金保険障害認定基準「肢体の機能の障害」をわかりやすく加筆修正。

等 級 膠原病の状態
1級 1級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

膠原病の認定要領

(1)肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる膠原病(関節リウマチやエリテマトーデス、脳血管、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合、肢体の機能の障害として認定。

(2)膠原病の程度は関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し日常生活における動作の状態から総合的に認定。

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については以下を考慮し総合的に認定

膠原病(エリテマトーデス)で障害年金を受給できる基準。

      • 筋力
      • 巧緻性
      • 速さ
      • 耐久性
      • 日常生活における動作の状態から

全身性エリテマトーデス(膠原病)で障害年金 申請するために大切なこと!

全身性エリテマトーデスの審査において重要視されるのは、上記の日常生活における動作の障害の程度になります。

障害年金の解説

医師に客観的な立場で、診断書に適切に反映してもらわねばなりません。

そのため医師とのコミュニケーションが大事になり、しっかりと実態を共有する必要があります。

以下の例示も主に日常動作に関してのものになります。

(3)膠原病で受給できると認められるものを一部例示すると次のとおり。

障害の程度 障害の状態
1級 1.一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2.四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2級 1.一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2.四肢に機能障害を残すもの
3級 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

(注)膠原病の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領による。

なお、膠原病の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたり、上肢と下肢の状態が相違する場合、重い方の肢で判断し、認定すること。

(4)膠原病の日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次の通り。

ア 手指
(ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ)タオルを絞る(水がきれる程度)
(エ)ひもを結ぶ

イ 上肢
(ア)さじで食事をする
(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

ウ 下肢
(ア)片足で立つ
(イ)歩く(屋内)
(ウ)歩く(屋外)
(エ)立ち上がる
(オ)階段を上る
(カ)階段を下りる

なお、手指と上肢は、切り離して評価することなく、手指と上肢の機能の一部として取り扱う。

(5)膠原病(エリテマトーデス)の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおり。

ア 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいう。

イ 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいう。

ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう。

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肢体の機能の障害 認定基準 肢体の機能の障害については、次のとおりである。

膠原病とは、ひとつの病気の名前ではなく、「感染症」や「腎臓病」と同じように、いくつかの病気が集まったグループを表す言葉です。

20〜40代の女性に多い膠原病です。原因は不明ですが免疫系の異常により、本来身体を守る働きをする免疫系が自分自身を攻撃してしまいさまざまな症状を呈します。

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この記事を書いている人

社会保険労務士 但田美奈子

社会保険労務士 但田美奈子

障害年金専門である東京の社労士。 障害年金申請サポートの経験15年以上、相談累計3,945件(令和7年9月末現在)、受給率は97.8%です。 東京の事務所で、年約300件のご相談に対応しています。 ご相談はこちら(無料相談)から。
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