「脳動脈溜破裂で障害年金は難しいと聞くが、私はもらえるのか」
「実際に受給した例を知りたい」
「もらえる金額はどのくらいだろう」
このようなことでお悩みでしょうか?
脳動脈溜破裂で障害年金の申請を忘れていませんか?
年間最低60万円以上の受給が可能です。
はじめまして。障害年金の専門社労士、但田美奈子(ただみなこ)と申します。
東京日本橋にて、13年以上にわたり累計約3,600件の「脳動脈溜破裂など障害年金の無料相談から申請サポート」に携わってまいりました。
受給資格
脳動脈溜破裂で障害年金を申請するために、絶対にはずせない3つの要件があります。
初診日と保険料納付要件を満たしたうえで、障害認定日に後で述べる「脳動脈溜破裂の認定基準に該当」すれば、障害年金の受給ができます。
脳動脈溜破裂は、これから述べる障害認定日の特例があります。
脳動脈溜破裂は障害認定日の特例あり
障害認定日は初診日から1年6か月経過した日となりますが、脳動脈溜破裂の場合特例として以下の扱いが認められます。
1.脳動脈溜破裂は初診日から6か月経過後
2.医学的見地からそれ以上の機能回復がほとんど望めないと医師が判断した日
これを症状固定日といい、障害認定日として取り扱うことができます。
これにより、※遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)などは、1年半を待たずに申請が可能な場合もあります。
※遷延性意識障害とは、高度の意識障害が起こり、意識があることを確認できない状態が継続する症状です。
一般的に「植物状態」とも呼ばれます。
ただし、肢体の状態が代償機能やリハビリテーションにより好転する可能性があるため、療養及び症状の経過を十分に考慮する必要があります。
脳動脈溜破裂は突然何の前触れもなくやってくるため、ご本人はもとよりご家族も大変な状況に置かれます。
障害年金を受給することで、少しでも経済的な負担を軽減することが可能です。
以下のような障害が残った場合、申請できる可能性があります。
- 肢体
- 言語
- 認知
- 術後後遺症
- 高次脳機能 等
具体的にどうすれば、脳動脈溜破裂で受給できるのでしょうか?
以下の順でお話します。
- もらえる金額
- 受給事例
- 認定基準
脳動脈溜破裂で障害年金の金額はいくら?
脳動脈溜破裂で障害年金が無事受給できたあと、金額はいくらもらえるのでしょうか?
実際、受給が決まっても「いくらもらえるのか」がご心配だと思います。
そこで、脳動脈溜破裂で受給できる等級ごとの金額や、加算される手当を解説していきます。
- 基礎::1級と2級
- 厚生::1級、2級、3級
このように、基礎と厚生が組み合わさって、2階建ての仕組み(3級は厚生年金のみ)になっています。
もらえる金額もこれに伴って説明していきます。
また、受給した後、国民年金保険料が免除になる制度がありますので、ご検討下さい。
脳動脈溜破裂の障害基礎年金額
脳動脈溜破裂で、障害基礎年金の1級又は2級に認定されたときの金額を解説していきます。
障害基礎年金の等級 | 金額 |
1級 | 1,020,000円/年 +子の加算 |
2級 | 816,000円/年 +子の加算 |
受給権を得た後、翌月分から支給されます。
この金額を6等分して偶数月に受け取ることになります。
初回は臨時で奇数もありえますが、以後必ず偶数月に2か月分まとめて受け取る形になります。
※決定が早い場合など、初回のみは(奇数月分の)1か月分支給ということもあります。
子の加算
18歳の年度末までの、子供がいる場合に加算されます。
一般的には高校卒業までということです
子の人数 | 金額 |
1人目/2人目 | 1人につき 234,800円 |
3人目以降 | 1人につき 78,300円 |
脳動脈溜破裂の障害厚生年金額
脳動脈溜破裂で、障害厚生年金1級又は2級に認定された場合、基礎年金に厚生年金が加算されます。
3級の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。
金額は、給与や勤めていた期間(年齢)に比例するため、人によりまったく違います。
例えば、給与が30万円の方と45万円の方では、受給金額に1.5倍の差が生じます。
障害厚生年金 | 金額 |
1級 | 報酬比例額加算×1.25 + 配偶者加給年金 |
2級 | 報酬比例額加算×1.0 + 配偶者加給年金 |
3級 | 612,000円/年 金額は一律 |
報酬比例部分に300月みなしあり
報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。
例えば、会社に入社後、それほどたたずして脳動脈溜破裂になり障害年金の受給を開始した場合など。
最低25年は年金を納付したものとして、ある程度の額の厚生年金が受給できるようになっています。
また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。
年金制度自体は批判も多いのですが、なかなか手厚くなっています。
計算の基礎となるのは、障害認定日までに納付したものまでです。
配偶者加給年金
脳動脈溜破裂で1級又は2級に認定され、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が支給されます(配偶者の年収が850万円未満)。
よくご質問を受けますが、奥様が障害厚生年金2級以上を受給した場合、どうなるでしょうか。
その場合、配偶者である夫についても加給年金※が支給されます。
※配偶者自身が20年以上の加入期間の老齢厚生年金や、障害年金を受給していないこと(受給するまではもらえます)。
障害等級 | 金額 |
1級・2級 (3級はなし) |
234,800円 |
年金生活者支援給付金
脳動脈溜破裂の障害年金は、年金生活者支援給付金という手当も加算されます。
年金生活者支援給付金は、基礎も厚生も変わらず2級以上であれば支給されます。
金額は毎年変動します。
等級 | 金額 |
1級 | 月6,638円 |
2級 | 月5,310円 |
脳動脈溜破裂の時効と遡及請求
残念ながら脳動脈溜破裂での請求には時効があります。
申請しなければ、過去のものは最大5年間で消滅してしまいます。
もし遡って請求できる場合、最大で5年間遡って受け取れます。
これを遡及請求といいます。
以上、脳動脈溜破裂でもらえる金額には年収などにより、いろいろと例外もあります。
障害年金のもらえる金額はいくらなのか?に概要をまとめました。
受給例
実際に受給した例は参考になると思います。
いろいろなケースがございますが、どのような症状で受給できたのか参考ください。
脳動脈瘤破裂で障害厚生年金3級~60万円
認定 | 障害厚生年金3級 障害認定日請求 |
相談者 | 40代女性 埼玉県富士見市 |
傷病 | 脳動脈瘤(くも膜下出血を併発) |
金額 | 約60万円 |
ご主人からのご相談でした。
まだお若い40代の女性。
午前中から頭痛が強く、夕方になっても治らず夜には吐き気を伴うように。
脳動脈瘤は、脳の動脈血管内の一部位がこぶのようにふくらむ脳疾患です。
自覚できる症状として、頭部にこぶ状のものが生じるほかは特にありません。
脳動脈瘤は破裂する場合とそうでない場合があり、今回こぶの破裂によるくも膜下出血を併発。
ご主人の車で、総合病院の救急外来を受診。
MRIで後大脳動脈瘤が認められ、精査の為他病院に転医入院、その後大学病院で開頭手術。
脳動脈瘤の手術後、右半身の強いしびれ、右上45度の視野欠損の後遺症が残りました。
状態に波があり、少し動ける日はあるものの動いた後は一週間程症状が悪化。
右半身が安定せず、同じ姿勢を続けることが困難。
痺れが強く、感覚も異常な為、自分の右足が地面についているのか分からないこともあります。
今回仕事は休職中で傷病手当金を受給されており、障害者手帳も取得されていませんでした。
機能障害の認定日特例
脳血管疾患による機能障害の場合、初診日から6月を経過した日以後で、医師が症状固定と認めた日を認定日として障害年金を請求できます。
今回認定日の特例は適用せず、原則の認定日(初診日から1年6月経過日)で申請。
障害年金の受給が早くなるので、通常は認定日の特例で請求しています。
厚生年金加入中が初診日。厚生年金(認定日請求)を請求。
厚生年金3級と認定。請求から決定まで70日間。
但し障害厚生年金の場合、同じ傷病で傷病手当金を受給されていると、その重複している期間は障害年金の金額相当を健康保険組合等に返却しなくてはなりません。
面倒なだけで、実利が全くないこともあるのです。
今回がそのパターンでした。いろいろなケースがあります。
脳疾患の認定基準
参考資料:日本年金機構国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第4 肢体の機能の障害
脳動脈溜破裂の後遺症として「体の麻痺」などが多く見られ、「肢体の障害」として障害年金を請求することがよくあります。
ただし、後遺症として眼の障害があったり、高次脳機能障害が生じるケースもございます。
このように、「脳疾患の障害年金認定基準」は「肢体の障害」が多くなるため、以下に肢体障害の認定基準を掲載します。
手足など身体の状態や機能が労働や日常生活において、著しい制限や不便(不能)がある場合に、認定基準に従って整合性を取り主張します。
脳動脈溜破裂(肢体の機能の障害)の障害の程度は、身体機能を総合的に認定します。
受給資格を得るためには、脳疾患の障害年金認定基準に該当するかどうかを十分に理解することが重要です。
脳動脈溜破裂をはじめとする脳疾患で年金の対象となる病名には、以下のようなものが含まれます。
脳動脈溜破裂の認定において重要なのは、関節可動域・筋力・日常生活動作の身体機能の3つです。
具体的には以下のようになります。
1級 | 身体の機能の障害、又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態。
かつ、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害、又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態。
かつ、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの |
脳動脈溜破裂の認定要領
(1)脳動脈溜破裂で肢体疾患が上肢及び下肢などの広範囲にわたる場合
本節「上肢」「下肢」「体幹・脊柱の機能」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらないで「肢体の機能障害」として認定する。
(2)脳動脈溜破裂(肢体の機能の障害)の程度の認定
以下から総合的に判断します。
- 関節可動域
- 筋力
- 巧緻性
- 速さ
- 耐久性を考慮し
- 日常生活における動作の状態
なお。他動可動域による評価が適切ではないもの
例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているものなどについて
筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。
(3)脳の気質障害
神経と精神疾患を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能。
原則としてそれらの諸症状を総合し全体像から総合的に判断して認定する。
(4)高次脳機能障害
脳損傷に起因する認知障害全般。日常生活又は社会生活に制約があるものが認定の対象となります。
主な症状として、失語、失行、失認のほか記憶、注意、遂行機能、社会的行動障害等。
脳動脈溜破裂で申請するにはいろいろと複雑な点もあり、初回無料相談を行っております。
障害年金専門の社労士 経験13年、相談累計3,668件(令和6年8月末現在) 受給率97.8%。
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令和6年4月分からの年金額について
肢体の機能の障害については、次のとおりである。
引用元: 障害認定基準|日本年金機構