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腎疾患(人工透析)で障害年金の受給資格や認定基準とは

投稿日:2011/07/12 最終更新日:2017/03/17

腎疾患で障害年金の対象となるものは、慢性腎不全・慢性腎炎・ネフローゼ症候群・慢性糸球体腎炎などです。

人工透析には、血液透析・腹膜透析・血液濾過の3通りの方法がありますが、認定基準は同様で原則2級に該当するとされています。

腎疾患での障害年金の認定の問題点

最近、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease・CKD)という言葉を聞きます。

現在、日本に約1,330万人のCKD患者がいるといわれ、成人の1割超にあたりますが、人工透析対象者は26万人を超えており、毎年1万人ずつ増え続けているとのこと。

国民病と言われつつありますが、障害年金の申請をするときいくつかの問題点があります。

腎疾患での障害年金の認定の問題点

腎不全は、発病して悪化するまで長い時間かかる(その後透析になる)、初期症状がわかりにくいということが多くあります。

長い時間を掛けて悪化する病気であり通院する病院が多くなりがちなため、病歴・就労状況等申立書が3枚に渡ることも!!

そのため申請しようと考えても、病院がない。当時のカルテが無い。初診の病院がわからないなどのことが多くあり、申請を困難にしております。
その場合いろいろと客観的な資料をつける必要があります。

また、腎臓病の原因が糖尿病の場合が多く、その場合糖尿病と相当因果関係がありとして、糖尿病の初診日が腎臓病の初診日と認定されることなどから、最初に受診した病院ではカルテが廃棄されたり、廃業等で初診日証明の取得が不可能となることが多いのです。

腎疾患(人工透析や腹膜透析)で障害年金の受給事例はこちら

仕事をしていると受給は難しいのか

実は、人口透析等での障害年金申請は就労をし収入(給与)があっても受給できます。

日常生活の不自由なレベルかどうかというのが焦点であり、仕事をしているかどうかは関係ありません。

下はよく頂く質問です。
Q.勤めていても障害年金は受給できますか?
会社に配慮してもらい、勤めながら人工透析を受けています。障害年金は働いていても貰えるのでしょうか?

A.働いていても問題ありません。
人工透析を受けてらっしゃる場合、2級と認定されます。(病状等が重い場合はそれ以上に認定される可能性もあります)。
働いていらっしゃることで不利になることはありません。

人工透析や腎疾患・腎不全

人工透析の障害認定日の例外

障害認定日も勘違いされていないですか?

Q.障害の認定日について
慢性腎不全で、人工透析を受けることになりました。
人工透析の場合、障害認定日が人工透析を開始してから3カ月後と聞きました。
先月から始めたので2カ月後が認定日となるのでしょうか?初診日は3年前です。

A.すぐに請求が可能です。
障害認定日の特例のご質問ですね。
障害認定日が人工透析を開始してから3カ月後となるのは、初診日から1年6カ月以内に人工透析を開始した場合です。

初診日が3年前ということですので、これにはあてはまらず、事後重症で請求します。
人工透析開始ではなく、初診日からすでに1年6カ月経過しているからです。

既に人工透析を開始されているのであれば、1日でも早く請求しましょう。

まとめると、障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3カ月を経過した日(初診日から起算して1年6カ月以内の日に限る)となります。

人工透析の動画セミナー

慢性腎不全による人工透析は、基本的に障害年金2級の対象となります。
よく言われるのが就労(仕事)をして収入があると駄目ということですが、仕事をしているか収入があるかは関係ありません。

動画になります(注 クリックすると声が出ます

腎疾患の障害年金の認定基準

以下が腎疾患1.2.3級の障害等級と障害の状態です。
なんとなくどんな状態であれば認定基準にあたるのか、感覚はつかめると思います。

腎疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療及び病状の経過、人工透析療法の実施状況、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定されます。

※以下、「日本年金機構」に掲載されている障害認定基準を元に作成。

障害等級 障害の状態
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

認定要領

1.腎疾患による障害の認定の対象はそのほとんどが、慢性腎不全に対する認定です。

慢性腎不全とは、慢性腎疾患によって腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に維持できなくなった状態。

すべての腎疾患は、長期に経過すれば腎不全に陥る可能性をもっており、最も多いのは、慢性腎炎(ネフローゼを含む。)、腎硬化症、嚢胞腎、腎盂腎炎であるが、全身性疾患による腎障害、すなわち、糖尿病性腎症、膠原病、痛風腎、アミロイドーシス等も少なくないものである。

2.腎疾患の主要症状としては、悪心、嘔吐、疼痛等の自覚症状、尿の異常、浮腫、高血圧等の他覚所見がある。

3.検査成績としては、尿検査、血液生化学検査(血清尿素窒素・血清クレアチニン・血清電解質等)・動脈血ガス分析等がある。

4. 慢性腎不全及びネフローゼ症候群での検査項目及び異常値の一部を示す。

区分 検査項目 単位 軽度異常 中等度異常 高度異常
内因性クレアチニンクリアランス ml/分 20以上30未満 10以上20未満 10未満
血清クレアチニン濃度 mg/dl 3以上5未満 3以上5未満 8以上
1日尿蛋白量 g/日 3.5g以上を持続する
血清アルブミン g/dl かつ、3.0g以下
血清総蛋白 g/dl 又は、6.0g以下

注)「ウ」の場合①かつ②又は①かつ③の状態を「異常」という。

5.腎疾患による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりである。

一般状態区分表

障害の程度 障害の状態
1級 前記(4)1の検査成績が高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級 1.前記(4)1の検査成績が中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
2.人工透析療法施行中のもの
3級 1.前記(4)1の検査成績が軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
2.前期(4)2の検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウのいずれかが異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

各等級に相当すると認められるもの

6. 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

障害の程度 障害の状態
1級 前記(4)1の検査成績が高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級 1.前記(4)1の検査成績が中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
2.人工透析療法施行中のもの
3級 1.前記(4)1の検査成績が軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
2.前期(4)2の検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウのいずれかが異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

7. 人工透析療法施行中のものについては、原則として次により取り扱う。
ア.人工透析療法施行中のものは2級と認定する。

なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

イ.障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする。

8.検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、腎疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行うものとする。

9.糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む。)、腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎孟腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められる。

10.腎疾患は、その原因疾患が多岐にわたり、それによって生じる臨床所見、検査所見も、また様々なので、前記 4 の検査成績によるほか、合併症の有無とその程度、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。

11. 腎臓移植の取り扱い
ア.腎臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する。

イ.障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。

なお、障害等級が3級の場合は、2年間の経過観察を行う。

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