
人工透析で障害年金はいくらもらえる?
結論から申し上げますと、人工透析で障害年金2級に認定された場合、障害基礎年金だけでも年額847,300円が支給されます。
初診日が厚生年金加入中であれば、障害厚生年金が上乗せされるため、年額140万円〜250万円程度になるケースもあります。
- 障害基礎年金の金額
- 障害厚生年金が上乗せされる場合
- 子の加算・配偶者加給年金・年金生活者支援給付金
- 遡及請求でまとまった金額を受け取れるケース
このページでは、人工透析で受け取れる障害年金の金額を、等級別・制度別にわかりやすく解説します。
「人工透析で障害年金はいくらもらえるのか」
「自営業と会社員で金額は違うのか」
「子どもや配偶者がいる場合、加算はあるのか」
このようなお悩みをお持ちの方に向けて、人工透析で受け取れる障害年金の金額を専門家の視点から解説します。
このページでわかること
- 人工透析で受け取れる障害基礎年金の金額
- 障害厚生年金が上乗せされる場合の考え方
- 子の加算・配偶者加給年金の金額
- 年金生活者支援給付金
- 人工透析で遡及請求できる場合
- 金額を考えるときの注意点
人工透析で障害年金を受給できる場合、国民年金のみの方は障害基礎年金2級または1級、初診日が厚生年金加入中の方は障害厚生年金が上乗せされます。
過去に遡って請求できる場合には、数百万円単位の遡及が認められるケースもあります。
※このページは人工透析の障害年金の「金額」に特化した補助記事です。認定基準や受給例については、人工透析の障害年金の全体解説ページで詳しく解説しています。
この記事の内容は以下からすぐ確認できます。
執筆者紹介|障害年金専門社労士 但田美奈子
はじめまして。
当事務所で障害年金の申請サポートを担当しております、但田美奈子です。
経験15年以上・累計相談件数4,250件(令和8年8月末現在)・受給率97.8%。
人工透析をはじめ、さまざまな傷病のご相談に対応してまいりました。
人工透析で障害年金の金額はいくら?
人工透析で障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか。
障害年金の金額は、障害の等級だけでなく、初診日に加入していた年金制度によって大きく変わります。
- 障害基礎年金:1級・2級
- 障害厚生年金:1級・2級・3級
人工透析の場合、原則として2級以上に該当する可能性がありますが、初診日が厚生年金加入中かどうかで、実際の受給額は大きく異なります。
また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討ください。

人工透析の障害基礎年金額と子の加算
人工透析で、障害基礎年金の1級または2級に認定されたときの金額は以下のとおりです。
| 障害等級 | 金額 |
| 1級 | 1,059,125円/年 +子の加算 |
| 2級 | 847,300円/年 +子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
1年の金額を6等分して、原則として偶数月に2か月分ずつ受け取ることになります。
初回は臨時で奇数月の支給となることもあります。
子の加算

18歳の年度末までの子どもがいる場合、障害基礎年金に子の加算がつきます。
| 子の人数 | 金額 |
| 1人目/2人目 | 1人につき 243,800円/年 |
| 3人目以降 | 1人につき 81,300円/年 |
人工透析の障害厚生年金額と配偶者加給年金
人工透析で、障害厚生年金1級または2級に認定された場合、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が上乗せされます。
3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。
障害厚生年金の金額は、給与や加入期間に比例するため、人により異なります。
例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に差が生じます。
| 障害厚生年金 | 金額 |
| 1級 | 報酬比例額×1.25 + 配偶者加給年金 |
| 2級 | 報酬比例額 + 配偶者加給年金 |
| 3級 | 635,500円/年 最低保障額 |
報酬比例部分に300月みなしあり
報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。
例えば、会社に入社してそれほどたたずに人工透析を開始し、障害年金を受給する場合でも、最低25年分の年金を納付したものとして計算されます。
なお、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金額の計算の基礎には含まれません。
配偶者加給年金

人工透析で1級または2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます。
| 障害等級 | 金額 |
| 1級・2級 (3級はなし) |
243,800円/年 |
配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給している場合などは、支給停止となることがあります。
年金生活者支援給付金
人工透析で障害年金2級以上に認定された場合、所得などの要件を満たすと、年金生活者支援給付金が加算されます。
金額は毎年変動します。
| 等級 | 金額 |
| 1級 | 7,025円/月 |
| 2級 | 5,620円/月 |
人工透析で受け取れる年金額の目安
生涯を通じた給与とボーナスの平均を基にした、おおよその受給額です。
あくまで目安としてご参考ください(令和8年度水準)。
| ケース | 年収モデル | 等級 | 年金の種類 | 受給額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自営業・主婦など(国民年金のみ) | ― | 2級 | 障害基礎年金 | 847,300円/年 (69,308円/月) |
定額、収入に関係なし |
| 自営業・主婦など | ― | 1級 | 障害基礎年金 | 1,059,125円/年 (86,635円/月) |
2級の1.25倍 |
| 会社員・平均年収300万円 | 300万円 | 3級 | 障害厚生年金 | 635,500円/年 (51,983円/月) |
最低保障額 |
| 会社員・平均年収300万円 | 300万円 | 2級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約1,440,000〜1,560,000円/年 (120,000〜130,000円/月) |
基礎年金+報酬比例 |
| 会社員・平均年収500万円 | 500万円 | 2級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約1,920,000〜2,040,000円/年 (160,000〜170,000円/月) |
基礎年金+報酬比例 |
| 会社員・平均年収500万円 | 500万円 | 1級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約2,400,000〜2,520,000円/年 (200,000〜210,000円/月) |
2級の1.25倍 |
人工透析の時効と遡及請求
人工透析の障害年金には時効があります。
申請しなければ、過去のものは最大5年間で消滅してしまいます。
これを遡及請求といいます。
人工透析の場合、初診日、人工透析を開始した時期、障害認定日の考え方によって、受け取れる金額が大きく変わることがあります。
人工透析の金額で注意したいこと
人工透析の障害年金は、金額だけを見るとわかりやすいように見えますが、実際には次の点に注意が必要です。
- 初診日が国民年金か厚生年金かで金額が大きく変わる
- 人工透析開始日と障害認定日の関係を確認する必要がある
- 子の加算や配偶者加給年金がつくかどうかを確認する必要がある
- 遡及請求できる場合、まとまった金額になることがある
- 傷病手当金や老齢年金との関係を確認する必要がある
詳しい受給資格や認定基準については、人工透析の障害年金の全体解説ページをご確認ください。
よくあるご質問
Q. 人工透析で障害年金はいくらもらえますか?
国民年金のみの方が2級に認定された場合、障害基礎年金として年額847,300円が支給されます。初診日が厚生年金加入中であれば、障害厚生年金が上乗せされるため、金額は人により異なります。
Q. 人工透析で働いていても障害年金はもらえますか?
働いていることだけで直ちに受給できないわけではありません。人工透析を行っている事実、初診日、保険料納付要件、診断書の内容などを総合して判断されます。
Q. 人工透析で遡及請求はできますか?
できる可能性があります。障害認定日時点の診断書が取得でき、認定基準に該当していれば、最大5年分まで遡って受け取れることがあります。
Q. 初診日が厚生年金加入中だと金額は増えますか?
増える可能性があります。障害厚生年金が上乗せされるため、障害基礎年金だけの場合よりも受給額が多くなることがあります。
人工透析で障害年金の金額を知りたい方へ
人工透析の障害年金では、初診日、加入していた年金制度、人工透析を開始した時期、障害認定日の診断書の有無によって、受け取れる金額が大きく変わることがあります。
「自分はいくらくらい受け取れるのか」「厚生年金が上乗せされるのか」「遡及請求できるのか」など、判断に迷う方も多いと思います。
人工透析で障害年金を検討されている方は、まずはお気軽にご相談ください。
