「パーキンソン病で障害年金を申請したいが、もらえる金額はいくら?」
「パーキンソン病による障害年金の受給例や、認定基準について知りたい。」
このような疑問に、わかりやすくお答えします。
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、13年以上にわたり累計約3,600件の「パーキンソン病など障害年金の無料相談から申請サポート」に携わってまいりました。
パーキンソン病の障害年金をもらい忘れていませんか?初回無料相談を行っております。
パーキンソン病の障害年金ポイント
パーキンソン病は厚生労働省の指定難病ですが、この病気にかかったからといって、すぐに障害年金の対象になるわけではありません。
以下に、パーキンソン病で障害年金を受給する際のポイントを解説します。
- 薬の効果と管理: 薬が効いて症状をうまく管理できている間は、障害年金の対象とはなりにくいです。
- 症状の悪化: パーキンソン病は進行性の病気であり、次第に薬の効果が弱まり、症状の管理が難しくなってきます。
症状が進行し、薬による管理が難しくなり、日常生活に支障をきたすようになると、初めて障害年金の対象となる可能性が出てきます。
そのため、パーキンソン病での障害年金受給のタイミングは症状の進行状況に大きく左右されます。
そのため、受給するのは難しいのでは?との声も多く寄せられています。
具体的にどうすれば障害年金を受給できるのでしょうか?以下の順でお話します。
- もらえる金額
- 受給事例
- 受給資格
- 認定基準
パーキンソン病で障害年金の金額はいくら
パーキンソン病で障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?
実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。
そこで、パーキンソン病で受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。
- 基礎::1級と2級
- 厚生::1級、2級、3級
このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。
もらえる金額もこの2階建て構造に応じて異なりますので、順を追って説明していきます。
パーキンソン病の障害基礎年金額
パーキンソン病で、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。
もし遡及請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。
障害等級 | 金額 |
障害厚生年金
1級 |
1,020,000円/年
+子の加算 |
障害基礎年金
2級 |
816,000円/年
+子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
この金額を6等分して偶数月に受け取ることになります。
初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。
※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。
子の加算
18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。
一般的には高校卒業までということです
子の人数 | 金額 |
1人目
2人目 |
1人につき 234,800円 |
3人目以降 | 1人につき 78,300円 |
パーキンソン病の障害厚生年金額
パーキンソン病で、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、障害基礎年金に加えて厚生年金が加算されます。
3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。
障害厚生年金の金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。
例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。
障害厚生年金
1級 |
報酬比例額加算×1.25
+配偶者加給年金 |
障害厚生年金
2級 |
報酬比例額加算×1.0
+配偶者加給年金 |
障害厚生年金
3級 |
612,000円/年
金額は一律 |
配偶者加給年金
パーキンソン病で1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。
よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。
その場合、配偶者である夫についても加給年金が支給されます。
※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。
障害等級 | 金額 |
1級・2級
(3級はなし) |
234,800円 |
年金生活者支援給付金
パーキンソン病の障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。
年金生活者支援給付金は基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。
金額は毎年変動します。
1級 | 月6,638円 |
2級 | 月5,310円 |
以上、パーキンソン病でもらえる金額の詳細は下記にまとめました。
障害年金のもらえる金額はいくらなのか?に概要をまとめました。
パーキンソン病の障害年金受給例
実際にパーキンソン病でで障害年金を受給した例をご紹介します。
いろいろなケースがございますので、ご参考ください。
パーキンソン病で障害基礎年金1級-100万円
認定 | 障害基礎年金1級 事後重症請求 |
相談者 | 女性 東京都江東区 |
傷病 | パーキンソン病 |
金額 | 約100万円 |
パーキンソン病を発症されたのは、まだ30代前半の頃でした。
〇初期症状
- 右手に力が入らない
- 物を落としてしまう
- ドアノブを回せなない
- 違和感がある
これらの症状が続き、しばらく様子を見ていたところ、右手が小刻みに震えるようになり、病院を受診しました。
ご本人は予期もしませんでした(というより通常誰も予想もできません)が、パーキンソン病と診断され、投薬治療を続けるも病状は徐々に進行しました。
〇相談時の症状
- ジスキネジアで自分の意思と関係なく頭や身体が揺れる。
- 身体のバランスがとれず、転倒する。
- 手足の震えで文字を書く、マウス操作がうまくできない。
- ウェアリング・オフ時は、殆どの動作ができない。
- 薬剤の影響で玄臭・玄視がある。
このような状態で、パーキンソン病により事務の仕事も続けられなくなり、会社を休職されたとのことです。
初診日は国民年金加入時であったため、基礎年金の請求(事後重症)を行い、1級認定を受けました。
受給開始時には会社を退職されていたので、少しでも年金が生活の助けになればと思います。
退職された後の生活保障という意味からも、障害年金受給が認められて本当によかったです。
障害共済年金3級(遡及請求)-100万円
認定 | 障害共済年金3級 遡及請求5年 |
相談者 | 60代男性 千葉県浦安市 |
傷病 | パーキンソン病 |
金額 | 約100万円 遡及請求100万円(老齢厚生年金との調整後受取額) |
国家公務員として長年勤務されていて、定年退職されています。
16年前からパーキンソン病と診断され治療を受けており、再任用も終了するのを機に障害年金を請求したいとのことでした。
〇初期症状
- 最初は右手の動きが悪くなり、手を使わない時丸まってしまう。
- 文字が書きにくくなり、又書く文字が小さくなっていった。
- 呂律が回らないことを周りから指摘
以上のような症状が続き病院を受診。パーキンソン病と診断されました。
これらの症状が続き、病院を受診した結果、パーキンソン病と診断されました。
病状は徐々に悪化し、右手から始まり、右足、左足、左手へと順に症状が広がりました。
〇相談時の症状
- 震え
- 前傾姿勢
- ウェアリング・オフ
- 病的賭博
- 行動制御障害
1年前にDBS(深部脳刺激)手術を受け、体の震えは若干改善しました。
しかし、進行性の病気の為パーキンソン病は徐々に悪化しています。
診断書が複数必要に
障害共済年金と厚生年金が一元化されましたが、請求先は各共済組合となります。
提出する書類も共済組合毎にバラバラで、書類の取り寄せと確認が必要でした。
遡及請求をするために、パーキンソン病の診断書が障害認定日、現在、2年前、5年前の4通必要とされました・・・。
診断書の依頼にはかなりの費用がかかりますが、幸いにも診断書の依頼先が2病院だったため、4病院に依頼するよりは負担が軽かったです。
最終的に、認定日時点と現在の診断で、共済年金の3級認定を受けました。
申請から決定まで151日間かかりましたが、一元化後は在職中でも障害年金を受給できるようになりました。
年金一元化前、在職中給与が支払われていると障害共済年金は支給停止となっていました。
しかし、一元化後は在職中でも受給が可能となりました。
障害年金が決定した頃お目にかかったのですが、以前より病状が進行されていると感じました。
その後額改定請求をお勧めし、無事2級に認定。
進行性のため、数年後は違う状況になります。病状が変わってきた場合などご相談ください。
受給資格
パーキンソン病による障害年金の受給資格を得るためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に「パーキンソン病の認定基準に該当」すれば、受給できます。
認定基準
パーキンソン病の障害年金認定基準に該当するかどうかを、十分に理解することが重要です。
以下、日本年金機構国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第7節 肢体の障害 第4 肢体の機能の障害をわかりやすく加筆修正。
ここでは、パーキンソン病の肢体機能障害の認定基準を示します(一部抜粋掲載)。
等 級 | パーキンソン病の状態 |
1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
(注)パーキンソン病の状態が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領による。
なお、パーキンソン病が上肢及び下肢の広範囲にわたり上肢と下肢の状態が相違する場合、重い方の肢で判断し認定すること。
パーキンソン病で申請するにはいろいろと複雑な点もあり、女性社労士が初回無料相談で受給判定と申請サポートを行っています。
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パーキンソン病は神経難病の中で最も患者さんが多く、研究が進んでいる疾患です。研究の歴史も古く、1817年にイギリスのジェームス・パーキンソンが最初に患者を報告しました。この疾患は厚生労働省の指定難病です。